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- 2011_映画「クラシコ」・・そしてチャリティーマッチについても簡単に(松本山雅FCvsFC東京、 0-4)・・(2011年4月3日、日曜日)
- まず、映画「クラシコ」から。
クラシコ・・っちゅうくらいだから、強烈なライバル同士のドキュメンタリー映画なのです。メインアクターは、地域リーグ(4部)のなかでも、もっとも厳しいと言われる「北信越リーグ」で、プロの頂点リーグを目指す「松本山雅FC」と「AC長野パルセイロ」。
「松本」と「長野」という、歴史をバックボーンにした地域のライバル意識を背負う両チーム。 映画では、既に「JFL(3部リーグ)」への昇格を果たした両クラブが、そこへ至るプロセスのなかで揺動する人々の「思い」を、とても緻密に、そして活き活きと描き出しています。
ホントに素晴らしい作品です。様々な意味合いの「感動」を覚えました。まあ、詳しくは、オフィシャルサイト「クラシコ」を参照して欲しいけれど、とにかく百聞は一見にしかず・・だぜ。
この映画の封切りは、3月12日でした。そう、「3.11」の翌日。その関係で、上映後の(わたしと)宇都宮徹壱さんとのトークショーも4月にズレ込んでしまった。
そのトークショーでも話したのですが、わたしがこの映画からピックアップしたメインテーマは、異文化接点としてのサッカーが内包する(機能性)パワーの素晴らしさでした。もちろん、サッカーそのものが内包する、とてもポジティブな社会的価値という絶対的ベースも含めて・・ネ。
映画、冒頭のシーン。数人のサポーターらしき人々が、応援ソングを大声で歌っている。エッ・・!? 何とショッキングなシーンでしょうか。そして、飲み屋で繰り広げられる(ものすごくドメスティックな・・失礼!?)トークバトルから、サポーターや、クラブ関係者、ジャーナリストや一般生活者に対するインタビューへとシーンが積み重ねられていく。
監督さん(樋本淳さん)の話では、少なくとも150時間はインタビューを収録したとのこと。そのなかから、テーマに合ったハナシの内容を切り取り、それを、「安めぐみ」さんの分かりやすいナレーション(まあ・・状況&ストーリー展開の説明)を背景に映し出されるゲームシーンや日常のシーンと有機的に組み合わせていく。とても素晴らしい、監督さんの構成力だと感じました。
そんなシーンを観ながら、また宇都宮徹壱さんとトークしながら、こんなことを考えていた。
・・この人たち(映画の主役であるクラブサポーターの方々)は、本当にサッカーが好きなんだな〜〜・・まあ、サッカーというボールゲームの何たるか(本質的な価値)を理解し、体感すれば、心の底からサッカーを愛するようになるのも当然の成り行きだけれど・・とにかく、だからこそ彼らは、地元に、自分たちが主体になって育てていける(心からサポートできる)クラブを持ちたかった・・彼らの当事者(参加)意識が天井知らずというのも当然だ・・
・・そのなかで彼らは、サッカーが秘める社会的な意義についても、しっかりと理解していた・・そう、異文化接点というサッカーの有意義な機能性・・地域コミュニティーが「一体」になれる接着剤・・だからこそ、主体的に、強烈な意志をもってサポーター活動に邁進する・・
・・彼らは皆、(自分自身や地域社会に対する!?)アイデンティティーをもって活動している・・それは、誇り・・そう感じた・・
・・そのポイントについて、宇都宮徹壱さんが、無縁社会という表現を持ち出した・・サッカーには、そんなネガティブな社会動向を逆流させられるパワーがある・・いい表現だね〜・・
あっと・・先ほどテレビ観戦した(コラム表題の)チャリティーマッチ。結局はFC東京が「0-4」という大勝をおさめることになったけれど、内容的には、数字で表現されるほどの差はなかった。
・・松本山雅FCは、チームとして、とても良くまとまっていた・・一人ひとりが、攻守にわたって、全力で仕事を探しつづけていた・・そこには、互いに使い・使われるメカニズムに対する深い理解と実行力(強い意志)を感じた・・だからこそ、相互信頼関係が高揚しつづける・・監督の「吉澤英生」さんの確かなウデが見えてくる・・
とにかく、一万人を超える(!?)観客のまえで両チームが全力のガチンコ勝負を展開したからこそ、そこには、心からの追悼と被災者を思いやる気持ちが醸(かも)し出されていた・・と思う。この件については「このコラム」も参照して下さい。重ねて、東北地方太平洋沖地震によって被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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