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2010_WM(3)・・韓国チームは、東アジアサッカーの誇りだ!!・・(韓国vsギリシャ、2-0)・・(2010年6月12日、土曜日)

本当に素晴らしい・・。世界の檜舞台で、攻守にわたってチカラを出し切る(自信と確信がみなぎる)立派なサッカーを展開した韓国。彼らの強烈な『意志』が、沸き立つように、グラウンド全体を包み込んでいた。

 いまの韓国は、完全に、東アジアのイメージリーダー。わたしも、彼らを、本当に心から誇りに感じていました。

 ギリシャは、しっかりと守って素早く仕掛けていく(まあ・・カウンター)サッカーを得意としている。それに対し、ギリシャが高い位置からガツガツとプレッシャーを掛けてこないこともあって(!?)全体的なイニシアチブを握りつづける韓国は、完全にギリシャを凌駕する豊富な運動量を絶対的なバックボーンに、とにかく、ギリシャにカウンターを許さない。

 ボールを失った次の瞬間には、韓国プレイヤー全員が、まさに例外なく、全力のチェイス&チェックを仕掛けていくのですよ。そして、守備の起点を作り出してギリシャの「カウンターの流れ」を滞留させ、そこに強力な「協力プレス」を仕掛けてボールを奪い返してしまう。

 そして、またまた間髪いれずに次の攻撃を仕掛けていくのです。もちろん、チャンスのニオイを嗅ぎつけた後方の選手も、まったく後ろ髪を引かれることなく押し上げていく。だから、最終勝負シーンでは、常に十分な人数を掛けられる。そこに、韓国チーム全体の「優れた守備意識」と「それをベースにした深い相互理解&相互信頼」を感じる。

 また、カウンター気味の仕掛けでも、抜群の強さを発揮し、そのほとんどで決定的なシュートシーンまで持っていってしまうのだから舌を巻く。最後の時間帯では、「0-2」とリードされたギリシャも、少しはペースアップして攻め上がっていったけれど、その攻めをガッチリ受け止めた韓国は、まさに蜂の一刺しという危険なカウンターをブチかましていくのです。

 強烈な意志を放散しながらダイナミックに攻守を入れ替えつづける力強い韓国代表チーム。フ〜〜・・素晴らしい。

 そんな韓国に対し、ギリシャは、完全に「自分たちのゲームペース」を見失っていた。たぶんそれは、このゲームの「現象」を言い表すのに適当な表現だと思う。ギリシャは、韓国の、攻守にわたるダイナミックな組織プレーによって自分たちがイメージするサッカーを展開できず、自信を失って足を止めしまった。そう、心理的な悪魔のサイクル・・。

 韓国は、個のチカラでも、パク・チソンを筆頭に、とても素晴らしい発展を遂げている。もちろん、パク・チソンのプレーは群を抜いているけれど、彼だけじゃなく、全員が、まさに全員が、局面での個の競り合い勝負だけではなく、攻守にわたる最高レベルのハードワーク「でも」一つのユニットとしての機能性を光り輝かせるのです。

 ホント、ちょっと興奮しながらゲームを見つめていた。サッカーは、局面での勝負の「積み重ね」。それが、全体的なゲームの趨勢(すうせい)を決める。韓国は、豊富な運動量とハードワークを基盤に、攻守にわたる局面勝負でも、互角以上に渡りあっていたからこそ、これほど素晴らしいゲームを披露できた。

 この韓国サッカーが、日本代表チームにとってのポジティブな心理インフルエンス(影響)になって欲しい・・。そう願うのは私だけではないに違いありません。とにかく、韓国チームに乾杯!!

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さて、ということで、これが、南アフリカへ出発する前の最後のコラムということになりそうです。アルゼンチン対ナイジェリア、イングランド対アメリカと、興味深いゲームがつづくわけですが、レポートするには時間的に難しそうです。

わたしの南アWM(=Welt Meisterschaft)遠征計画ですが、所用が重なっていることで、 現地への出発を遅らさざるを得ませんでした。だから開幕ゲームにも間に合わなかった・・。

日本を出発するのは、明日の6月13日。そして、ヨハネスブルクの空港にランディングするのは、日本対カメルーン戦当日の朝、0730AMです。そこで、予約 してあるレンタカーをピックアップし、SIMカードや水などを仕入れてブルームフォンテーンへ400キロのドライブ・・っちゅうわけです。

それだけじゃなく、ブルームフォンテーンに到着しても、まずアクレディテーション・センターへ行って、プレスIDを作ってもらわなければなりません(ス タジアムとは別の場所!)。本当にゲームに間に合うのだろうか・・。

まあ、やるっきゃないよな。フ〜〜・・

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。

 4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。

 出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。

 




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