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2010_長谷部誠・・ 攻守にわたって自ら(汗かき)仕事を探しつづける(究極の!?)能動プレイヤー・・(2010年1月30日、土曜日)

あっという間に時が過ぎてしまいました。ホントに、ご無沙汰してしまって・・

 実はいま新刊を執筆中なのです。もちろんその他のビジネスと並行してのクリエイティブワーク。まあ、例年一月の日本はサッカー閑散期ということもありますからネ(また、イエメン戦もテレビ中継がなかったし・・)。

 とはいっても、もちろん海外サッカーは熱い。イングランド、ドイツ、イタリア、そしてスペインリーグなど、こまめにチェックはしてます。でもコラムを書くところまでエネルギーを高揚させられない。このところ、ちょっと文章を書き過ぎかも・・

 それに、中村俊輔は、ケガで万全ではないだけではなく、周りとのイメージ的な齟齬(そご)もまだ払拭できていないときている。もちろん時間が解決するとは思うし、前回のレポートでも書いたように、彼のプレー姿勢(=意志の内容)にも明らかなポジティブ変化が感じられるようになってはきている。でも、そんな大事なタイミングで、今度はケガに悩まされることになってしまって・・。ちょっと、私の「セルフ・モティベーション機能」のパフォーマンスが減退するのも仕方ないっちゅうところですかネ。

 まあ、「いまは新刊の執筆に集中しろ・・」ってサッカーの神様が言っている等と、都合よく考えることにしていた次第なのでした。

 とはいっても、長谷部誠は頑張っている。チーム成績が低迷したことで監督のアルミン・フェーが解任されるという「変化」もあったし、ちょっと気になってレポートすることにしました。それにしても彼のパフォーマンス、いつ見ても、とても高いレベルで安定している。彼が秘める、高質なインテリジェンスを感じますよ。

 あっと・・今回のコラムのタイトルだけれど、「まさにその通り!」ということで、前回と同じにしちゃいました。悪しからず・・。その前回コラムは「こちら」。 ということで長谷部誠レポートです。

 すごいネ〜、長谷部誠。守備でも、攻撃でも、とにかく、常に「最初に」アクションを起こしていると感じさせてくれるダイナミックプレイヤーの筆頭は、間違いなく彼なんだからね。

 わたしは、よく「攻守にわたる全力ダッシュの量と質が、その選手の意志の内容を端的に示している・・」なんていう表現を使うことがあります。守備でも攻撃でも、その局面で、自分が「やりたい・・やらなければ・・」という意志があれば、それが次のアクションに現れてくるし、具体的なプレーイメージが描写されているわけだから、リキも入るはずですよ。だから全力ダッシュ・・

 よくいるじゃないですか、ぬるま湯のジョギングで、取り敢えず、組織プレーの流れには参加していますよ・・っちゅう姿勢のプレイヤー。ホント、ハラが立ちますよね。そんな「意志が感じられないぬるま湯プレー」しか出来ないんだったら、プロなど辞めて、アマチュアで「楽しいサッカー」をすればいい・・なんてことまで思ったりしてしまう。

 「そんな輩」は、まだ日本代表にもいるよね。岡田武史は、究極の組織サッカーを標榜しているわけだけれど、「そんなプレイヤー」は、普通だったら確実にブレーキになる。とはいっても岡田武史は、まだまだ「個の才能」に期待をかけているということなんだろうね。

 その気持ちはよく分かる。サッカー監督の誰だって「才能」は欲しいものだし、その彼に忠実プレーをさせることで、パフォーマンスを何倍にも高揚させられる・・っていう自信をもっているものだからね。その自信がなければサッカー監督になる資格なしというわけです。

 岡田武史が志向する「究極の組織サッカー」というコンセプトには大賛成ですよ。そのなかに、本当の意味で効果的に「個人勝負プレー」をミックスしていけるのだったら、それに越したことはないわけだからネ。 でもサ、そんな「日本の天賦の才」で、本当の意味で、フットボールネーションの強者どもを置いてけぼりにできるくらいの強烈なドリブル突破を繰り出せる選手っているのかい? さて・・

 組織サッカーの具体的な目標イメージは、人とボールを動かしつづけるなかでスペースを攻略していくこと。要は、ある程度フリーでボールを持つという「最終勝負の起点」を作り出すプレーのことです。でも、そこから「最終勝負」へ至るのに、またまた組織プレー「しか」ないというのでは、厳しいよね。だからこそ、勝負ドリブルでシュートまでいけるような個の才能がいれば、もちろん、それに越したことはないわけです。攻撃での、もっとも重要なコンセプトは、何といったって「変化」・・だからネ。

 たしかに日本代表でも、そんな「個のチカラで変化を演出できるプレイヤー」がまったくいないというわけじゃない。でも、そんな「個の才能」で、組織的な汗かきプレーまで十分に出来るというプレイヤーが少ない(いない!?)。それが問題の本質ということです。

 世界のトップサッカーは、「攻守にわたる組織的な汗かきプレーも存分にこなせる天才・・」を重用するというベクトル上にあるわけだし、「天才」連中も、汗かきをやらなければすぐに淘汰されてしまうという厳しい現実を認識しはじめているのですよ。フムフム・・

 あっ・・またまた脱線。長谷部誠にもどりましょう。どうも彼のプレーが、攻守にわたって、あまりにも「高みで安定している」ものだから、目立つポイントをピックアップし難いのかも・・フムフム・・。

 究極の「能動」組織プレイヤー長谷部誠。でもネ・・彼もそろそろ、攻撃での「個の勝負プレー」でも目立ちたいと思いはじめている傾向は感じますよ。彼は「その資質」も十分に持ち合わせているわけだからネ。

 結局グループリーグで負けちゃったけれど、UEFAチャンピオンズリーグの「マンU」戦でも、ドリブルで勝負したり、そこからミドルシュートを打つなど、随所で積極プレーを魅せていた。また、この試合(書くのが遅れてスミマセン・・ブンデスリーガ第20節、アウェーでのハンブルガーSV戦)でも、攻守にわたる「究極の組織プレー」はそのままに、より積極的に個人勝負(ドリブル突破)にもチャレンジしていた。それも、相手にとって、とても危険な臭いを放散するダイナミックなドリブル勝負。

 そんな「意志の変化の兆し」というのが、この長谷部誠コラムのテーマでした。その他のプレー評価については「前回のコラム」も参照してください。

 さて、また新刊の執筆に戻ります。悪しからず・・

 




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