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2011_アジアカップ決勝・・ヤッタ〜〜ッ!!・・(日本vsオーストラリア、1-0)・・(2011年1月29日、土曜日)

後半に、二度も、GK川島永嗣が「神様」になったシーンを観ながら、もしかしたら、日本代表はやってくれるんじゃないかと感じはじめていた・・

 それは、キューウェルが日本の最終ラインを振り切って抜け出し、川島永嗣と「1対1」になったシーン(川島永嗣のスーパーセーブで命拾い・・)。それ以外でも、日本代表は、多くのピンチをギリギリのところで凌(しの)ぎつづけていた。それでも我らが代表選手たちは、決してビビることなく、最後の最後までフッ切れた「闘う意志」をブチかましつづけてくれた。

 この大会のコラムで何度も書いたけれど、もう一度、繰り返します。彼らは、日本にとっての本物のアイデンティティー(誇りを与えてくれる社会的存在=自信&自慢リソース!!)になった。

 大会プロセス(何度も死にかけたサバイバル戦!?)を通して素晴らしい成長を遂げたザッケローニ・ジャパン。最後の最後まで魂の闘いを展開してくれた日本代表に、心からの感謝の意を表します。

 ということで、ここからは、韓国戦と同じように、色々なテーマを(時系列ではなく、まったくランダムに・・)箇条書きでまとめることにします。韓国戦コラムの書き方が好評だったモノで・・(その方が、余計な形容句なしで読みやすいし、シンプルで分かりやすいだってサ!?・・フンッ!)。

■まず何といっても、大会を通してザッケローニが魅せた素晴らしいチームマネージメント(チーム戦術と先発の組み合わせ=ゲーム戦術=、そしてゲーム中の選手交代など)・・

 ・・特にゲーム中の選手交代(ゲーム戦術の調整)・・本当に、そのほとんど全てが、ポジティブなツボにはまった・・この試合でも、自信なさげに、ほとんど効果的な仕事が出来なかった藤本淳吾に代え、高さのある岩政大樹を使って大成功した・・この交替によって、それまで危険この上なかったオーストラリアの「仕掛けのツボ」を抑え込めた(下記)・・

 ・・また、満を持して送り出した李忠成が、光り輝くヒーローになった・・とにかく、ザッケローニのチームマネージメント(采配)は素晴らしい一言だった・・

 ・・まあ、とにかく、今後のザッケローニの仕事が楽しみで仕方なくなったことだけは確かな事実でした・・

■ところで藤本淳吾と岩政大樹・・

 ・・藤本淳吾は、彼が内包するチカラを、まったくといっていいほど発揮できなかった・・リスクにチャレンジしていけず、足が縮こまった安全パス(逃げパス)に終始するといった体たらく・・本当の彼の実力は、こんなモノじゃない・・

 ・・とにかく藤本淳吾は、この「悔しい思い」を決して忘れてはならない・・人間は、ネガティブな経験からこそ、本当に実のある大切なコトを学べるモノなのだ・・とにかく彼は、この経験をバネに、本物のステップアップを志向しなければならない・・彼は、日本代表にとって掛け替えのない存在になり得るポテンシャルに恵まれているのだから・・

 ・・また岩政大樹・・韓国戦で(部分的に)悔しい思いをした彼は、それをステップに、見事な雪辱を果たした・・この試合で彼が魅せたギリギリの闘う意志プレーは、チームに大いなる勇気を与えたに違いない・・彼は、ヘディングだけではなく、それ以外の勝負シーンでも、オレが抑えてやる!という強烈な意志をブチかましつづけた・・素晴らしい闘う意志だった・・

■それにしても、やはりオーストラリアは強かった・・

 ・・フィジカルでもテクニックでも、はたまた戦術能力でも心理・精神的な部分でも、やっぱりヤツらは一流の強者だった・・でも、何といっても、彼らが効果的な「決め手」をもっているというポイントは特筆・・まあ、相手が日本だったからという側面もあるだろうけれど、だから、最終勝負を仕掛けていく際のイメージが統一され、チームメイトも、その勝負シーンに効果的に絡んでいけた!?・・

 ・・それは、ロングボール(アーリークロス)をケーヒルやキューウェルのアタマに合わせ、そこで落とされたボールを、キューウェルやケーヒルだけではなく、二人目、三人目(例えばホルマンとかマッカイとか、ジェディナックとか・・)のチームメイトが叩くというイメージ・・

 ・・この試合でも、皆さんも体感されたとおり、何度も、何度も、我々をフリーズさせてくれちゃったりして・・前半では、少なくとも二本の決定的ピンチシーンを作り出された・・また、後半の立ち上がりゼロ分でも、一発かまされた〜〜・・

 ・・前回のコラムでも書いたけれど、オーストラリアは、ケーヒルやキューウェルを、長友佑都と内田篤人に巧みに「ぶつけて」きた・・要は、アーリークロスが送り込まれる勝負の瞬間に、ケーヒルやキューウェルが長友佑都や内田篤人と、ハイボールを競り合うようにクレバーに調整していたということ・・

 ・・流石(さすが)にホルガー(オジェック)・・ちゃんと、フットボールネーションのツボを押さえたゲーム戦術を仕掛けてきたよね・・

 ・・そんな「仕掛けのツボ」だけじゃなく、オーソドックスなサイド攻撃やコンビネーションでも、チカラを見せつけていたオーストラリア・・特に延長前半に二度もつづけて作り出された決定的シーンではフリーズしたっけ・・

 ・・まず延長12分のエマートンのシュート(左足だったからラッキー!?・・とにかく、外れたことが信じられない決定的ピンチだった!)、そして続く14分にクルーズが放ったヘディングシュート(またまた川島が神様になった〜!!・・彼の、ギリギリのパンチが日本を救った〜〜!!)・・

 ・・とにかく、強固なディフェンスと、全体的なチャンスの(仕掛けプロセスの)量と質という視点では、オーストラリアに一日の(それ以上の!?)長があったことは誰もが認めるところでしょ・・だからこそ、日本代表が最後まで前面に押し出しつづけたギリギリの闘う意志に乾杯!!・・なのだ〜!・・

■決勝ゴールを挙げてからの「ラスト10分間」の日本代表のディフェンス・・

 ・・良かったですよ・・韓国戦を通して学習したことが、グラウンド上で花開いたと感じた・・

 ・・要は、最終ラインのゾーンに集まり過ぎず、しっかりと中盤にも人数をかけてオーストラリアの組み立て(最終勝負の仕掛け準備)プロセスを抑制しつづけたということです・・そこでは、日本チームの、前後左右の人数バランスと相互ポジショニングバランスが、とても上手く「マネージ」出来ていた・・

 ・・そこでリーダーシップを発揮したのは、言わずと知れた「大人のダブルボランチ」・・とにかく、この試合でも、遠藤保仁と長谷部誠のコンビは、いかんなく、チームを(戦術的にだけではなく心理・精神的にも!)リードしつづけた・・私にとって、大会のMVPは、間違いなくこの「大人のダブルボランチ」です(もちろん協同受賞!)・・

■スーパーマン(日本のロベカル!?)長友佑都・・

 ・・まあ、彼の活躍については、解説の必要なんてないね・・攻守にわたる彼の積極プレーを観てりゃ、誰だって心から舌鼓を打てる・・スミマセンね長友さん・・貴方については言葉は要らない・・あははっ・・

■そして、世界との最後の僅差を縮めていくために・・

 ・・皆さんもご覧になったとおり、「まだ」韓国とオーストラリアの底力(チーム総合力)の方が、ほんの少しだけ日本を上回っているかもしれない・・まあ、この時点では、韓国、オーストラリア、そして日本がアジアの三強と言えるだろうけれどネ・・

 ・・とはいっても、次のワールドカップ予選までには時間がある・・それまでに、アジアの勢力図が大きく変容する可能性は誰にも否定できない・・特に、2022年ワールドカップが中東に決まったことは大きいと思う・・彼らは、選手だけじゃなく(帰化)、必要な「ノウハウ」までもフットボールネーションから買ってくる原資をもっているからね・・とはいっても、生活文化的な部分は、そう簡単には変えられないだろうけれど・・フムフム・・

 ・・もちろん、日本サッカーも、世界との最後の僅差を着実に縮めていくだろうから心配はしていないけれど・・とにかく最後に、その絶対的なベースが「Jリーグ」にありという事実を声高に叫ばせてもらいたい筆者なのですよ・・アッと、ヨーロッパの日本人も、最後の僅差を縮めていくために、とても重要なミッション(役割)を担っていることは言うまでもないけれどネ・・

■ということで、今日はこんなところですかね・・

 ・・日本代表チームの皆さん、本当にお疲れ様でした・・まず、しっかりと休養を取って「次」に備えましょう(ヨーロッパの日本人は、そうはいかないだろうけれど・・フ〜〜・・)・・ということで・・さて「Jリーグ」が始まる・・

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 またまた、出版の告知です。

 今回は、後藤健生さんとW杯を語りあった対談本。現地と東京をつなぎ、何度も「生の声」を送りつづけました。

 悦びにあふれた生の声を、ご堪能ください。発売翌日には重版が決まったとか。それも、一万部の増刷。その重版分も、すでに店頭に(ネット書店に)並んだそうな。その本に関する告知記事は「こちら」です。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。

 4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。

 出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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