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2012_UCL・・バルセロナの組織サッカー・・スペースパスと足許パス・・(ベンフィカvsバルセロナ、 0-2)・・(2012年10月3日、水曜日)

このところ、リーガ・エスパニョーラやUEFAチャンピオンズリーグで活躍するFCバルセロナのサッカーに舌鼓を打っています。

 グアルディオラが辞任した後を受け、コーチから監督に昇格したティト・ヴィラノーバ。とても優れた仕事を積み重ねていると思う。まあ、彼にとっては、そ れまでのグアルディオラとの共同作業を、彼なり(!?)に創造的に継続・発展させているだけ・・っちゅうことなんだろうけれど・・

 グアルディオラが辞任したとき、どうなることかと心配した。ただそれは杞憂に終わった。FCバルセロナは、「あのサッカー」を変えないという正しい決断をした。そう、「継続こそチカラなり」という普遍的なコンセプト・・

 そういえば、今年は、年初からバルサのサッカーを、様々な視点で取りあげたっけね。

 素早い攻守の切り替えからブチかますダイナミックなプレッシング守備とか、「ボール命」と「独特の動きのリズム」という発想がベースの攻撃とか、はたまた「ここ一発のチャンスメイク・・」等などといったテーマでもコラムをアップしたんですよ。

 そのコラムシリーズの最後に発表した「UCL」のレーヴァークーゼン戦コラム(今年の2月15日)では、それら異なったテーマのコラム一つひとつに「リンクボタン」を張ったので、その「レーヴァークーゼン戦コラム」も参照してくださいな。

 ということで、日本時間の今朝方おこなわれたベンフィカ対バルサのUCL戦。

 そこでのテーマは、前述した「ここ一発のチャンスメイク・・」という視点を展開させたディスカッションということになりました。もしかしたら、内容が劣化しちゃったりして・・あははっ・・

 とにかく、ホームの(素晴らしい個の能力を擁する!)ベンフィカを相手にしても、バルサの強烈なパスサッカーは衰えを知らなかった。

 バルサのパスサッカー・・。要は、組織プレー(コンビネーション)と個人勝負プレーが最高のコラボレーションを魅せつづけるチャンスメイクですよ。まあ、「それ」については以前のコラムを参照してくださいね。

 ところで、この日のベンフィカの守備。

 バルサ最終勝負の流れを止めるためのマーキング(≒バルサの、ボールがないところでの最終勝負の動きを抑える守備イメージのレベル)がお粗末だったね。まあ、個の才能ベースの攻撃は、ものすごく危険だったけれど・・ね(だからこそ、バルサの守備の強さも際立った!?)。

 そんなだから、この試合を評価対象にしていいかどうか迷ったけれど、まあ、テーマをバルサの最終勝負(チャンスメイク)に絞り込めばいいか・・とキーボードに向かった次第。

 あまり冗長にならないように・・。ということで簡単にまとめると、足許パスとスペースパスが今回のテーマだということです。

 パスには、大きく分けて2種類ある。ひとつは足許パス。そしてもうひとつがスペースパス。

 ただ正確に言えば、足許パスにも、2種類あるんだ。

 ひとつは、止まった味方の足許へ、鋭く正確に「付ける」パス。そして、もうひとつが、スペースへ動いて入り込んだ味方の足許へ、その選手の体勢を考え、次の勝負プレーがやり易いように送り込む「フィーリングあふれる親切な」足許パス。

 後者の足許パスは、まあ、スペースパスと同じ意味合いだよね。だからサッカーでは、スペースパスが格段に重要な意味をもつんだ。

 ・・攻撃の目的はシュートを打つこと・・でも、そのための当面の目標は、相手守備ブロック裏のスペースを攻略すること・・

 ・・そして、そのプロセスで交わされるパスのほとんどは(見た目には!?)足許パス・・でも、スペースへフリーで入り込んでパスを受けたら、それも基本 的な意味合いはスペースパス・・だから、攻撃の目的を達成するための実効武器のほとんどは、スペースパスっちゅうわけだ・・

 もちろん、決定的な(それに近い)スペースで、ある程度フリーでボールを持ったら、もう、そのままドリブル(フェイント動作&)シュートを打つか、ラストパスを出すしかない。

 あっと・・またまた冗長になりはじめた・・

 ということで、このコラムを締めるのは、バルサが誇る「必殺コンビネーション」の分析ということになります。悪しからず・・

 その必殺コンビネーションのキッカケだけれど、それは、シャビやメッシによる「突っ掛けドリブル」とか、「クサビのパス」とか、そりゃ、千差万別だよ。

 でもサ、最終勝負の流れに入ったときのコンビネーションには、プロセス内容は千差万別であるにせよ、常に、ある決定的に重要なポイントがあると思っているんです。それは・・

 例えば、バルサがブチかます「ワン・ツー・スリー(&フォー!)のスーパーコンビネーション」を思い浮かべてくださいな。

 もちろん「そこ」では、「ワンのパス」に代表される足許パスがある。でも最終ラストパスのほとんどは、ダイレクトのスペースパスなんだよ。それも、誰もいない(決定的)スペースへ送り込まれるスペースパス。

 ヤツらは(もちろんバルサの天才連中のことだよ)、その最終スペースを攻略していく「プロセス」を、最初から明確にイメージできている。最終勝負コンビネーションイメージが、まさに明確に「共有」されているんですよ。そこが、すごい。

 換言すれば、「最終のダイレクトパス」を送り込む「最後のパスレシーバー」のイメージ描写がすべてだとも言えそうだね。そして、最終勝負イメージを明確に共有する(ラストパスをもらった)フリー(スペース)ランナーが、フィニッシュする。

 とにかく、そんなコンビネーションイメージが明確に共有されていることこそがバルサの真骨頂・・だと思っている筆者なのでした。あっと・・正確&鋭いサイドキック&魔法のトラップ・・もね・・

 えっ!? まだ冗長・・!? スミマセンね・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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