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2012_ヨーロッパの日本人・・香川真司・・もっともっと積極的なチャレンジを!・・(ニューキャッスルvsマンU、0-3)・・(2012年10月8日、月曜日)

ホント、興味深いネ〜、サー・アレックス・ファーガソンの「様々な」模索プロセス・・

 彼は、選手(タイプ)の組み合わせで、どのような攻撃の流れになるのか(どのような相手に、どのような選手タイプの組み合わせがベストなのか・・等な ど)を探っている!? もちろん、タイトなスケジュールをこなしていくなかでの選手起用ローテーションという視点も含めて・・ね。

 そして今節は、ウェルベック、ファン・ペルジー、香川真司、そしてルーニーというメンバーで前線カルテットを組んだ。

 攻撃陣としては、その他に、大ベテランのギグス、ナニ、バレンシア、ハビエル・エルナンデス、アシュリー・ヤングといった錚々(そうそう)たるメンバーが控えている。

 そして、ここが一番のキモなのだが、マイケル・キャリックに代表される守備的ハーフ(アンカー的なタスクイメージ!?)と組む基本パートナーとして、守 備的ハーフ、攻守をつなぐリンクマン、チャンスメイカー、そして後方から押し上げる刺客(3人目、4人目のパスレシーバー!)というマルチなタスクを担 う、攻守の中盤キーパーソンがいるのです。

 まあ今のところは、そのポジション(役割)で、もっとも実効ある存在感を発揮しているのは、何といってもポール・スコールズだよね。もちろん、アンデルソンもいるし、ライアン・ギグスだってまだまだいけるけれど・・

 でも今節、そのタスクイメージをもって先発したのはトム・クレヴァリーだった!? まあ、マイケル・キャリックを「アンカー」に、その前に4人の中盤カルテットを据えるという発想だったのかもしれないけれど・・

 ただ、そのクレヴァリー。たしかに、攻守にわたってエネルギッシュに(広い範囲で)仕事を探しつづけるという積極プレー姿勢は良かったけれど、どうも、リンクマンとしての機能性については、期待されたほどのレベルにはなかった。

 ・・いや、実はウェイン・ルーニーが、流動的に「マルチ・タスク」を担うリンクマンとして「も」機能するという発想だったのかもしれない。そう、ポール・スコールズの実効ある代替として・・

 それは、はっきりとしない。

 アレックス・ファーガソンが描いたタスクイメージは、トム・クレヴァリーをリンクマンに据えるというものだったのかもしれないし、はじめからキャリック をアンカーに、その前に4人の中盤カルテットを置くというものだったのかもしれない。また、ゲームのなかで、ウェイン・ルーニーとトム・クレヴアリーが、 主体的にタスクを入れ替えたのかもしれない。フム〜・・

 あっと・・、ここで取りあげたかったテーマは、攻守にわたる自己主張のぶつかり合いという視点だった。そう、積極的に仕事を探しつづけ、仕掛けていく姿勢(=強烈な意志)のぶつかり合い・・

 そんな、動的なエネルギー(強烈な意志)が交錯しつづけるなかで、どうも香川真司の存在感が、期待するほど高まっていかなかったという印象が残ったのですよ。

 たしかに組織プレーの流れには乗りつづけている・・でも、肝心な勝負所での効果的な自己主張(貢献)プレーが足りない・・!? フムフム・・

 そして私は、その背景要因の一つとして、トム・クレヴァリーの(ガンガン前へ押し上げてくる!)攻撃的なプレー姿勢や、(・・もしかしたら)クレヴァリーとルーニーによる流動的なタスクの受け渡しが、あったのかもしれないと思っているわけです。

 積極的に押し上げてくるトム・クレヴァリー。でもそのことで、香川真司やルーニーがイメージするコンビネーションの流れ(リズム)が阻害されたり、彼らの使える(イメージする)スペースが埋められてしまうケースもあった!? さて〜・・

 そんなだから(!?)次のディフェンスでは、香川真司やウェイン・ルーニーが、クレヴァリーの代わりに、深いところまでディフェンスに戻るシーンが目立 つのも道理。もちろんマンUの場合、基本的なチーム戦術として、全員がディフェンスに入ること(守備のハードワーク)は約束事なのだろうけれど・・

 ゲームの立ち上がりは、それなりにスムーズに回っていたマンUの攻め(組織コンビネーション)だったけれど、時間を追うごとに、(セットプレーゴールが次々と決まったこともあって!?)徐々に人とボールの動きが減退していったと感じた。

 そして、「動き」が停滞していくなかで、香川真司のプレーも精彩を欠いていったのだけれど、そんな彼のプレーを追いながら、何か、日本代表での香川真司を観ているような感覚にとらわれた。

 香川真司には、もっともっと動き回ることで積極的にパスを「呼び込み」、そして彼を中心に、人とボールの「動きのリズム」を活性化させることにチャレンジして欲しかった。

 もちろん「そこ」では、ガンガン押し上げてくるトム・クレヴァリーとの「意志のぶつかり合い」もあるでしょ。でも、意志エネルギーがせめぎ合うなかで、自らが主導権を握り、組織サッカーのリズムを再生させていくことにチャレンジするのですよ。

 それには大変なエネルギーが必要だよね。

 でも、ほんの少しでも、自らが主導するカタチで、人とボールの動きの(組織コンビネーションの!)リズムを再生させられたら、それほどの成功体感はないし、ベンチの評価も格段にアップするに違いない。

 決してチームワークを乱せと言っているのではありません。組織サッカーの「動き」が停滞したと感じたら、まず自らが率先して「停滞した雰囲気」をブチ破っていくように、ダイナミックな積極ハードワークを繰り出していくのですよ。

 瞬間的に、味方とポジションが「重なって」もいいじゃありませんか。とにかく、ボールがないところでの(爆発的な!)動きが出てくれば、おのずとスペースが出来てくるし、その爆発エネルギーを感じた周りの味方やボールも動き出すものなのです。

 「そこ」は、世界のマンUという環境だからね、もし少しでも(自らが!)チームの雰囲気を高揚させられたら、それほどの成功体感はないだろうし、それが、日本代表で活かされないはずもない。

 そう、本田圭佑との、意志エネルギーのせめぎ合い・・!? チームにとって、それほどの「ポジティブな刺激」はない。

 この試合を観ながら、そんなことに思いを馳せ、明日からのヨーロッパ遠征(フランス戦とブラジル戦)に期待をふくらませていた筆者なのでした。

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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