トピックス
- 2009_7連敗のレッズ・・守備での「意志&イメージ」の再構築・・「泥臭くアバウト」な攻撃の変化を!・・そして、フォルカー・フィンケのコンセプト継続に対するクラブ全体の意志の強化(継続こそチカラなり!)・・(2009年9月1日、火曜日)
- フム〜〜、どうもこの試合(第24節・・アウェーでのヴィッセル戦)でも、相手のゲーム戦術が意図するワナに「はまり込んで」しまうという戦いがつづいているという印象をぬぐえない。
第23節のサンフレッチェ戦は観ていないけれど、そこでも、ゲームを支配して攻めてはいるけれど、その割には、流れのなかから作り出すチャンスの量と質という視点では不満が残る・・ということを聞いた。そう、ガンバ戦、レイソル戦と同様に・・。
このポイントについては、レイソル戦レポートに書いたから、そちらも参照していただきたいが、かいつまむと、こんな感じになりますかネ・・
・・良い組織サッカーが機能していたシーズンの立ち上がり・・若手も、存分に発展し、レッズの未来は鮮やかなバラ色に見えた(わたしの目には、連敗がつづいている今でもそのローズカラーは色あせていないけれど、どうも結果が派手にネガティブだからネ〜〜)・・
・・あっとシーズン立ち上がりの頃のレッズ・・そんな好調なレッズに対し、相手が、レッズが展開する強力な組織(コンビネーション)サッカーを「まず」しっかりと抑えようと守備ブロックを固めるようになっていった・・そしてそこから、ハナシがちょっと変わってきた・・
・・ボールがないところでの人の動きを忠実にマークされつづけることで、人の動きが停滞気味になり、うまくタテ方向にボールを動かせなくなっていく・・だからコンビネーションの流れが停滞し、スペースも効果的に突いていけなくなっていく・・そして「個の勝負」に頼るようになってしまう・・また、その「リズムやタイミング」にしても(相手の眼前ゾーンでのみ展開される!?)変化のない単調なモノばかり・・相手守備にとって怖いはずがない・・
・・その背景には、蒸し暑い日本の夏という自然ファクターもあった・・もちろん自然は、両チームにとって同じ条件なわけだけれど、ダイナミックな組織(コンビネーション)サッカーを志向するレッズにとって、蒸し暑さは、より大きな障害となった!?・・
・・そんな流れのなかで、効率よく、相手にカウンターを決められた・・もちろんカウンターばかりじゃなかったけれど、「カウンター気味」というモノも含めれば、多くのピンチが「そこ」からだったと言っても過言じゃない・・
・・ということで、ここからは、守備というテーマに入っていく・・多くの失点がカウンターからとはいえ、やはり点を取られすぎだよな・・要は、肝心な勝負所における(ボールがないところでの)マークが甘くなっているということだと思う・・
・・全てのピンチ場面を精査したわけじゃないけれど、ピンチ場面の多くで、「どうせパスなんて来ない・・」といった甘い心理で、マークすべき相手との間合いをイージーに「空けすぎ」、実際にボールがきたら、慌ててタイトマークへいく・・といったシーンを何度も目撃した・・それに(集中力が低下していることで!?)ボールウォッチャーになってしまうシーンも多くなっていると感じた・・
ということで、いまの「ネガティブな結果シリーズ」を断ち切っていくための対策だけれど、まず何といっても、デフェンスのプレー姿勢(心構え)で基本に立ち戻らなければならないと思う。そう、ボールがないところでの忠実で確実なマーク。
もちろん、全体的に下がって(受け身に)人数を掛けた強化ディフェンスブロックを敷けなんて言っているわけじゃないよ。全体的に押し上げていく攻撃的な(積極的な)ボール奪取の流れ(基本的な守備のチーム戦術=ボール奪取プロセスに関する統一イメージ!)はそのままに、その「優れた守備意識」をベースに、最後の勝負所における「集中&忠実なポジショニング&ガンバリ」のレベルをアップさせるのです。そう、意志とイメージ創造のチカラ。
そして攻撃だけれど、もう何度も書いているように、相手守備のウラスペースを攻略していくような創造的コンビネーションを志向しながらも、そこに、泥臭いゴリ押しドリブル勝負や、後方から決定的スペースへ送り込まれる一発ロングパスとかアバウトな放り込みアーリークロス、はたまた、バックパスからのダイレクトシュートや、後方からの(スペースをつなぐ)ドリブル&ロングシュートといった、相手が驚くような「変化」をどんどん挿入していくべきだと思うわけです。
選手たちにしても、シーズン当初に魅せつづけたような効果的コンビネーションが『再び』うまく機能しはじめたら、そんな「泥臭いアバウト攻撃」など必要ないと感覚的に理解するはずだからね。
そして、人とボールの活発な動きをベースに、以前のようなハイレベルな(相手ディフェンスブロックのウラスペースを突いていくような!)組織コンビネーションが機能しはじめれば、原口元気やエジミウソン、高原直泰、後方から飛び出していく細貝萌や両サイドバックといったところも『より良いカタチで』ドリブル勝負を仕掛けていけるように「も」なるはずです。
そこが大事なポイントなのですよ。相手が嫌がる「スペースを攻略する組織コンビネーション」が機能するようになれば、おのずと、使えるスペースが増えてくるし、レッズが内包する「個の勝負能力」も、より実効あるカタチで活用できるようになると思うわけです。
だからこそ、そのような「仕掛けの善循環」を再び機能させるためにも、前述した「泥臭いアバウトな仕掛け」を根気よく、そしてタイミングよく繰り出すという「仕掛けの変化」を挿入していくことで相手守備ブロックを混乱させ、スキを作り出さなければならないというわけです。
とにかく、いまのレッズの攻めは、まさに単調の極みだからネ。相手守備にしても、「ヤツらは、おれ達のツボにはまっているゼ・・」と、ほくそ笑んでいるに違いない。とにかく、相手ディフェンスクの人数はとても多いわけだから、彼らが集中するゾーンを避ける意味でも、ロングボールとか、アバウトなクロスを放り込むなんていう単純な仕掛けが効果的なケースも多いのですよ。あっと・・繰り返しが多いか・・
そして最後に、フォルカー・フィンケが志向するチーム戦術コンセプト。
それが、とても優れていることは衆目が認めるところでしょう(詳しい表現については、これまでのコラムを参照して下さい)。だから、ここは、とにかくチームマネージメントがフォルカー・フィンケを強力に支えなければいけません(もちろん、必要な修正についての、互いの、深く真摯なディベートも含めてネ・・)。とにかく、クラブマネージメント、チームマネージメント、チームスタッフ、選手、そして(願わくば!)ファンの方々が一体とならなければ、この苦境から脱出することは難しい。
よくあるんですよ、結果がミスリードする「ネガティブな心理サイクル」という現象が。何といっても、チームは、多くの不満「も」内包する(心理的に)ダイナミックに(動的に)均衡しなければならない不安定なグループだからね。逆から言えば、不満が少ないチームは、絶対に、優れたファイティンググループには成長できないということです。
例えば、優れた不満マネージメントによって、チーム全体のエネルギーをとてつもなく強力なポジティブ循環へと展開させられることもあるし、逆に、その心理マネージメントに失敗した場合は、ほんのちょっとしたことでチームが心理的なネガティブサイクルにはまり込んでしまうことだってある。チームは、心理の剣が峰に立つ生き物なのです。
とにかく今は、結果がメチャクチャ派手にネガティブなわけだから、クラブ全体の「意志」を徹底的にクリアに統一する必要があるのですよ。新任の社長さんのウデ(危機管理能力≒自己保身とは真逆のリスクチャレンジ姿勢≒勇気と決断力に支えられた真の創造的マネージメント姿勢などなど)の見せ所ということですかね。
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ところで、拙著「ボールのないところで勝負は決まる」の最新改訂版が出ました。まあ、ロングセラー。それについては「こちら」を参照してください。
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ということで・・しつこくて申し訳ありませんが、拙著『日本人はなぜシュートを打たないのか?(アスキー新書)』の告知もつづけさせてください。その基本コンセプトは、サッカーを語り合うための基盤整備・・。
基本的には、サッカー経験のない(でも、ちょっとは興味のある)一般生活者やビジネスマン(レディー)の方々をターゲットに久しぶりに書き下ろした、ちょっと自信の新作です。わたしが開発したキーワードの「まとめ直し」というのが基本コンセプトですが、書き進めながら、やはりサッカーほど、実生活を投影するスポーツは他にはないと再認識していた次第。だからこそ、サッカーは21世紀社会のイメージリーダー・・。
いま「六刷り」まできているのですが、この本については「こちら」を参照してください。また、スポナビでも「こんな感じ」で拙著を紹介していただきました。
蛇足ですが、これまでに朝日新聞や日本経済新聞(書評を書いてくれた二宮清純さんが昨年のベスト3に選んでくれました)、東京新聞や様々な雑誌の書評で取り上げられました。NHKラジオの「著者に聞く」という番組で紹介されたり、スポナビ宇都宮徹壱さんのインタビュー記事もありました。また最近「こんな」元気が出る書評が出たり、音声を聞くことができる「ブックナビ」でも紹介されたりしました。
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