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- 2012_CWC初戦・・「The ヒロシマ」は抑えられ気味だったけれど・・(サンフレッチェvsオークランド、1-0)・・(2012年12月6日、木曜日)
- 「骨子ですか!?・・それは・・しっかりとボールを動かしつづけるということですかね・・」
「相手が守ってくるのは事前に予想されていたと思う・・実際にオークランドは九人で守備ブロックを固めてきた・・そんな相手を崩していくイメージをどのように描いていたか・・そして、そのイメージの骨子は?」
そんな私の質問に対し、サンフレッチェ森保一監督が、冒頭の発言も含め、真摯に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。曰く・・
・・試合に臨むにあたってチームが共有しておくべきイメージは、ジックリ攻めるということでした・・それが(相手にボディブローのように効くこと
で!?)後半につながると思っていました・・実際、後半のオークランドは、運動量が落ちてきた・・そして、それにともなって我々は、多くの決定的なチャン
スを作りはじめた(オークランド守備ブロックを崩しはじめた!)・・
・・そんなゲーム展開については、選手たち自身が、冷静に状況を判断しながらアタマのなかに描写できていたと思いますよ・・要は、選手たち自身が、ゲームの(全体的な流れを俯瞰することで見えてくる!?)勝負所を、しっかりとイメージできていたということです・・
・・とにかく、我々がボールを持つ時間が長くなることは分かっていた・・ただ、無為にキープしても、サッカーのペースが単調になるばかり・・そうなったら、オークランドに、次の仕掛けを読まれるようになってしまうでしょ・・
・・だから、とにかく、しっかりと(素早く、広く、創造的に=相手の想像力を超えるように!?)ボールを動かすことで、相手に的を(ボール奪取のポイントを!)絞り込ませないというイメージをもってゲームに臨んだのです・・
・・もちろん、そのようにボールを動かすためには、、しっかりと(ボールがないところで!)人も動かなければならないわけです・・そんなことは言う必要もないでしょうが・・
森保一・・
今季リーグを制覇したプロコーチとして、立派な受け答えでした。いいね・・。日本でも、どんどんと若手のプロコーチが育っている。頼もしい限りじゃありませんか。
試合だけれど、内容的には、もちろんサンフレッチェの順当勝ちではあったけれど、逆に、彼らが攻めあぐんだという表現も、あながち間違いじゃない。そんな、ちょっと苦労したサンフレッチェ・・っちゅう試合でした。
ゲーム終了間際には、「ほとんど、オークランドの同点ゴール!!」っちゅうピンチもあったしね・・あははっ・・
サンフレッチェが苦労した背景には、オークランドが、人数を掛けて守備ブロックを固めてきたことだけじゃなく、彼らが、巧みな「ライン・コントロール」を駆使し、何度も、「The ヒロシマ」の流れを潰した(封じた)こともあった。
The ヒロシマ・・
それは、言うまでもなく、彼らが仕掛ける、爆発フリーランニング&一発スルーパスが組み合わされた必殺コンビネーションのこと。まさに、日本一の「イメージ・シンクロ・プレー」。
もちろんボールが供給されるのは、スルーパスだけじゃなく、クロスボール等もある。とにかく、そんな人とボールの動きで、相手守備ブロックの背後に広がる決定的スペースを攻略しちゃうコンビネーションが、レベルを超えて危険なんだよ。
だから、日本全国津々浦々のサッカー人たちが恐れおののくっちゅうわけだ。ちょっと大袈裟!? でも、佐藤寿人の爆発フリーランニングが中心になったヤツらの一発コンビネーションは、とにかく一発必殺なんだよ。
ところで、オークランド。質問はしなかったけれど、その監督さんは、明らかに、「The ヒロシマ」対策を練ってきたと思う。
明らかに彼らは、佐藤寿人とか高萩洋次郎といった「サンフレッチェの爆発フリーランナー」がブチかます決定的な動きを阻止しようとするゲーム戦術的なプレーを繰り広げていたんだ。
決定的なスルーパスが出そうな状況が作り出されそうになったら、必ず、佐藤寿人や高萩洋次郎には、ピタリとマンマークがついていたからね。そして、もう両手両足を使って、必死に彼らの動きを阻止しようとするんだよ。
まあ、それでも、何度かは、「The ヒロシマ」が爆発したのも確かなことだった。
スルーパスに抜け出してダイレクトシュートをブチかますとか、決定的クロスを、(ウラやニアポストのスペースへ抜け出して!)ヘディングででぶっ叩くと
か・・。サンフレッチェは、相手にケアーされていたにもかかわらず、「The ヒロシマ」をブチかましたんだ。それは、それで素晴らしかったよね。
でも、そんな、何度かの(広島らしい!?)決定的チャンスが、ことごとく相手GKの神業に止められちゃうんだ。
そんな展開を観ながら、ネガティブなゲーム展開イメージが頭をよぎっていた。・・シュートが甘い・・ツキもない・・これじゃ、延長PKでやられちゃうかもしれない・・フ〜・・
でも・・
そう、青山敏弘がブチかました、スーパー・ミドルシュート・・
競技場の(そんなに精細じゃない!?)スクリーンでも、彼がブチかました無回転シュートの飛び方が、「シュッ!・・シュッ!」と、鋭角にブレているのが分かった。ちょっと、フリーズした。
GKは、シュートが蹴られた直後のボールの状態で、飛んでくるコースやスポットを予測し反応する。それでも、蹴られた直後に、「シュッ!・・シュッ!」じゃ、そりゃ、ズッこけるよな。
以前、オリバー・カーンが言っていたっけね。
・・無回転シュートの場合、ボールの挙動がブレるのは当たり前なんだよ・・だから、決してキャッチしようなんて大それたコトを狙わない・・そして、ボールの初動に反応せず、じっくりと、素早く、身体全体でボールをブロックするんだ・・
さて、これでサンフレッチェは準々決勝に進出し、アフリカチャンピオンのアルアハリと対戦する。相手にとって不足なしだし、今度はヤツらも攻めてくるでしょ。存分に、「The ヒロシマ」を爆発させてください。期待してま〜す・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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