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- 2009_中村俊輔・・ハードワークもこなす天才肌プレイヤー中村俊輔!?・・(2009年9月13日、日曜日)
- スッ、スッ・・と、細かにポジションを修正しつづける(相手のパスコースへの入り方や、次の相手パスレシーバーとの間合いを調整しつづける)中村俊輔。そう・・次のボール奪取(インターセプトや相手パスレシーバーがトラップする瞬間のアタック)を狙いつづけているのですよ。
彼の脳は、間断なく活動しつづけている(次のプレーの可能性を考えつづけている)と感じます。そう・・そのことが、発展にとって、とても重要な意味を持つのです。セルフモティベーション・・
無為に状況を見てしまったり(イメージの空白状態)ボールウォッチャーになったり、パスが(自分の近くの相手に)回されてきてから、仕方ネ〜な〜と鈍重に「リアクション」を起こすような受け身のプレー姿勢ではなく、攻守の目的を強烈に理解し、ボールがないところで、常に「猛禽類の感覚」で、そこでの目的を達成するためにチャンスを狙いつづける「主体的なプレー姿勢」。それこそが、プロフェッショナル(個人事業主)のマインドなのです。
また実際に、(例えばカカーがボールを持った状況で)全力ダッシュから強烈なスライディングアタックを仕掛けたり、例によっての「スリのような」クレバーなアクションで、相手からボールを奪い返してしまう。フムフム・・
とはいっても、中村俊輔にしても、気を抜いてしまう瞬間はあるわけだから、ちょっと褒めすぎですかネ・・!? いや、私は、彼の高校生時代からのプレーを知っていることも含め、決してそうは思わない。中村俊輔の変化(進化)のプロセスとコンテンツは、私にとっても、とても大事な、評価基準イメージの基盤の一つを形成しているのですよ。そう、攻守にわたる組織(汗かき)プレーの重要性に目覚めていく天才の(本当の意味での)進化プロセス・・としてネ。
当時わたしは、神奈川県サッカー協会の技術指導委員会指導という立場でシュンスケのことを観察していたし、彼が選ばれていた神奈川県高校選抜チーム監督の清水好郎さんも近い友人(悪友!?)ということで、よく彼のことが(その並外れた才能の功罪というテーマが!?)話題になったものです。ちょっと古いけれど、その、清水好郎さんとの「ザ・対談コラム」についてはこちらを参照して下さい。
あっと・・中村俊輔。ここで言いたかったことは、彼の攻撃における実効プレーの絶対的なベースが、その優れた守備意識にある・・ということでした。
・・だからこそ仲間の信頼を得ることができる・・だからこそ、仲間も、中村俊輔の才能を使おうと思う・・だからこそ彼に(積極的に)ボールが集まる・・だからこそ、シュンスケがボールを持ったら、しっかりと周りも動きはじめる・・だからこそ、彼自身も「使われるプレイヤー」として、ボールがないところでもしっかりと動きつづけることができる・・
いまのところは、彼自身だけではなく、チームメイトも絡んでくる「イメージの善循環」が回りつづけている思いますよ。彼のプレーも、個人勝負とシンプルな組織プレーとが、うまく組み合わされていると思うしね。だからこそ、局面での「個の勝負プレー」も、その多くは、高い実効をともなっている・・
何か、聞くところによると、中村俊輔に対する評価が「まだ」低調な現地メディアも多いとのこと。まあ、それには、デ・ラ・ペーニャと「二者択一」的に捉えられているという側面もあるということなんだろうネ(天才肌プレイヤーは両立しないという不文律!?)。
そりゃ、中村俊輔は、パワフルでスピーディーな勝負ドリブルで何人も抜き去って決定的なプレーをするという派手なタイプじゃないから、「それ」を期待されちゃ、難しいよね。もちろん、局面での(対面する一人を、外したり抜き去れば決定的チャンスになるという一対一の状況での)エイヤッ!のフェイント&勝負ドリブルでは(相手の逆モーションを突くというタイミング・ドリブル勝負など!)とても高い確率で「結果」を出すけれどネ(その意味でも既に仲間の高い信頼を獲得している!?)。
ということで、必ず中村俊輔は、攻守にわたる汗かきハードワークもこなす天才肌プレイヤーという(できれば、デ・ラ・ペーニャのように、センターゾーンで中心的なゲーム&チャンスメイカーとして存在感を発揮するということも含めて)、現地メディアにとっては特異なタイプの(!?)実効プレイヤーイメージを確立してくれるに違いありません。
とにかく、中村俊輔の「これから」が楽しみで仕方ないけれど、そのためにも、まずチームが(エスパニョールが)勝利することが先決だね。
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ところで、拙著「ボールのないところで勝負は決まる」の最新改訂版が出ました。まあ、ロングセラー。それについては「こちら」を参照してください。
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ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。
基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。
いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。
蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。
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