トピックス
- 2011_世界トップクラブ(サッカー内容)の差異・・そしてヨーロッパの日本人・・宮市亮・・(2011年2月13日、日曜日)
- このところ、世界トップリーグ(クラブ)のサッカーを見比べています。長友佑都のインテル、パク・チソンのマンチェスター・ユナイテッド、そしてFCバルセロナ・・。
その中心テーマは、攻守にわたる組織プレーの量と質・・ってなところですかね。
もちろん、そんなに簡単に(形容句を駆使して!?)彼らのサッカーを区分けできるはずもないけれど、それぞれの組織プレーに微妙なニュアンスの差異があることは確かな事実だし、その差異の主たるバックボーンが、監督が志向するサッカーイメージと、それぞれのクラブが抱える才能の(選手の能力とパーソナリティー)内容だから、とても興味深いテーマなのですよ。
上記3チームの中で、攻守にわたるプレーイメージで、もっとも組織プレー「寄り」なのは、やっぱりマンUだね。守備の連動性・・ボールを奪ってからの仕掛け(攻め)プロセスの内容・・などなど。
守備の(組織イメージ的な)連動性だけれど、もちろんその要素は、チェイス&チェックの量と質や、そのチェイス&チェックによって演出される守備の起点の内容をベースにした「次のボール奪取イメージ」等々でっせ。要は、相手にボールを奪われた次の瞬間から(素早く効果的な攻撃から守備への切り替えをベースに!)スタートするチェイス&チェックの量と質によって、それに連動する「次の守備アクション」も決まってくるっちゅうわけです。
あっと・・ちょっと「ディテール」に入りかけている・・。ここでは、3チームの(攻撃での)組織プレーの量と質の差異について「ほんの触り」を示唆するだけにしようとしているのに・・。
要は、組織パスプレーと個人勝負プレーの「バランス」ということだけれど、ロングボールも含め、人とボールがよく動く(連動する)組織コンビネーション的なニュアンスが「もっとも強い」のがマンUだということが言いたかったわけです。それに、「あの天才ドリブラー」だったライアン・ギグスの素晴らしいチャンスメイカー振りにも感動しているしネ。
それに対してインテル。もちろんロングボールを上手く使い、最前線にクサビを打ち込む・・という仕掛けも繰り出してくるけれど、彼らの場合は、確実に足許パスをつなぐことで・・要は、しっかりとボールを動かしつづけることで、前戦の「才能」たちが、より有利にドリブル勝負チャレンジを仕掛けていけるような(相手ディフェンスの薄い部分を突いていけるような!)シチュエーションを「待つ」という仕掛け姿勢・・なんていう表現になりますかネ。
自ら、そんなシチュエーションを積極的に創りだすためには、それ相応のリスクテイクが必要だからね・・。インテルの場合は、より注意深く安定したサッカーのやり方(チーム戦術イメージ)・・なんていう表現ができるかもしれないね。
ここで言う「組織コンビネーション的な仕掛け」においてもっとも重要となるテーマは、パス&ムーブの量と質だけではなく、勝負の流れに入ったシチュエーションで繰り出される、三人目、四人目のフリーランニングを、『スペースを攻略していくために=相手守備の薄いゾーンを突いていくために』いかに上手く使いこなせるかということですよ〜〜・・
またまた難しい表現になりはじめている・・フ〜〜・・。
まあ、要はサ、ダイレクトパス(ダイレクト・コンビネーションプレー)の量と質・・ということですかね。
ダイレクトパスを駆使してスペースを攻略していくためには、もちろんバス&ムーブも必要だし、よりリスキーに『多くの人数をかける』ことで繰り出していく三人目、四人目のフリーランニングを効果的に使い切るというイメージも大事だということが言いたかったわけです。
ということで、その視点で、もっとも魅力的、そして高質なのは、言わずと知れたバルセロナだよね。もちろんマンUも、組織と個の勝負が素晴らしいバランスを魅せている・・という視点では超一流ではあるけれど、最後のところは、やっぱり「個の才能の量と質」に拠るわけだから・・
とにかくバルセロナの場合、組織コンビネーションと、才能がほとばしる(魅惑的な)個のドリブル勝負チャレンジが、レベルを超えた「超高域」でバランスしていると感じるわけなのです。
だからこそバルセロナの場合は、基本的に「ゼロトップ」というコンセプト(チーム戦術・・選手タイプの組み合わせ!)の方がうまく機能する!?
たしかにバルセロナの場合、ビジャ、メッシ、ペドロ、イニエスタ、シャビ、そして両サイドバックが(ブスケッツという優れたバランサー&アンカーが上手く機能しているからこそ!?)、縦横無尽にポジションチェンジを繰り返しながら魅惑的な組織コンビネーションと、タイミングの良い(メッシに代表される破壊的な!)勝負ドリブルを、これ以上ないほど効果的に組み合わせて仕掛けてくる。溜息が出ちゃう。
そんな、人とボールが動きつづける『ダイレクトパスを効果的に組み合わせた』組織コンビネーションの仕掛けイメージが深く浸透しているバルセロナ。だからこそ、肝心なタイミングで、決定的スペースへのフリーランニングをスタートしない(最後までタイミングが掴めず走れなかった!?)ズラタン・イブラヒモビッチが機能しなかった・・!? さて〜〜・・
とにかく、インテルにしてもマンUにしても、はたまたバルセロナにしても、組み立て段階では、もちろん確実な「足許パス」をつなぐことでボールを動かすことが基本です。でも、仕掛けプロセスに入ってからの組織プレーと勝負ドリブルの「組み合わせのニュアンス」に・・もっと言えば、ダイレクトパスを組み合わせる組織コンビネーションプレーに、ちょっと差異がある・・なんてことが言いたかった筆者なのでした。
まあ、このテーマについては、読者の皆さんに対して、これからも、もっと突っ込んだディスカッションを「仕掛け」ていきます。ご期待あれ。何せ、我らがマイティーマウス長友佑都が、そのトップクラブサッカーに参戦したわけだから、当事者意識も天井知らず・・!?
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ということで、ここからは、宮市亮の(その存在の意味合いという!)話題に入っていくわけです。
もちろん、アーセナルから貸し出されている(オランダ・エールディビジの雄)フェイエノールトで貴重な体感を積み重ねながら自信と確信レベルを高揚させ、そして(長友佑都と同様に!)欧州トップクラスのアーセナルへ呼び戻されて活躍することを心から期待して・・ネ。
彼らだけじゃなく、長谷部誠、香川真司、内田篤人、岡崎慎司、吉田麻也、安田理大、本田圭佑、家長昭博、それに、もしかしたらバイエルン・ミュンヘンでその雄志が観られるようになるかもしれない宇佐美貴史・・などなど。
とにかく、本格感あふれる「ヨーロッパの日本人」が目白押しになってきた。
私は、その絶対的なバックボーンが、Jリーグであり、それによって強くなった日本代表チーム、そして彼らの世界舞台での活躍にあると思っています。そんな物理的&心理・精神的ファクターが、選手たちの自信と確信イメージを高揚させつづけていると思うわけです。
「アイツが出来るんだからオレだって・・」ってな感じですかね。だからこそ日本選手は、外国コンプレックスとか「日本的な生活文化のファクター」といった、サッカーにとってはネガティブな要素を超越し、本場で「も」持てる実力をいかんなく発揮できるようになった・・!?
イレギュラーするボールを足で扱うという、不確実な要素が満載のサッカーは、究極の心理ゲームとも言える。だからこそ、そのときの心理状態で、持てるチカラの10パーセントも出せないことがある。逆に、120パーセントのチカラを出し切れることもある。
そんな、(基本的には狩猟民族のスポーツである)サッカーに必要な心理・精神的なバックボーンを、世界とのギリギリの勝負を体感し、そこでの存在感をアップさせるプロセスを体感するなかで着実に強化していった日本人選手たち・・!?
そして、そんな「体感」を、情報化の進展などの環境の変化(進化!?)によって、ジェネレーションや生活(文化)シーンを越えて「深くシェア」できるようになった日本サッカー界(要は、アイツが出来るんだからオレだって・・というマインドの高揚!)・・!? まあ、そういうことなんだろうね。
そんな環境整備の先導役として存在感を発揮した奥寺康彦や三浦知良、はたまた中田英寿や中村俊輔に「も」、感謝しなければいけないね。フムフム・・
あっと・・宮市亮。
昨日のヘラクレス戦のゴールも含め、ユー・チューブで観ただけだけれど(要は、全般的な、攻守にわたる汗かきプレーに関しては言及できないけれど・・)、局面では、とてもフッ切れた、良いプレー(しっかりとしたトラップからのボールキープ&シンプルパスだけじゃなく、状況をわきまえた効果的&爆発的な勝負ドリブルなど)が展開できていたと思うね。
まあ、相手の上手いディフェンスに止められるケースもあったけれど、そんな失敗をモノともせずにチャレンジしつづける積極的なプレー姿勢には、とても共感がもてた。だからこそ、フェイエノールトのファンも心から彼をサポートした(期待値が高まった!)。
実はわたしは、高校選手権でしか宮市亮を観ていない(当たり前ですが・・)。要は、相手ディフェンダーは高校生ということで、環境が(サッカーのレベルが)変わったらどうなるかについては、うまく想像できなかったということです。もちろん、「あの」アルセーヌ・ベンゲルが、(アーセナルのトライアル・トレーニングにおいて!?)トッププロに混じってプレーする宮市亮を詳細に分析してオファーを出したという事実は重かったわけだけれど・・
とにかく宮市亮は、素晴らしいプロ・キャリアのスタートを切ったと言える。また、彼の後輩たちにとっても、高校サッカーが直接世界へつながる・・という先鞭を付けたという視点でも、ものすごいインパクトがあると思う。もちろんこれからは、彼のフィジカル能力やプレータイプが詳細にスタディーされるだろうから、そう簡単には「行けなくなる」かも知れないけれど、それでも、うまくいかない時こそ「願ってもない機会」だと捉え、より一層の勇気をもってチャレンジし続けるのですよ。
そんなリスクチャレンジ姿勢こそが「ホンモノの成功」をもたらすだけじゃなく、日本サッカー界への「ワクワク期待感の情勢」にもつながる・・チャレンジ(リスク)のないところに成功や進化もない・・っちゅうわけです。
もちろん、天賦の才に恵まれているからこそ、攻守にわたる「汗かきハードワーク」にも精進すれば、その選手の価値は、天文学的なレベルにまで高まるわけだけれど・・まあ、そのメカニズムが本当の意味で理解できるようになるまでには時間がかかるだろうけれどネ・・あははっ・・
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またまた、出版の告知です。
今回は、後藤健生さんとW杯を語りあった対談本。現地と東京をつなぎ、何度も「生の声」を送りつづけました。
悦びにあふれた生の声を、ご堪能ください。発売翌日には重版が決まったとか。それも、一万部の増刷。その重版分も、すでに店頭に(ネット書店に)並んだそうな。その本に関する告知記事は「こちら」です。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。
4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。
出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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