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2010_日本代表_とにかく、南米の強豪に競り勝ったことには重要な価値がありますよ・・(日本代表vsパラグアイ, 1-0)・・(2010年9月4日、土曜日)

そうネ〜〜・・まあ、あの先発メンバーじゃ「あんな感じの流れ」になるのも自然の成り行きだよな〜〜

 原博実代行監督によれば、この先発メンバーは、原博実を中心にしたコーチングスタッフや(ザッケローニは、メンバーについてはまったく関与していなかったとのこと・・)技術委員会メンバーなどの「総意」だそうな。

 そうネ〜〜・・要は、ゲームの結果に対して責任を負わなければならないような「意志」を先発メンバーに絡めなかった・・っちゅうことでしょ。前の四人、GKと両サイドバックは、海外から招集した(誰もが見たい!)注目のスター選手だし、この試合が代表デビューとなる細貝萌にしても、今野泰幸が出られないことで決まったということだからね。

 たしかに立ち上がりは、スター連中が持ち味を発揮した。本田圭佑が迫力のドリブル&スルーパスやミドルシュートを狙ったり、松井大輔が、何人ものパラグアイ選手を翻弄する突破ドリブルを魅せたり。でもさ、結局は、ボールがないところでの動きが十分じゃないことで、パラグアイ守備ブロックのウラを突くところまでいけなかった。本田圭佑にしても松井大輔にしても、やっぱり、相手を抜き去るところまでは、そう簡単にはいけない・・

 そんななかで、「ホンモノ」っちゅう雰囲気を放散するようなチャンスメイクという視点では、長友佑都だけは大いに気を吐いていた。スゲ〜よ、彼は。これからは、日本代表の「ロベカル」って呼んじゃおう。あっ・・と、これまでも、そう呼んでいたっけネ。

 でも、そんな(日本が主導権を握る)ゲーム展開が徐々に変容していきます。最初は「様子見」だったパラグアイが、徐々にゲームのイニシアチブを取り返していったのです。

 彼らにイニシアチブを握られた背景は、もちろん、前戦選手たちの「お座なりディフェンス」。松井大輔にしても本田圭佑にしても、この試合でのエネルギー傾注レベルは、ワールドカップで魅せつづけた「闘う意志」のレベルとは、とても比べられるモノじゃなかった。だから、細貝萌と牛若丸(中村憲剛)の守備的ハーフコンビだけじゃなく、最終ラインも、パラグアイの攻撃に振り回されるシーンも見られた。

 でも後半の立ち上がりは、再び日本代表が良いリズムのサッカーを展開するようになった・・というか、再びパラグアイが、注意深くゲームに入っていった・・ということだろうね。

 日本代表のサッカーが、本当の意味で、組織プレーという視点でレベルアップしたのは、森本貴幸に代わって岡崎慎司が、また松井大輔に代わって藤本淳吾がピッチに登場してからだね。要は、全体的な運動量が(ボールがないところでの動きとディフェンスの量と質が!)アップしてからということです。

 そこからは、動きのある、とてもダイナミックで見応え十分のゲーム展開になっていった。だからこそ(ボルシア・ドルトムント監督の)ユルゲン・クロップに鍛えられている香川真司のプレーも、攻守にわたる汗かきアクションという視点で、格段にレベルアップした。そして「それ」が、日本代表の、優れた組織サッカーという流れを加速させた。

 牛若丸から香川真司へ出されたスルーパスにしたって、岡崎慎司のボールがないところでのダイナミックな「フリーランニング」によって、日本代表の全体的な動きが活性化したからこそ出てきたコンビネーションだったよね。

 「動き」が活性化したからこそ、勝負イメージが広がり、だからこそ、香川真司の決定的フリーランニングが出たし、当たり前のように、牛若丸からの決定的スルーパスも、素晴らしく正確に「シンクロ」した。フムフム・・

 この試合での牛若丸は、まさに中盤の王様だった。守備的なハーフとして実効ある活躍をするだけじゃなく、攻撃では、美しい「リンクマン」として、抜群の存在感を発揮した。この試合での牛若丸は、まさに「ホンモノのボランチ」と呼べる存在だったね。とにかく全員が、ケンゴを探してボールを預けていたし、「あの」本田圭佑にしても、牛若丸を「探して」いた。

 素晴らしいプレーを展開した中村憲剛。でもサ、あまりに色々なことが出来すぎるから、今回の南アワールドカップでは、最後は「器用貧乏」という感じになっちゃったよね。それは、とても残念な現象だったけれど、冷静に考えてみても、「南アのあの成り行き」では、やはり牛若丸が登場できるような「効果的な場」は限定的だった・・ホントに残念だったけれど・・

 また、長谷部誠と遠藤保仁。やはり彼らは、日本代表チームには絶対に欠かせない存在。今日の試合内容から、逆に、そのことを強く意識させられていた筆者でした。

 さて、ザッケローニ新監督。ドイツ代表チームの現場マネージャーを務めるオリバー・ビアホフが、彼についてこんなニュアンスのことを言ったことがある。

 「ザッケローニは、バランス感覚に優れているし、何といっても学習能力が高い・・」

 何か、夜のパーティーか何かのときに(とにかくアルコールが入った席だよね)、ハナシのついでにザッケローニの話題になったと記憶しているけれど(それともコーチの国際会議だったかな〜〜)、その一言だけでザッケローニに関するハナシが終わっちゃったと記憶している。

 オリバー・ビアホフは、彼の下で、ウディネーゼやACミランでプレーしたわけだけれど、そんな長い付き合いをベースにした「凝縮された形容句」だから、まあ、とても参考にはなる。わたしは、優れた学習能力という表現に、大いに期待感を刺激された。もちろんバランス感覚も大事だけれど、それには、ものすごく広範な意味合いが含まれているからね。

 ということで、この試合。とにかく、南米の強豪に競り勝ったことには、とても重要な価値がありますよ。その「世界を相手にした成功体感」を、ザッケローニ新監督が、どんどんと深化、発展させてくれることを願って止みません。

 日本代表が対峙する相手は、常に「世界」。だからこそ我々は、代表監督に「世界と、高いレベルでリンクしているという価値」を期待するわけです。まあ、まだ今のところは、自分自身で「ワクワク感」を醸成しなけりゃならないけれどネ・・あははっ・・

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 またまた、出版の告知です。

 今回は、後藤健生さんとW杯を語りあった対談本。現地と東京をつなぎ、何度も「生の声」を送りつづけました。

 悦びにあふれた生の声を、ご堪能ください。発売翌日には重版が決まったとか。それも、一万部の増刷。その重版分も、すでに店頭に(ネット書店に)並んだそうな。その本に関する告知記事は「こちら」です。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。

 4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。

 出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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