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2013_コンフェド杯_その12(三位決定戦)・・実は、書こうか、書くまいか、チト迷っていた・・でもゲーム内実の魅力的な変容に、自然とキーボードに向かっていた・・(イタリアvsウルグアイ、 2-2)(2013年6月30日、日曜日)

「コンフェド杯レポートの第1回目」で書いたとおり、コンフェデレーションズカップがはじまる2日前、リオに1泊したんですよ。ドイツ、フランクフルトからの到着。

 そのホテルは、とんでもないロケーションで、とても苦労した。いろいろとロケハンをするためにタクシー使いまくったから、ホテル代よりも移動費の方が多く掛かってしまった。

 そのことについては「第1回目コラム」を参照してください。

 ということで、リオ・デ・ジャネイロに帰ってきた今回は、メディアホテルまで歩いていける宿にしたっちゅう次第。

 でも、高い。

 1泊2万円くらい。ちょっと想定外の高価ホテルになってしまった。もちろん、そのホテルの「内実」は、たぶん、その価格の半分以下だろうね。でも、ブラジルが決勝に進出したこともあって、値段をつり上げた!? フ〜〜・・

 とはいっても、ホテルの周辺は、前回とはまったく違う。歩いて行ける範囲には、レストラン、バー、カフェ、スーパーマーケットなど、ほとんど全ての街の機能がそろっている。さすがにコパカバーナっちゅうことか。

 もちろん夜になったら、チトあぶない雰囲気。出歩かない方が無難っちゅう感じに急変する。まあ、行く前から「治安の悪いブラジル」というイメージを擦り込まれているから、「そう見える」のかもしれないけれど・・ネ。

 まあ、ということで、今回は、歩いてメディアホテルまで行き、そこからメディアシャトルでスタジアムまで連れて行ってもらった。もちろん、予想されているデモのことも念頭に入れてね。

 前回のサルバドールのように、タクシーに乗ったら最後、道路封鎖の連続で、回り道、回り道・・ってなことになったら悲劇。とにかく、メディアシャトルにするのがイチバンという判断なのです。だからこそ、高いホテルも許容した。

 あっと、試合・・

 それは、様々な視点の「ゲーム展開の内実」が揺動しつづけた。だから、こちらのモティベーション(創作意欲!?)も揺れ動きつづけた。書こうか、書くまいか・・

 そんなゲーム内容(雰囲気)の変遷について話しながら、隣の同僚ジャーナリスト(カメラマン)の方たちとテレビ観戦していたのですが、PK戦に入ったと ころで、「湯浅さんの、そんなやる気のアップダウンを書いたらいいじゃないですか・・それって、周りで聞いていても、とても面白かったですよ・・」なんて 言われてしまった。

 そうか〜・・

 そうね、それでは・・

 ・・試合は、まず、イタリアの実力が目立ちに目立つっていう感じで立ち上がった・・

 ・・24時間多く休養できたウルグアイ・・それに南米チャンピオンの意地もあるし、開催地が南米のブラジルだからね・・気合いレベル「だけ」は、うなぎ上りだったに違いない・・でも・・

 ・・そう、たしかにイニシアチブはウルグアイが握っているように見えて、実質的な「勝負ファクター」は、完全にイタリアがコントロールしていたのですよ・・

 ・・例によって、攻め上がるウルグアイの「ウラ」を突く完璧なカウンターをブチかますイタリア・・

 ・・だから、チャンスの量と質という視点じゃ、もう完全にイタリアが凌駕していた・・そして前半24分・・そう、イタリアのツボの一つ、フリーキック・・

 ・・蹴られたボールは、正確に、まさに正確そのものの軌跡を描き、ウルグアイGKのアタマの上を越えてファーポストの上角にピタリとはまっていったのです・・

 ・・直接ゴールになっても、おかしくないシュート・・でもボールは、ゴール左上角のバーとポストの接合部に弾かれ、ウルグアイGKの肩に当たってこぼれた・・そしてそれを、イタリアのアストリが押し込んだっちゅう次第・・

 ・・先制ゴール!!・・

 ・・もちろん、こちらは、これで勝負は決まったも同然だと思っている・・何せ、「あの」イタリアだからね・・

 ・・しっかりと守備を固め、それまでと同様に、ウルグアイの仕掛けエネルギーを「完璧に吸収」し、そして「イタリア的」な危険なカウンターをブチかます・・

 ・・後半の立ち上がりも、そんなカチッと固まったゲーム展開に変化の兆しはない・・まあ、このままだったら書くのを止めようかな・・でもすぐに、そんな私の不謹慎なマインドがぶっ潰されちゃう・・

 ・・そう、後半13分・・ウルグアイのカヴァーニが同点ゴールをブチ込むんだよ・・流れのなかからのゴール・・まさに起死回生の一発だった・・

 ・・そして、その後は、イタリアが攻め上がったこともあって、ウルグアイが、それまでとは全く異なる雰囲気の「危険な」カウンターをブチかましていくようになったんだ・・

 ・・そして誰もが、まったくゲームの展開が読めなくなってしまう・・

 ・・そんなエキサイティングな(勝負の)雰囲気のなか、またまたイタリアが、やっちゃう・・後半28分・・ディアマンティのフリーキック・・これまた美しい放物線を描き、ウルグアイゴールの右上隅へ吸い込まれていった・・

 ・・今度こそ・・「これで勝負ありだな・・」なんて、またまた安易に思い込もうとする筆者なのでした・・でも・・

 ・・そう・・そのちょうど5分後のことでした・・

 ・・またまたウルグアイのカヴァーニが、やってくれちゃうんだよ・・フリーキック・・イタリアゴールの左上角・・ブッフォンの指先は届いていたけれど、結局は、ボールの勢いが優った・・

 ・・これで再び2対2の同点・・フ〜〜ッ・・

 ・・そして、そんなタイミングで、誰かが、「このままだった、すぐにPK戦になるらしい・・」なんてことを言う・・そうか、またまた、「あの」イタリア のレベルを超えた決定力を体感できるのか〜・・なんて楽しみにしていたら、何のことはない、そのまま延長戦に突入しちゃった・・

 ・・何だ・・

 ・・その延長戦・・前半は、もう完全にイタリアペース・・やっと、本来の実力が反映されたゲーム展開になった・・なんて思っていた・・

 ・・ここまできたら、ウルグアイに「来させて」カウンターを仕掛けるなんていう余裕はない・・もう、全力で仕掛けていくしかない・・そりゃ、そうだ・・三位決定戦だぜ・・それも延長戦だぜ・・こうなったら負けられネ〜〜じゃないか!!・・

 ・・でも・・

 ・・そう、延長後半になって(その5分)、イタリア中盤のダイナモであるモントリーボが、二枚目のイエローで退場になっちゃうんだ・・

 ・・おいっ!・・何だこの展開は・・

 ・・そして、ウルグアイが、ガンガンと攻め込みはじめるんだ・・でも、それって、イタリアのツボでもあるよね・・劣勢に立たされてからの粘りのディフェンス・・

 ・・まさに、そんなイタリアのツボが抜群の存在感を発揮するんだ・・でも彼らは、勝ち越しゴールを奪う・・ってなところまではモティベートできない・・ 要は、攻撃になっても、カウンターの流れを作り出せないし、サポートの人数も増やせない・・そして無為にボールをキープするんだ・・

 ・・彼らは、PK戦を意識している・・スペイン戦で素晴らしい決定力を発揮できたことことによる自信かな!?・・

 ・・そんなことを考えていたら、タイムアップのホイッスルが鳴った・・さて〜・・

 ・・そのPK戦・・これまたエキサイティングだったね・・

 ・・何てったって、「あの」フォルランが、最初に、ブッフォンに止められちゃったんだからね・・

 ・・それに対してイタリアの一人目・・

 ・・スペイン戦で、「あの」素晴らしい「フワッというシュート」を中央に決めたアクイラーニが、今度は、まさに狙いすましたグラウンダーシュートを、ウルグアイゴールの右隅に決めちゃうんだよ・・

 ・・やっぱり違う・・イタリアの決定力は違う・・なんてコトを思った・・というか、その決定力を再び体感できることに対する期待が大きくふくらんだ・・でも・・

 ・・次のウルグアイ、カヴァーニが、これまた見事な(心の余裕を感じさせる)シュートを決める・・次・・イタリアの二人目、エル・シャーラウィも、確信に満ちたシュートを左隅に流し込む・・

 ・・ウルグアイ三人目、スアレスもまた、自信エネルギーを放散するシュートを決めた・・そして・・

 ・・そう、イタリアの3人目、シグリオのシュートが、ウルグアイGKに止められちゃうんだよ・・これで、両チーム3人が終わった段階で2対2・・

 ・・ウルグアイの決定力も、まさに「世界」だ・・そんなことも感じていた・・彼らもまた、世界トップに君臨していることを体感させてくれる・・この体感が、とても心地よい・・でも・・

 ・・そう、ウルグアイの4人目のカサレスとガルガーノのシュートが、「世界」のブッフォンに、見事に止められちゃうんだよ・・それに対して、イタリア4人目のジャッケリーニが、ピタリとゴール隅に正確なシュートを決める・・

 ・・これで勝負ありだったけれど、心のなかでは、あの雰囲気のなかで、それも世界の強者同士のギリギリのせめぎ合いのなかで、ピタリとシュートをゴール隅へ飛ばすテクニックと意志の強さに脱帽していた・・

 さて、これから決勝だ。気を張って観戦していたことによる心地よい疲労感に浸っている暇はありません。ではまた後で。フ〜〜・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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