トピックス


2007_オリンピック代表・・脅威と機会は表裏一体・・素晴らしい学習機会に恵まれたオリンピック代表・・(カタールvs日本、2-1)・・(2007年10月18日、木曜日)

昨夜のこと。オシム日本代表のコラムをアップした後、結局、オリンピック代表の試合「も」ライブで最後まで観戦してしまった。その後、憮然としてホテルのベッドに潜り込んだけれど、アタマにきて眠れず、睡眠不足の状態で東京へ戻ってきた次第。

 サッカーでは、内容と結果のアンバランスは日常茶飯事。とはいえ、「あれ」はちょっと度が過ぎた。タラレバで言えば、何度か作り出した追加ゴールチャンスをキッチリ決めていれば何のことはなかったのに・・ということになるんだろうね。

 まあ、自業自得。とはいっても、サッカーでの、ある意味では「理不尽な日常」を体感できたことは(記憶の引き出しに、刺激とともに残せたことは)大いなる価値だったと捉えるべきでしょう。

 もちろんそれは、残り2試合というここからの「あるべき姿勢」は、脅威と機会は表裏一体という普遍的な概念に則ったものでなければいけないということです。そりゃ、願ってもない最高の学習機会じゃないか!・・と捉えるべきだということです。次のアウェーでのベトナム戦、そしてホームでのサウジアラビア戦。その二試合を勝たなければならないというプレッシャーと対峙せざるを得なくなったんだからね。

 それにしても、全体的なサッカー内容では、格段といえるほどの差があったよね。人とボールの動きをベースにした組織プレーでも、その「発想」をベースにした組織的ディフェンス(イメージの有機連鎖!)でも。

 カタールの攻撃では、一つひとつのパスが遅いから明確に次のパスを予想できる。要は、カタールの選手が、タッチ&パスというイメージを大事にしていないだけじゃなく、周りのパスレシーブの動きも鈍重だったということです。だから、日本チームが仕掛けるタイミングのよいインターセプトや、「次の」競り合いの状況を正確に予想した効果的なボール奪取勝負がビシバシ決まる。

 とはいっても、アバウトな一発ロングパスからのゴリ押しの単独(個人)勝負では、カタールが擁する優れた個のチカラを見せつけられる場面もあったし、そんなゴリ押し個人勝負からのラストパス(競り合いからのこぼれ球)で決定的シュートを打たれたという危ないシーンもあった。

 そんなシーンを観ながら、日本オリンピック代表も、まだまだ「小さなところの修正」が急務だよな・・なんて感じてたものです(この小さなところの修正というテーマについては昨日のオシム日本代表コラムを参照してください)。要は、「どんな事態」にでも対処できるような集中した主体アクション(そんなプレー姿勢)が決定的に重要だということです。まあ・・意識の空白を作ることなく、常に主体的に考え仕事を探しつづけるというプレー姿勢・・なんていう風に言い換えられるかもいれないね。

 たしかに、両チームの間に明確な実力差があったことは確かな事実でした。後半にはカタールが攻勢を掛けてきたけれど、まあ仕掛けの流れはまったく怖くないし、ウラの決定的スペースを使われるというシーンも皆無でした。にもかかわらずの逆転負けだからね。

 とにかく反町監督には、脅威を機会へとクリエイティブに転換していくプロセスにおいて、彼の優れたウデが発揮されることを期待しましょう。

==========

 しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。

 基本的には、サッカー経験のない(それでもちょっとは興味のある)ビジネスマンの方々をターゲットにした、本当に久しぶりの(ちょっと自信の)書き下ろし。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というコンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影しているスポーツは他にはないと再認識していた次第。サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。

 いま三刷り(2万部)ですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。

 蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞、東京新聞の(また様々な雑誌の)書評で取り上げられました。またNHKラジオでも、「著者に聞く」という番組に出演させてもらいました。その番組は、インターネットでも聞けます。そのアドレスは「こちら」。また、スポナビの宇都宮徹壱さんが、この本についてインタビューしてくれました。その記事は「こちら」です。

 




[ トップページ ] [ Jワンポイント ] [湯浅健二です。 ]
[ Jデータベース ] [トピックス(New)] [ 海外情報 ]