トピックス
- 2011_東北地方太平洋沖地震チャリティーマッチ・・選手の皆さん、お疲れ様でした・・そして有難うございました・・(日本代表vsJリーグ選抜、 2-1)・・(2011年3月29日、火曜日)
- 我々に出来ることは限られている・・ただ、だからこそ、自分たちの「日常」を、前向きに精一杯生きよう・・
この試合を戦った両チームの選手は、まさに全力で、いま自分たちが出来ることを誠実に表現しつづけた。だからこそ、何らかのポジティブエネルギーが放散され、伝播した・・。
日本代表は、とても良いサッカーを展開した。また、Jリーグ選抜チームも、「様々な思い」をこのチャリティーマッチにぶつけたからこそ、とてもエキサイティングで意味のある勝負マッチになったと思う。両チームに、心からの敬意を表したい。
ちょっと硬い表現がつづいたけれど、それも、18日前に起きた、日本の社会や心のなかの「根幹にある何か」までも大きく変えてしまうような「ものすごい現象(その後の様々な展開)」について、日々思いを巡らせているからこそ・・なのかもしれません。
ということで、それが自分に与えられた大切な日常であるという意味合いも含め、(また、真摯な勝負マッチになったからこそ!)ゲームで気付いたことを簡単にまとめようとキーボードに向かった次第でした。
ポイントの第一としては、何といっても、環境こそが人を育てる・・という普遍的なテーマを取り上げざるを得ないですね。
要は、日本代表の先発として抜群の存在感を発揮した「ヨーロッパの日本人」というテーマ。川島永嗣、吉田麻也、長谷部誠、長友佑都、内田篤人、本田圭佑、岡崎慎司。
もちろん、「冷静なチーム戦術リーダー」遠藤保仁をはじめとして、今野泰幸、伊野波雅彦、前田遼一の「国内組」も良いプレーを展開したけれど(特に遠藤保仁の、攻守にわたるゲームコントロールは秀逸だった・・)、それでも、攻守にわたる勝負所で気を吐いていた「ヨーロッパの日本人」の存在感には、ちょっと異次元の雰囲気があった・・と感じたわけです。
特に、長友佑都と岡崎慎司、そして内田篤人の「ブレイクぶり」には目を見晴らされる。彼らは、まさに日進月歩っちゅう感じで発展をつづけていると感じます。
理不尽な変化に富んだサッカーでは、最終的には主体的&自由にプレーせざるを得ない。だからこそ「ホンモノの心理ゲーム」だと言える。その意味で、彼らが放散する「自信エネルギー」にこそ、「発展」のための本質的なバックボーンが潜んでいる・・!? いや・・自身の発展を体感しつづけているからこその「自信エネルギーの増幅」か!? さて〜〜・・
とにかく、この三人が所属するヨーロッパ一流クラブチームでの活躍振りを見れば、そんな「発展の背景にある心理メカニズム」が一目瞭然というわけです。一流フットボールネーションで活躍できているという自信・・
もう一つのテーマは、ザッケローニ打ち出した「3-4-3」っちゅうポジショニング(役割)バランス。
スリーバックには、いろいろな種類がある。弱いチームが(ファイブバックとして!)守備を固めるケースは別として、まあ、一番オーソドックスなのは、最終ラインのセンタープレイヤーが、前気味のリベロ(中盤のアンカー)としての役割「も」果たすというパターンですかね。
でも、ザッケローニが打ち出したやり方は、「スリーバック」と表現するのではなく、やっぱり、一つの機能性ユニットとしての「3-4-3」というポジショニング(役割)バランスと捉えるのがいいと思う。
・・そこでの最終ラインの三人は、基本的に最後尾にポジショニングする・・もちろん、ケースバイケースで、一人が上がって中盤のアンカーとして機能するケースもある・・また、そこでの両サイドバックは、限りなくウイングバックとして、攻守にわたって中盤でプレーする(無為に下がりすぎるようなポジショニングを取らない!)・・ウイングバックが上がり気味にポジショニングすることで空いたサイドの後方スペースは、基本的には、最終ラインの一人がカバーする・・
・・それでも、相手のオーバーラップ時には(後方サイドゾーンでの人数バランスが崩れたら)、もちろんウイングバックが戻って対応する・・ということで、サイドゾーンでは、サイドハーフとウイングバックが、攻守にわたって有機的に絡みつづける(ポジション&役割チェンジを繰り返す)ことが、とても重要な意味をもってくる・・
「3-4-3」というポジショニング(役割)バランスの機能性イメージには、もっともっと様々な要素が絡み合っている。最終ラインのタテヨコの集散(互いのポジショニングバランス)・・センターハーフ(リンクマン)コンビと最終ラインとのポジショニング&役割バランス・・などなど。
まあ、このテーマも、追い追いディスカッションしていくことにしますよ。
最後に、Jリーグ選抜の大ベテラン、三浦知良が挙げたゴール。本当に、素晴らしく感動的なシーンだった。このゲームの意味合いも含めて、まさに「出来すぎのゴール」ではありました。
そのバックボーンは、GKからのロングフィードをヘディングで流したトゥーリオとの「あうん」の呼吸だった。
トゥーリオが、ヘディングを競る直前に、カズと「アイコンタクト」を交わす。カズは、トゥーリオがヘディングする直前のベストタイミングで全力スプリントをスタートし、ヘディングが、どこに、どのように流れてくるのかを明確にイメージしたコースを正確にトレースする(もちろんトゥーリオにも、カズがイメージするコースが見えていた!)。そしてカズは、まさに「ワザあり」のダイレクトシュートを決めてしまう。とにかく、言うことナシのドラマチックゴールではありました。
両チームが全力のガチンコ勝負を展開したからこそ、そこには、心からの追悼と被災者を思いやる気持ちが醸(かも)し出されていた・・と思う。この件については「このコラム」も参照して下さい。重ねて、東北地方太平洋沖地震によって被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
==============
最後に、映画「クラシコ」で行われるトークショーの告知です。
映画『クラシコ』トークショー
- ■日時:4月1日(金)18:45からの回上映後
■場所:池袋シネマ・ロサ(http://www.cinemarosa.net/annai.htm)
■登壇者(予定):湯浅健二、宇都宮徹壱
- 『クラシコ』公式サイト:http://www.clasico-movie.com/
twitterアカウント:http://twitter.com/ClasicoSupport
-
[ トップページ ] [
Jワンポイント ] [湯浅健二です。
]
[ Jデータベース ]
[トピックス(New)] [
海外情報 ]