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2024_ オリンピック女子・・内容的に、ナデシコが、ナイジェリアを寄せつけなかったという勝負マッチ・・とにかく、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での、 イメージング・シンクロの「質」が素晴らしかった・・だからこその、活発な人とボールの動き・・(ナデシコvsナイジェリア、 3-1)・・(2024年8月1日、木曜日)

よ〜〜しっ!!!

そのとき、地響きのような声が出た。

そう、田中美南がスライディングシュートでブチ込んだ、ナデシコ追加ゴールのシーン。

そのスライディングシュートには、ブラジル戦での「悔しさ」を吹き払う「鬼気迫る勢い」があった。

わたしは、自身の体験からも、よく知っているつもりだ。

進化&深化のためには、失敗を積み重ねていかなきゃいけないという事実を。

サッカーは、ある意味、ミスを積み重ねていかざるを得ないボールゲームなんだ。

そりゃ、そうだ。

何せ、イレギュラーするボールを、「足」で扱わなきゃいけないわけだから・・

そして、だからこそ、ミスが起きる。

攻撃での、ボールコントロールやイメージング・シンクロのミスだけじゃなく・・

守備での局面デュエル、マーキングやカバーリング、はたまた「危機でアタマが空白」になった瞬間の、間違った予測など、ミスには際限がない。

そして、だからこそ・・

そう、互いに、そのミスをカバーし合う、「真摯な組織プレー」が、求められるんだ。

そこでの、「自己犠牲」とも言えるハードワークの内実こそが、相互信頼の絶対ベースなんだよ。

あっと・・

とにかく、田中美南の、今大会初ゴールに、サッカーの裏側で蠢(うごめ)く、心理メカニズムを知っているからこその、私自身の、歓喜の爆発を、お知らせしたかった。

良かった・・

そう、良かったといえば・・

ナデシコのサッカー自体「も」、素晴らしいの一言だったよな。

ボール奪取プロセス(守備)は、もちろんのコト・・

スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)も、光り輝いていた。

彼女たちは、足許パスとスペースパスの違いを、しっかりと理解し、うまく使い分ける。

スペースパス・・

それをうまく機能させるための絶対条件は、言うまでもなく、味方の、ボールがないところでのアクションの量と質だ。

そして、そのスペースパスを、効果的に「機能させる」ためには、互いの「イメージング・シンクロ」が、とても大事なんだよ。

だからこそ、トレーニングでの、地道な「イメージング・シンクロ作業」が、モノをいう。

それが、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションの「礎」になるわけだ。

そして・・

そこにこそ、ナデシコを率いるプロコーチ、池田太の「ウデ」が見えるんだよ。

対するナイジェリア・・

彼女たちは、組織プレーの機能性という視点で、ナデシコの後塵を拝しつづけていた。

そして、ゴリ押しの「個の勝負」ばかりが目立ってしまう。

サッカーの、「組織クオリティ」では、かなり大きな「差」があった。

まあ、そんなナデシコなんだけれど、世界トップに君臨する、スペインの後塵を拝したのも、確かな事実だ。

わたしは、サッカーの「レベル」を測る上で、もっとも重要視しているのが、この、組織プレーでの「イメージング・シンクロの質」なんだよ。

もちろん、個の才能&能力レベルも、大事。

でも、その「天賦の才」を生かすも殺すも、すべてが、この「組織プレーの内実」にかかっているっちゅうわけさ。

だからこそ・・

わたしは、サッカーの美しさの絶対ベースが・・

ボールがないところでのアクションの量と質を絶対ベースにする、「組織的なリスクチャレンジ姿勢にあり・・」って言いつづけるんだよ。

もちろん・・

リスクにチャレンジした後は(要は、ミスや失敗の後ね!)、それをリカバーするための、運動量(走りの量と質)が、求められる。

それが、うまくいかない場合は、失点し、一敗地にまみれるケースだってあるでしょ。

でも、サッカーは、そんな「リスク」をテイクしなきゃ、決して、進化&深化など、望むべくもないし、やっている選手たちにしても、楽しくないに違いない。

決してリスクを冒さず、「失点しないために・・」、「負けないために・・」、「勝つことだけをターゲットに・・」、その視点で、もっとも可能性の高い徹底・戦術サッカーを突き詰める・・。

サッカーじゃ、そんな「態度」は、愚の骨頂なんだよ。イビツァ・オシムが示唆していたようにね。

わたしが、ドイツサッカーと関わった50年ちかくの歴史のなかで、そのメカニズムの「背景」を、しっかりと体感しつづけているんだ。

「そんな姿勢のサッカー」が、生き残ったり、高く評価されることなんて、ないんだよ。

あっと・・

とにかく、ナデシコ、バンザ〜〜イッ!!

池田太、バンザ〜〜イッ!!

さて、これで、8月3日の土曜日(日本時間の)2200時から、アメリカと、準々決勝で対峙する。

厳しい闘いがつづくけれど、池田太ナデシコには、それら全てが、日本サッカーの「糧」になると思って、最後の最後まで全力を、振りしぼって欲しい。

ガンバレ〜、池田太ナデシコ〜〜ッ!!


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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