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- 2010_WM(15)・・ ワールドカップという巨大な刺激(その5)・・また書き足し分も!・・(日本vsデンマーク、3-1)・・(2010年6月24日、木曜日)
- さて、デンマークとの雌雄を分ける決戦。
たぶん、日本サッカーの歴史のなかでも最高レベルの「意義」を内包する勝負マッチになるはず。本当に、そんな「機会」を勝ち取るところまで日本チームを引っ張ってきた岡田武史には(もしここで負けたとしても!!)最高レベルの賛辞をおくりたいと思います。
さて試合・・といきたいところだけれど、でもその前に、ちょっとだけ。今はまだゲーム開始まで数時間というタイミングなのです。
今日は、「B&B」があるヨハネスブルク近郊から、ルステンブルクまでの180キロ弱をドライブしたのですが、そのルートには様々な選択肢があります。プレトリアを経由すれば、直接ルステンブルクまでつながるアウトバーンはあるけれど、そこを通った場合、かなり大回りになってしまう(直線的なルートよりも20キロ以上も多く走らなければならない!)。
ということで、先日ヨハネスブルク空港で購入した「カーナビ」に任せることにしたのですよ。要は、カーナビ推薦のショートカットコースを行くことにしたっちゅうわけです。ちょっとリスキーかもしれないけれど、真っ昼間に移動する往路だけだからね。それに天気も良いし。
そして、対面通行の一車線ショートカット一般道に入って感じた。やっぱり危ない。道はデコボコだし、たまに大きな穴が口を開けていることもある。また、周りのドライバーの方々は全般的には安全運転だけれど、たまに、居眠りしているようにフラフラと運転している危ない人もいる。
例によって私は、どんどん追い越していくのだけれど、一度だけ、丁度わたしが追い越している最中に、わたしのクルマの方向へ(要は反対車線の方向へ)寄ってきたクルマがいた。ヒヤッとした。もちろんそのドライバーの方に悪意などあるはずがない。とても悪いことをしたように、ゴメンなさい・・というジェスチャーをしていた。もちろん悪意はなくても事故は起きるからネ。フ〜〜・・
でも、そのルートは悪いことばかりじゃなかった。途中では、ハルトビー・スポアルトという町にある大きな「ダム湖」も堪能できた。そこは、まさに別世界。殺伐とした乾燥地帯の先に、突如として姿を現した美しいオアシス・・ってな風情。とても癒(いや)されました。
ということで、まあ、本当に危ないという状況に遭うことなく、無事にルステンブルクのメディアセンターに到着し、グループFの勝負マッチをテレビ観戦しはじめた次第でした。
グループFの結果だけれど、皆さんもご存じの通り、前回ドイツ大会の世界チャンピオン、イタリアが最下位で姿を消してしまった。今回はイタリアのゲームを観るのはこれが初めてだけれど、フランス代表のように、チームのなかで特別な「何か」が起きたのだろうか!? ゲームの内容自体からは、そんな「場外乱闘の雰囲気」は感じられなかったけれど、さて・・
とにかく、今回のイタリア代表には、塩とコショーが欠けていた。質実剛健の組織ディフェンスを絶対的なベースに、蜂の一刺しカウンターを仕掛けていく。でも、カウンターの基盤は、何といっても個の才能だからね。そんな塩とコショーが欠如していた・・なんて感じていたのは、私だけではないでしょう。もちろん、最後の最後まで「イタリア的な粘り」は感じさせてくれたけれど・・。
・・ってな前振りの文章を書いたけれど(ここからは試合後に書いている!)、「あんな素晴らしい出来事」があったから、こんなカッタルイ前振りは削除しようかとも思ったのだけれど、冒頭の、試合前に書いた「どんな結果になろうとも、岡田武史には最高レベルの賛辞を・・」というクダリを、そのまま残したいから、やっぱり前段を削除するのを止めにした次第でした。
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さてゲーム。いや〜〜、ホント、南アフリカまで来てよかった。この感動は、言葉では言い表せない(・・というか、私は、この感性を表現できるだけの文章力を持ち合わせていない!)。とにかく、私は、一介のサッカー人として、岡田ジャパンを心の底から誇りに感じています。
そりゃ、斜に構えたコメントを書く人たちもいるだろうけれど、わたしは、一介のサッカー人として、また一人のサッカーファンとして、岡田武史&Co.が為した素晴らしい成果に対して、深い感動とともに、心から祝福していました。本当にオメデトウ・・ございました〜〜!!!!!
さて、では簡単に(斜に構えずに!?)ゲームのポイントに入っていきましょうか。
たしかに、ゲームの最後の時間帯は、岡田武史が志向する「究極の組織プレー」の一端をかいま見せるなど、日本代表が、とても魅力的なサッカーで世界にアピールした。
記者会見でも、外国人の記者が、「どうしてこの試合の日本は、あれほどアグレッシブにプレーしたのか?」なんていう質問を出していた。そう・・そうなんですよ。終わりよければ全て良し・・ってか〜〜。スミマセンね、岡田さん・・。とにかく、日本サッカーが世界に対してポジティブにアピールできたというポイントでも、岡田武史&Co.に心から感謝している筆者なのです。
とはいっても・・ネ、立ち上がりは、フリーズさせられる場面の連続だったよね。立ち上がり10分くらいまでの時間帯は、本当に、毎分、心臓が止まりそうになったものです。ホント、肝を冷やした。そして、これじゃダメだ・・いつかやられちゃう・・なんて思っていた。それほど、日本の守備ブロックが、決定的なスペースを攻略されつづけたのです。
トマソンを筆頭にしたデンマークの2列目&3列目が、とても素早く広いボールの動きに合わせるように、ズバッと、後方から「まったくフリー」で決定的スペースへ抜け出していく。そしてそこへ、例外なく、とても危険なタテパスが供給されるのですよ。要は、日本の中盤ディフェンスが、うまく機能していないということだけれど・・・
そんなだから、日本の最終ラインにとっては、急に、自分たちの目の前に、フリーでボールを持つデンマーク選手が降って湧いてきたってな感じだったに違いない。もちろん、デンマークの、2列目からの飛び出しに関しては、阿部勇樹と長谷部誠(また遠藤保仁も!)が、しっかりとマネージしなければならなかった。でも、そこでの「タテのマークの受け渡し」とか「カバーリング」が、どうもうまく機能しない。
もちろん阿部勇樹にしても長谷部誠にしても(もちろん遠藤保仁にしても)、タテに抜け出そうとするデンマーク選手は、ケースバイケースで最終ラインに任せるというイメージだったんだろうけれど、その「マークのタテの受け渡し」の機能性がボロボロだった。
・・というか、岡田監督は、選手たちのなかで、この試合を引き分けようというマインドが強くなることだけは避けたかったようで、「積極的に攻めるぞ!」という指示を出し、実際に、遠藤保仁を少し上がり目にしてゲームをスタートしたらしい。そう、記者会見で岡田武史が言っていた。
ただ、それが完全に裏目に出たことで、前述のような「フリーズ・シーン」の連続になったというわけです。誰もが、「こりゃ大変だ!」と感じていたはず。だから岡田監督も、すぐに、いつもの、三人の守備的ハーフトリオに戻したそうな。フムフム・・
優れた判断と采配だったけれど、その立ち上がりの時間帯に失点しなくて本当によかったよね。何回か決定的なカタチを作り出されていたからね。ちょっとジリ貧の雰囲気・・こちらはフラストレーションに押し潰されそう・・フ〜〜・・
また、その時間帯の日本の攻撃にしても、完璧に「縮こまって」いた。こりゃ、大変なことになりそうだ・・なんて、岡田武史には申し訳ないけれど、とても心配になっていたのですよ。
そんなタイミングの前半13分。ちょっと唐突に、日本が決定的チャンスを作り出すのです。大久保嘉人が、少し「タメ」てから、デンマークゴール前の決定的スペースへ見事なスルーパスを通したのです。そしてそのパスが、走り込んだ松井大輔にピタリと合った(もちろん、松井大輔のフリーランニングに大久保嘉人が合わせたと言えないこともないけれど・・
ところで松井大輔。この試合でも、攻守にわたって、素晴らしいスーパーパフォーマンスを魅せた。そんな彼を観ながら、これまでボロクソに書いてきた筆者は(前回コラムと同様に)ちょっと憮然とした感覚に襲われていた。やりゃ出来るのに、なんでいままで、あんなクソパフォーマンスばかりだったんだ〜〜!?
あっと・・大久保嘉人と松井大輔のスーパーコンビネーション。誰もがフリーズし、次の瞬間には歓声を上げていた。素晴らしい・・。そして、私の目には、そのチャンスメイクから日本のプレーが解放され、硬さが取れていったと感じられた。もちろん「それ」には、岡田武史が、前述したように「いつものやり方」に戻したこともあったんだろうけれど・・
その後は、本田圭佑と遠藤保仁の、日本サッカーしに残るようなスーパーフリーキックが決まって日本が二点もリードするのです。たしかに後半には、PKで一点かえされたけれど、そこからが・・、まさにそこからが、日本が本当にやりたかった究極の組織サッカーの出番ということになった。そして、世界に「日本のサッカー」を強烈にアピールしてくれた。
もちろん、それには、デンマークの動きが鈍ってきていたというバックボーンもあるし、岡崎慎司の交替出場によって、前戦からのディフェンスの勢いが再びアップしたという背景もあるでしょう。とにかく、試合の最後の時間帯に日本代表が魅せた素晴らしい組織サッカーは、たしかに、世界も認めるレベルにあったと思いますよ。そして、試合後には、その時間帯の良いサッカーの印象がより強く残る・・。
だから、終わりよければ全て良し・・なんてネ。
スミマセン、いまはまだメディアセンターで書いているけれど、これから「B&B」戻ります。後で読み返し、足りないところを補足しますので・・
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は〜〜い。いまは午前三時。さきほど「B&B」に到着し、赤ワインを飲みながら、すでにアップした文章を調整していた。まあ、そんなところだけれど、もう少し個人のプレーにも言及しようかな・・と、キーボードを叩きつづける筆者なのです。
一番、忘れてはならないのは、何といっても、中澤佑二とトゥーリオのセンターバックコンビ。本当に素晴らしかった。もっと良い形容詞はないかしら・・。まあ、いいや、とにかくこれ以上ないほど素晴らしい闘う意志を魅せてくれた。ヘディングでも、下がる相手をハードマークしてのボール奪取でも・・
それだけじゃなく、相手が「やり方」を変えてきたのに柔軟に対応し、自分たちで(たぶんトゥーリオと中澤、阿部勇樹がリードして!?)ディフェンスのやり方を調整してもいた。たしかに、トゥーリオと阿部勇樹が、身振り手振りでコミュニケーションしているシーンが散見されたよね。もちろん、その「調整の輪」に長谷部誠や遠藤ヤットも加わる。フムフム・・
あっと・・遠藤保仁。以前にも書いたけれど、彼の素晴らしいパフォーマンスは、何か・・こう・・当たり前になっていて、特別にコメントすることは少なくなっているように思う。だから、短いけれど、彼が攻守にわたって魅せつづける、クレバーで、忠実で、特別な「闘う意志」のオーラを放散するようなスーパーなパフォーマンスのことは、やっぱり、折を見て言及しなければフェアじゃないよね。
遠藤保仁は、聞くところによると、日本チームでは、もっとも運動量が多いそうな。さもありなん・・だけれど、ボールをもったら、あくまでもクールに、インテリジェンスあふれる雰囲気を漂わせ、相手のパワーアタックをかいくぐりながら、しっかりと効果的ゾーンへドリブルでボールを運んでしまったり、相手の鼻先で「クールなシンプルパス」を回したり・・。本当に素晴らしいプレイヤーだよ。
また、本田圭佑も含め、その他の選手も、一人の例外なく、ハイレベルな「闘う意志」を表現していたよね・・。そこまで書いたけれど、そこから次の発想の広がりが途絶えてしまった・・
スミマセン、ちょっとワインが効いてきた。ほろ酔い気分。いいでしょ、こんな素敵な出来事があった夜(朝方)なんだから・・。でも、もう書くのは諦めます。明日は、また時間があるから、もう一度読み直して書き足します。ということで、ご容赦アレ。
でも、本当によかった。これで、韓国と日本が、アジアの代表として決勝トーナメントに進出したから、FIFAとしても、簡単には「アジア枠」を削減できなくなったはず。その意味でも、韓国と日本に乾杯!!
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。
4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。
出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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