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- 2010_アジア大会・・立派な組織サッカーで、ホストカントリー中国を制した若武者たち・・(日本vs中国, 3-0)・・(2010年11月8日、月曜日)
- 日本代表が、素晴らしい守備意識(素早い攻守の切り替え!)を絶対的な基盤にする勝負強い組織サッカーを展開し、ホストカントリー中国に対し、立派な大勝をおさめた。
これって、関塚隆監督の(攻守にわたる組織コンビネーションを中心にした!?)イメージトレーニングが功を奏したっちゅうことなんだろうね。
聞くところによると(中継アナウンサーの情報)、関塚監督は、ワールドカップ後の日本フル代表のビデオを見せながら、チーム戦術的なイメージをしっかりと浸透させたとのこと。やっぱりサッカーでは、プレーイメージが連鎖することが(有機的なイメージ連鎖が)大事だということです。
脳裏に描写される、攻守にわたるプレーイメージ・・それが、複数の仲間と、明確にシンクロ(同期)する・・だからこそ、複数プレイヤーによる組織プレーが効果的に連動する・・だからこそ、効果的にボールを奪い返せる・・そして、だからこそ、危険な最終勝負を繰り出していける・・
とはいっても、先制ゴールを奪った後には、攻撃でのボールがないところの動きが(要はサポートの動きが)消極的になり、中国の、個のチカラを前面に押し出す攻撃に押し込まれる時間帯もあった。ただ、時間の経過とともに、徐々にリズムを取り戻し、しっかりとした組織プレーが甦(よみがえ)っていった。
そんな日本に対し、中国は(これまでのイメージを払拭できず!?)どうも肝心なところで「個の勝負イメージ」が先行しすぎると感じた。もちろん、ある程度パスは回るけれど、そのほとんどは、最終勝負へ向かうコンビネーションというのではなく、「ミエミエの足許パス」という性格のボールの動きなのですよ。
要は、人とボールの動きが、勝負所でスムーズに「連動」せず、最後のところで、どうしても個人勝負の方が目立ってしまうことで、日本守備ブロックを崩せない・・ということです。
別な表現をすれば、中国は、うまくスペースを使えていないとも言える・・かな。
スペースを活用するということの意味は、相手守備ブロックのなかで『ある程度フリーで』ボールを持つ状況を作り出すことです。そして、そのボールホルダーを仕掛けの起点に、ドリブル勝負だけではなく、二人目、三人目のフリーランニングで決定的スペースを攻略するコンビネーションをしけていく・・ということだけれど、中国代表の場合、勝負ドリブルばかりが目立ち、最終勝負のコンビネーションイメージが連動しない。
優れた仕掛けでは、組織コンビネーションと個のドリブル勝負が、うまくバランスしているものなのですよ。それがあるからこそ、相手守備ブロックも、ボール奪取イメージを絞り込めなくなる・・というわけです。
スペースを活用するため(そこである程度フリーでボールを持つため)には、もちろんドリブル勝負で相手ディフェンダーを抜き去ってもいいけれど、やはり、人とボールの動きを主体にしたコンビネーションをうまく機能させるというのが基本だよね。そう・・スペイン代表やバルセロナのようにネ。サッカーの基本は、やっぱり、パスゲームなのですよ。
これまで何度も書いたけれど、フィジカルやテクニックに優れる中国が、高度な戦術イメージをうまく「連動」させられるようになったら、日本にとって、それはそれは大きな脅威になるよね。
これまでに何度も、今年の初頭に日本で行われた東アジア選手権での中国フル代表チームのように、中国サッカーがブレイク・スルーを果たしそうな雰囲気はあった。でも、結局は、以前のように「個」を前面に押し出し「過ぎる」偏ったサッカーへと後退していってしまう。
やはり生活(社会)文化を乗り越えていくのは(日本も例外じゃないけれど・・)難しいということなんでしょうか?? さて・・
あまりにも見事なサッカーだったから、2点目を奪ったあたりから、その素晴らしい闘いを肴に赤ワインを飲みはじめてしまった。だから、ハチャメチャな文章になっちゃったかもしれない。ご容赦アレ・・なのです。あははっ・・
最後に、永井謙佑。素晴らしかったネ〜。
ワールドカップ(世界レベル)での日本代表の成果は、特に「若い世代への刺激」というカタチで如実に現れてくるものです。そのことは、フットボールネーションの歴史をひも解くまでもありません。とはいっても、その視点で、ワールドカップ後にユース世代の代表チームが成果を出せなかった現象には、ちょっと納得がいかなかったけれど・・
やっぱり「内容」と「結果」は、それぞれのチームのミッション(目的・目標イメージ)に応じて「うまくバランス」していなければならないものなのですよ。日本代表でも、Jのクラブでも、はたまたユースチームでも・・
酔っぱらいの筆者でした〜〜・・
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またまた、出版の告知です。
今回は、後藤健生さんとW杯を語りあった対談本。現地と東京をつなぎ、何度も「生の声」を送りつづけました。
悦びにあふれた生の声を、ご堪能ください。発売翌日には重版が決まったとか。それも、一万部の増刷。その重版分も、すでに店頭に(ネット書店に)並んだそうな。その本に関する告知記事は「こちら」です。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。
4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。
出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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