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2012_ヨーロッパの日本人・・香川真司は、着実に、主力としての存在感をアップさせている・・(リヴァプールvsマンU、 1-2)・・(2012年9月23日、日曜日)

やっぱり、香川真司がいるっちゅうことで、参加意識というか、当事者意識というか、観戦中に湧き出してくるスピリチュアルエネルギー(アドレナリン!?)のレベルが違う。

 香川真司は、ファン・ペルジーのPKでマンUが勝ち越した時点で(後半38分に)ハビエル・エルナンデスと交替したけれど、全体的には、ラファエルが送 り込んだ(左ポスト直撃の!)同点ゴールのアシストも含め、良い出来だったと思う。私は、彼のプレーぶりを、様々なコトに思いを巡らせながら、楽しんでい た。

 あっと・・、それでも、この試合のカメラワークには辟易(へきえき)したっけ。そう、プレミアではよく見られる半径20メートルのカメラワーク。それ も、フリーキックの時でも同じ(狭い)アングルの時があったんだぜ。それじゃ、肝心の、ボールがないところでの「駆け引き」を楽しめない。

 こちらは「結果」を見たいわけじゃなく、あくまでも、そこに至るプロセスに舌鼓を打ちたいんだよ。リプレイで後から見せられるんじゃなく、「そのとき」同時に楽しみたい。

 私にゃ分からないけれど、もしかしたらカメラマンは、そんな風にカメラをブン回せることを(それでも、しっかりとボールを追いかけられていることを!?)、自分のウデの良さとして誇示しようとしている!? さて〜〜・・

 このところ、プレミアのカメラワークも(EUROやUCLを見習って!?)良くなっている・・なんて思っていたから、ちょっとガッカリした。何せ、リバプールとマンUとの激突なんだからね・・

 まあ・・いいや・・

 ということで香川真司。この試合でも、優れた組織サッカーを展開した。

 とはいっても、前半は、(アウェーでのリヴァプール戦ということで!?)チーム自体が、かなり注意深くプレーしていたからね、彼が、そんなに頻繁に見せ場を作れなかったのも道理だった。

 それでも私は、もっと、前線からのエネルギッシュなチェイス&チェックを仕掛けてもいいんじゃネ〜か〜(!?)・・なんて、自分勝手な願望をもっていた わけだけれど、あまり「追いかけ過ぎ」ても、エネルギーのペース配分とか、周りの味方とのポジショニング&タスク(役割)バランスとか、またゲーム戦術的 にも、様々なところに支障をきたしてしまうからな〜・・

 でも後半は、(リヴァプールのシェルヴィが退場になったことや、1点リードされていたこともあって!?)マンUのダイナミズムが大きく高揚していった。

 このペースアップだけれど、その立役者は、なんといっても、後半から登場したポール・スコールズだった。彼が中盤の底にポジションを取ったことで、ライ アン・ギグスがポジションを上げたわけだけれど、この2人の大ベテランによる「タテのコンビネーション」が素晴らしかったんだよ。

 二人が展開するシンプルな組織パスプレー(コンビネーション)によって、明らかに「全体的なボールの動き」が、スムーズに、素早く、そして広くなった。

 要は、彼らが、ボールの動き(パスのリズム)を巧みにコントロールした(加速させた!?)ということだね。

 素早くタテのスペースへ「流す」ダイレクトパスにしても、例によっての「ト・ト〜ン」という二軸動作リズムで繰り出されるワントラップ&タッチ(パス)にしても、とにかく彼らが展開する、スムーズでスマートなボール絡みのプレーにほれぼれさせられていた。

 もちろん、その活性化したボール(そして人)の動きが、香川真司のプレー内容(意志)を高揚させないはずがない。仕掛けの流れへの「乗り方」を観ていれば一目瞭然だけれど、周りから信頼されているし、彼自身も、自信をもってプレーしていると感じる。

 後半の香川真司は、攻守にわたって、本当に活き活きとプレーしていた。それが、ラファエルの同点ゴールを引き出した。

 香川真司は、着実に、主力としての存在感(チーム内ポジショニング)をアップさせている。そのプロセスを体感しながら、日本代表での機能性も含めて、様々なコトに思いを馳せていた筆者でした。

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

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