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2010_アジア大会_Final・・最後の最後まで衰えなかった「闘う意志」と、関塚隆監督の優れたマネージメントに乾杯!・・(日本vsUAE, 1-0)・・(2010年11月25日、木曜日)

すご〜い、本当にすごい闘いだった。とにかく、日本の若武者たちが最後の最後まで魅せつづけた忍耐と、闘い切る『意志』に乾杯!!

 前半、UAEに、セットプレーから二本の決定的ピンチを作り出された。あれが失点につながらなかったのは、まあ・・奇跡に近い現象だったね。それほどの絶体絶命のピンチだった。そして後半、UAEにゲームを支配される流れのなかで(UAEから見た)右サイドを突破され、最後は、ボールがバーを二度も直撃する決定的ピンチにも見舞われた(最初の直撃で跳ね返ったボールが、GK安藤駿介の足に当たって再びバーを直撃した!!)。それでも若武者たちは、そのピンチを凌(しの)ぎ切った。

 この試合からピックアップするテーマは、まず何といっても、決勝ゴールを入れてからタイムアップまでに日本の若武者たちが展開したサッカー内容だね。

 彼らは、決して、受け身に下がって守備ブロックを固めるなどという無様なプレー姿勢ではなく、あくまでも、積極的にボールを奪い返すという「強烈な意志」を前面に押し出す立派な闘いを展開した。だからこそ、UAEの反攻エネルギーの増幅を未然に抑制できた。

 またそこでは、前述した絶体絶命のピンチを凌(しの)ぎ切ったという体感をベースに、若武者たちが、試合のなかで「着実な成長を遂げたこと」も重要なテーマだった。

 特にセットプレーのシーン。前述した前半のピンチシーンにおける日本ディフェンスは、(UAEの)正確なフリーキックを信頼してタテに全力スプリントで抜け出す相手プレイヤーに付いていけず、最後の勝負所で彼らをにフリーにしてしまった。だから、為すすべなく絶体絶命のピンチに陥った(二つとも、GK安藤駿輔の正面に飛んだことで事なきを得た!!)。

 その「マークが外れてしまった決定的ミス」は、選手たち自身が痛いほど分かっている。だからこそ彼らは、その失敗の体感という「刺激」によって、プレーイメージ的に、一回りも二回りの「大きく」なった。だからこそ、ゲームの最後の時間帯でのUAEのセットプレー場面を、落ち着いて切り抜けられた。

 そのシーンで若武者たちが魅せた、相手を一ミリでも自由にプレーさせないという強烈な意志が込められた「必死の形相のマーキング」は、感動的でさえあった。また、こぼれ球を「ワレ先に」とブロックする日本選手たちの「力強いアクション」からも、強烈な意志の迸(ほとばし)りを感じた。

 その時間帯の(日本の)守備ブロックには多くの人数が入っていた。よく起きることなのですが、人数が足りている場合、逆に「オレが何とかするゾッ!!」という自己主張プレー(意志の迸りプレー)が滞ってしまいがちになるモノです。でも、若武者たちは違った。

 この試合で(まあ・・準決勝のイラン戦でも・・)若武者たちが魅せつづけた、アナタ任せにすることなく、とにかく「まず」自分が勝負へ向かうという、仕事(勝負シーンを)を探しつづける(勝負イメージを描写しつづける!)積極プレー姿勢には、本当に感動した。

 素晴らしく強烈な『意志』を絶対的なバックボーンに粘り強い(立派な)闘いを魅せつづけた日本の若武者たち。この日本代表チームは、日本のアイデンティティー(誇り)になった・・と思う。

 また、選手たちのチカラを「120%」引き出した関塚隆監督にも、心からの拍手を贈りたい。彼の優れた仕事については、日本代表が魅せつづけた、素晴らしい守備意識(素早い攻守の切り替え!)を絶対的なバックボーンにした、組織コンビネーションと個人の勝負プレーが高い次元でバランスした勝負強いチームプレーが、如実に証明していた。

 アジアの頂点に立った関塚ジャパン。本当に、おめでとうございました。

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 またまた、出版の告知です。

 今回は、後藤健生さんとW杯を語りあった対談本。現地と東京をつなぎ、何度も「生の声」を送りつづけました。

 悦びにあふれた生の声を、ご堪能ください。発売翌日には重版が決まったとか。それも、一万部の増刷。その重版分も、すでに店頭に(ネット書店に)並んだそうな。その本に関する告知記事は「こちら」です。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。

 4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。

 出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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