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2010_UCL決勝・・すごいネ〜〜、インテル(モウリーニョ)のワナ・・でも導入部は、傭兵チームが放散するポジティブ波及効果!?・・(バイエルンvsインテル, 0-2)・・(2010年5月23日、日曜日)

もちろん私は、バイエルン・ミュンヘンをサポートしていましたよ。いくら 「傭兵部隊」とはいえ、クラブ自体は「ドイツ」だからネ。

 「やっぱりオレ達は、選手じゃなく、クラブに対してアイデンティティーを求めているんだよな・・」

 そんなことを、コーチではない一般生活者の友人(ドイツ人)が言っていました。彼は、シャルケ04のファン。そう、シャルケも、主力は外国人なのですよ。

 わたしは、プロリーグで、外国人の傭兵チームが主体になると、ファンが離れていくかもしれない・・一国の代表チームのチカラ(その国のサッカー的なインフラ)にブレーキを掛けてしまうかもしれない・・カネさえあれば、すぐにでも強力チームを作り上げることが出来るなど、スポーツ的な要素ではなく経済が主導するプロサッカー(クラブ間の格差の拡大)という傾向は、長い目で見たら、少しずつサッカー環境に悪影響を及ぼしていくかもしれない・・等々といったネガティブなイメージを抱いていた(今でも心配している)。

 たしかに、まだまだ「先」は見えてこないけれど、傭兵チームだったらファンが離れていくかも・・という仮説については、ある程度の「傾向」は見えてきたと思います。結局そんなことはなかった・・シャルケファンの友人が言っていたように、生活者はクラブ自体にアイデンティティーを感じている・・ということか・・

 それ以外の「心配」についても、ポジティブな展開「も」見られるようにもなっている・・かな?。結局は、フェアな競争というスポーツの大原則に「固執しすぎる」と、全体的な勢い(発展エネルギー)にブレーキを掛けてしまうような反作用も大きくなってしまうということなのかな?? 何か、(これもまたホンモノの心理ゲームである!?)経済のメカニズムと重なり合う感じもあるよね。

 ・・人間の歴史は、規制と解放を繰り返す・・欧州のプロクラブサッカーでは、この10年間は「解放」がリードした・・でもまた、行き過ぎによって、「規制」による揺れ戻しが必要になるかもしれない・・なんてネ。あっと、傭兵チームのポジティブな波及効果というテーマ。

 ・・傭兵チーム(世界のトップクラブ)が展開するレベルの高いサッカーが、情報化の進展によって、世界中の若い世代にとっての素晴らしい「イメージトレーニング素材」として活用される・・だから世界レベルで、サッカーが発展しつづけ、どんどんと良い選手が出てくる・・(情報化の進展によって)もちろん彼らが「世界の舞台」で活躍できる可能性も高くなる・・

 ・・そうすれば、どんどんと選手のレベルが引き上げられ、良いサッカー(美しく勝てるサッカー!)を展開するチームも増えていく・・そして、スポーツ的な「フェアな競争」のインフラ環境が、よりうまく整備されていく!?・・そう、世界のトップクラブ(素晴らしいサッカー=イメージリーダー)が主導する『善循環サイクル』の確立・・日本で言うならば、選手の全体的なレベルの底上げで「J2」も面白くなってきている・・っちゅうポイントですかネ・・

 あっ・・またまた前段が長くなってしまった。要は、わたしが、バイエルン・ミュンヘンに肩入れしてUEFAチャンピオンズリーグの決勝を観ていた・・だからこそ、インテルの「狡猾なワナ」に舌を巻き、シャッポを脱いでいた・・っちゅうポイントだった。

 そう・・インテルは、とても素晴らしい「勝負サッカー」を展開したのですよ。決勝だからね・・モウリーニョに拍手するしかないね。

 インテルの勝負サッカー・・。その、もっとも重要なポイントは、言うまでもなく、「クレバーに」守って効果的なカウンターを仕掛けていくというゲーム戦術的なイメージです。

 まず、クレバーに守る・・というポイントから。

 インテルは、うまく中盤のスペースを「コントロール」してしまうような、バランス・オリエンテッドな守備イメージ。要は、互いのポジショニングバランスを強くイメージしながら、バイエルンの仕掛けの流れを「コントロール」するということです。

 インテルは、軽い(それでも、あくまでも忠実に睨みを効かせるような)チェイス&チェックから、常にバイエルンの「タテへの仕掛け」を狙いつづけていた!? いや・・ここがポイントなんですが、インテルは、明確に、バイエルンに「仕掛けの流れをスタートさせようとしていた・・のです。

 要は、中盤でのチェイス&チェックは忠実につづけるけれど、バイエルンほどは、ボールに対するプレッシャーを強くせず、よりバイエルンの「攻撃の起点」が仕掛けていき易いように仕向けていた・・と思うわけです。

 そのことで、バイエルンは、サイドゾーンも含めて、タテへ仕掛けていく・・だから、後方からのサポートも強くなる・・要は、より人数を掛けて前へ上がっていくということです。

 そして、まさに「その状況」こそが、モウリーニョの意図するところだった!? インテル守備ブロックは、明確に、バイエルンに「来させ」ていたと思うわけです。そして、だからこそ、チームが一つのユニットになって、「どこでボールを奪い返すか」の明確なイメージを構築していた。その、イメージリーダー的な役割を担ったのが、アルゼンチンの「レジェンド」サネッティーだった!?

 チェイス&チェックは忠実にするよ。でも、ボールとの間合いを、プレーされているゾーンによって、まさに狡猾にコントロールしている。もちろん、バイエルンは、注意深くプレーしながらも、最後は「仕掛け」をスタートされる・・その流れに何人かの選手が乗っていく・・。そして・・

 ・・バイエルンに、「仕掛けの流れを作り出せるゾ」と思わせる・・より多くの人数を「入れ込ませる」・・そして「ココゾ!」のタイミングで集中し、次のパスレシーバーのところでズバッと協力プレスを掛けてボールを奪い返す・・そして、一瞬のうちに、何人もの選手が、バイエルンゴールへ向けて全力スプリントをスタートする・・

 ・・この瞬間に、インテル選手たちの「カウンターイメージ」が完璧にシンクロしているコンビネーションが素晴らしい・・彼らは、明確に、ボールを実際に奪い返す前から、奪い返すことを前提に、次の『爆発』の準備を整えている・・フ〜〜・・

 それにしても、インテルの先制ゴール。本当に目の覚めるようなスーバーカウンターだったよね。一瞬のコンビネーション。最初にヘッドでボールを「流し」、そのまま、全力ダッシュで決定的スペースへ抜け出していったミリート・・そして、ミリートからのヘディングのパスを受け、当たり前だよ!と言わんばかりの落ち着いた姿勢でラスト(タテ)パスを通したスナイデル・・。ちょっと鳥肌モノだった。

 たしかに、後半にはバイエルンも、トーマス・ミュラーが絶対的な同点チャンスを得た。それは、カウンター的な流れからのチャンスメイク。インテル守備ブロックが一瞬バランスを崩した=やはり実効チャンスは、カウンター的な流れからしか作れない!?・・フムフム・・あははっ・・

 また、ロッベンのフリーキックからも惜しいチャンスはあったよね。でも、ゲームの全体的な流れからすれば、まあ、インテルの完勝ということだと思いますよ。

 うまくバイエルンの攻めの流れ(彼らのイメージを)コントロールしていたインテル・・そんな「ワナ」にまんまとはまってしまった感のあるバイエルン・・またバイエルンのセンターバックコンビという弱点が出たというシーンも多々あった・・

 ・・まあ、だから、インテルの完勝・・ちょっと残念ではあるけれど・・

 決勝の後、ちょっと寝てから、ランチタイムに間に合うように必死にコラムをアップしました。後でビデオを見返してからポイントを補足するかもしれません。では・・

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 ところで、三年ぶりに新刊を上梓しました。4月14日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定したらしい。フムフム・・。タイトルは『サッカー戦術の仕組み』。岡田ジャパンの楽しみ方・・という視点でも面白いかもしれません・・たぶん。池田書店です。この新刊については「こちら」をご参照ください。

 




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