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2010_日本代表_・・ワールドカップの成功がもたらした自信がエネルギーを充填する・・そのポジティブな流れを加速させたバランス感覚あふれるザッケローニ(!?)・・(日本代表vsアルゼンチン, 1-0)・・(2010年10月8日、金曜日)

「試合前には、チーム(プレー)で相手を上回るしかないという言葉を選手たちに掛けたとおっしゃいました・・また、前戦の選手たちが犠牲心をもってディフェンスを助けたというコメントもありました・・それらの言葉は、ザッケローニさんがこれから推し進めるチーム作りにおいて、とても大事なキーワードだと思えるのですが・・?」

 試合後に、そんなニュアンスの質問を投げかけてみました。何せ、ザッケローニ監督自身が強調する大切なキーワードは、「バランス」だからね。組織(チーム)プレーと個の勝負プレーのバランス・・守備と攻撃のバランス・・などなど・・

 そんな私の質問に対しては、「攻撃陣が積極的にディフェンスに参加することで、高い位置でボールを奪い返せる可能性が高くなる・・それが、とても効果的な仕掛け(ショートカウンター)につながることは言うまでもないだろう・・日本の攻撃陣が、アルゼンチン中盤の底でゲームを作ろうとする(仕掛けの起点になろうとする)マスケラーノとかカンビアッソがボールを持ったときに効果的なアプローチを仕掛けつづけたこともまた、この良い結果の大いなる基盤だった・・」ってなニュアンスの、ちょっと質問の骨子とはズレたコメントになったけれど、まあ、ここは、例によって「行間ニュアンス」を読み取るしかありません。

 わたしは、ザッケローニ監督もまた、日本代表のチーム作りにとってもっとも重要なコンセプトを、攻守にわたる組織プレーに置いていると思っているわけです。だからこそ、チーム全体の(犠牲心にあふれる!?)意志のハーモニーが大事になる!? あっと・・「語る」には、まだちょっと早過ぎるか・・あははっ・・

 とにかく、日本代表は、とても立派なサッカーで、アルゼンチンに「も」勝利を収めました。

 ここで用いた「も」だけれど、もちろんそれは、一ヶ月前のパラグアイ戦のことを指しています。そこで競り勝ったことと、今日のアルゼンチン戦での勝利。そこには、殊の外大事な「事実」が内包されているのかもしれない・・。

 パラグアイ戦のコラムでは触れなかったけれど、やはり、ワールドカップで勝利を収め、実力で決勝トーナメントに駒を進めたことは、日本代表チームに、発展プロセスにとって核心的に重要な「心理・精神的な基盤」を大きく強化したということなんだろうね。自信の進化と深化・・

 いまの日本代表チームは、心理・精神的に、とても良い流れのなか(実効ある発展ベクトル上)にあると感じます。私は、パラグアイ戦とアルゼンチン戦での、効果的な守備をベースにした優れたサッカー内容は、そのことを如実に物語っていたと思うわけです。

 そして新任のザッケローニもまた、パラグアイ戦のサッカー内容を観ながら、そのことをしっかりと体感していた!?・・だからこそ彼は、ワールドカップでの成功をベースにした、とてもポジティブな発展の流れを「阻害」せず、逆に、その流れを加速させるようにチームをマネージした!?・・フム〜〜・・

 わたしは、その意味で・・要は、自らのサッカー哲学(イメージ)を強要し過ぎなかった(移植することに固執し過ぎなかった!?)に違いない・・という意味合いで、ザッケローニ監督が、とても優れたバランス感覚の持ち主だと確信していた次第なのです。

 もちろん、数日のトレーニングのなかでチーム戦術の急激に変えようとしたら、逆にマイナス効果の方が大きくなってしまう。でも、監督によっては、自分が指揮を執った次の日から、ガラリッとチーム戦術(攻守の基本的なやり方)を変えることに固執することは、皆さんもご存じ通りだけれど、だからこそ私は、ザッケローニの優れたバランス感覚の面目躍如だと思ったわけです。

 そんな方向性のなかでザッケローニ監督は、チームの「物理(戦術)的&心理・精神的なコア」が、長谷部誠と遠藤保仁のボランチコンビだと確信し、彼らに中盤コントロールを任せたわけです。もちろん、最前線の「汗かき」岡崎慎司と、守備意識も高い香川真司を、彼らとタテのコンビを組むパートナーとしてイメージさせることも忘れなかった!?

 また試合中にも、遠藤保仁に代えて阿部勇樹を、また香川真司の代わりに中村憲剛を、それぞれタイミングよく投入する。とても素晴らしいバランス感覚だったと思いますよ。あっと・・前田遼一と森本貴幸の交代も、とても効果的だったよね。

 試合だけれど、立ち上がりの15分あたりまでは、アルゼンチンが繰り出しつづける、組織的なハードワークと、メッシやテベスの個の才能が効果的なミックスされた素晴らしい組織コンビネーションに圧倒されつづけたよね。そんな展開を観ながら、どうなることかと固唾を呑んでいた。でも徐々に、両チームのドミネーション(ゲーム支配)が、動的に均衡していった。

 どうだろう・・。アルゼンチンのペースがダウンしていった・・!? それとも、日本代表が押し返していった!?

 わたしは、微妙に、日本代表がワールドカップで積み重ねた「深層の自信」からのエネルギーが放散され始めた結果だったと感じていました。もちろん「微妙な感覚的評価」ではあるけれど、そのコトについては、妙に自信がある。

 ・・練習マッチだったとはいえ、「あの強い」パラグアイに競り勝ったことも含め、「世界」に対する自信を進化&深化させつづける日本代表の選手たち・・彼らは、ビビることなく、100パーセント、持てるチカラを発揮できていた・・だからこそ、しっかりと押し返していけるし、「世界との最後の僅差」にしても、より明確に見えてくる(体感し、記憶に刻み込める)・・そして世界へ立ち向かっていく上での課題が、より明確に見えてくる・・

 ・・アルゼンチン戦・・その立ち上がりの時間帯・・何度か、アルゼンチンが繰り出す局面でのドリブル勝負や、切れ味鋭いコンビネーションに振り回されるシーンがあった・・でも日本代表の選手たちは、徐々に、自分たち自身で対応し、自らゲームペースを掌握していった・・そしてアルゼンチンを、足許パスのオンパレードという低級サッカーに押し込んでいった・・

 ・・私は、そんなプロセスを観ながら、ワールドカップで積み重ねた「自信&確信」が、選手たちの一挙手一投足に、静かに、そして着実にエネルギーを充填していると感じていた・・

 ・・そしてザッケローニは、その「発展の流れ」を阻害することなく、うまくそのベクトルに乗ってチームを前進させた!?・・

 とにかくザッケローニ・ジャパンが、成功裏に立ち上がったことは確かな事実。次の韓国戦が、いまから楽しみで仕方ありません。

 ちょっと疲れ気味なので、今日は、こんなところで・・

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 またまた、出版の告知です。

 今回は、後藤健生さんとW杯を語りあった対談本。現地と東京をつなぎ、何度も「生の声」を送りつづけました。

 悦びにあふれた生の声を、ご堪能ください。発売翌日には重版が決まったとか。それも、一万部の増刷。その重版分も、すでに店頭に(ネット書店に)並んだそうな。その本に関する告知記事は「こちら」です。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。

 4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。

 出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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