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2010_WM(11)・・実際にゴールを奪うというコトには深いバックボーンがある!?・・(ブラジルvsコートジボワール、3-1)・・(2010年6月20日、日曜日)

フ〜〜・・。結局、メディアシートが取れなかった。

 要は、プレスID(要は、首から提げているプレス関係者であることの証明書)が取れたからといって、自動的に、限られた数のメディアシートまで確約されるというわけではないということです。何せ、世界中から(情報化の波に乗って!?)どんどん増えつづけているメディア関係者が集結するわけだし、誰もが注目するカード( ブラジルvsコートジボワール)だからね・・。

 前回のドイツ大会でも、一度だけありましたかね、メディアシートを取れなかったことが。それは、確か、準々決勝のゲーム。とても残念だった。それでも今回は、グループリーグ・ステージで既に・・だから、ちょっとビックリです。それも、決勝が行われる、巨大なヨハネスブルクの「サッカー・シティー・スタジアム」だからね。

 仕方がないから、メディアセンターでテレビ観戦することにした。まあ・・どんな状況でもベストを尽くそう・・なんて気を取り直していたものです。

 ということで、ブラジルとコートジボワールの勝負マッチ。もしかしたらこの試合は、アフリカが、世界サッカー地図において、本物のポジション(確固たる洗練イメージ)を築いた(より強化した!?)サッカー史に残る記念すべきゲームだったのかもしれないね。

 コートジボワールは、ポルトガル戦でも、素晴らしくハイレベルなサッカーを魅せていたけれど、この試合は、何といってもブラジルが相手だからね。そこでも彼らは、とても洗練されたハイレベルなバランスサッカーを披露したのですよ。まあ・・最終勝負プロセスに入る「前の段階」までは・・ネ。

 世界トップに対し、明らかに互角の(部分的にはブラジルを凌駕する!?)プレーを展開したコートジボワール。スピードやパワーに代表されるフィジカル要素は言うまでもなく、テクニック&スキルでも、チーム戦術の洗練度でも・・。ただ一点、決定的チャンスを作り出すというポイントを除いて・・。

 これまで、アフリカンサッカーのイメージを引っ張っていたのは、カメルーンやナイジェリアといったところ。でも彼らの場合、「個のチカラ」を前面に押し出す傾向が強すぎた。強靱なフィジカルによるハードなディフェンスしかり、人とボールはある程度は動くけれど、個人勝負プレー頼みが多いという最終勝負プロセスしかり。だから、限界も明確だった。

 そんな、フィジカルと個人プレーに引っ張られていた「アフリカサッカー」という流れが(アフリカサッカーの全般的なイメージが)変わりはじめるキッカケになったのは、2002日韓ワールドカップでの、フランス人プロコーチ、ブルーノ・メツに率いられたセネガル代表だったかもしれない。彼らは、攻守にわたって、組織プレーと個人勝負プレーがハイレベルにバランスした、とても洗練されたチームだった。

 そして、そんな、世界の檜舞台という機会だからこその(世界サッカー地図における)イメージアップの流れを引き継いだのが、コートジボワールだった。前回の2006年ドイツ大会でも、アルゼンチン、オランダ、セルビア・モンテネグロといった世界の強豪を相手に、本当に魅力的で強いサッカーを展開し、世界の目を引きつけたっけ。いまでも、2006年ドイツ大会でのベストゲームとして、アルゼンチン対コートジボワール、そして同じ組のオランダ対コートジボワールを挙げるヨーロッパのトップコーチは多い。

 そんなコートジボワールだけれど、結局この試合でも「とても良いサッカーを展開した・・」という評価レベルを超えることができなかった。

 洗練された組織ディフェンスと、(攻撃での)組織プレーと「ココゾの個人勝負プレー」が、高い次元でバランスしたとてもエキサイティングで魅力的なサッカー。でも、肝心の、本物のチャンスの演出という視点では、やはりブラジルに一日の長があったということだね。

 ブラジルの先制ゴールは、見事なコンビネーションからだった。ワン・ツー・スリーという流れるようなコンビネーションから、最後は、カカーが、ベストタイミングで決定的スペースへ抜け出したルイス・ファビアーノへスルーパスを通した。2点目は、ルイス・ファビアーノの個人プレー。とてもスマートに、ハンドギリギリのプレーでボールを浮かせながら相手ディフェンダーをかわし、最後は見事なボレーシュートを決めた。

 そして3点目が、左サイドでドリブル勝負を仕掛け、一瞬、相手を外してラストクロスを送り込んだカカーのクロスに、逆サイドから走り込んだエラーノが、ダイレクトで流し込んだゴール。まさに、勝負はボールがないところで決まる・・というコンセプトを地でいった見事なサイド攻撃だった(ゴールを決めたエラーノの、マークを外す決定的フリーランニングが秀逸!)。

 そんなブラジルに対し、コートジボワールは、あれほどダイナミックに洗練された組織プレーでブラジルゴールに迫っていったのに、最後は、ブラジル守備ブロックに、効果的に潰されてしまうのですよ。ボールがないところでの動きの「量と質」が足りないから、ブラジルのディフェンダーに「次を読まれ」て先回りされてしまう・・だから、徐々に、ボールがないところでの動きが減退していく・・もちろんドリブル勝負も積極的に仕掛けていくし、何度もブラジル選手を抜き去りもした・・でも結局は、ブラジルが構築するクレバーなカバーリング網に引っ掛かってしまう・・

 なんか・・まとまりがなくなってきた。今日は、昨日の日本対オランダ戦が行われたダーバンからヨハネスブルクへ飛んで帰ってきたり、前述の「メディアシートをめぐるせめぎ合い」に巻き込まれるなど、そんなこんなで、ちょっと疲れ気味になってしまったんだろうか・・!?

 まあ、とにかく、実際にゴールを奪う・・という現象のバックボーンには、その国のサッカー的な歴史や社会文化なども含む、さまざまな要素の積み重ねがある・・ということが言いたかったんだと思いますよ。それが、後ろにも目があるかのようなブラジルのスーパーコンビネーションや、ココゾの個人勝負プレーの「意志のパワー」や勝負イメージの広がりなどに如実に表現されている!? フムフム・・

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。

 4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。

 出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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