トピックス
- 2013_コンフェド杯_その3・・イタリアとスペインは、やっぱり強いネ・・(イタリアvsメキシコ、2-1)(スペインvsウルグアイ、2-1)・・(2013年6月16日、日曜日)
- スペイン対ウルグアイ戦に入っていく前に、メディアセンターでテレビ観戦したイタリア対メキシコのポイントを簡単にまとめておきましょうかね。
結論から言えば、まさに順当なイタリアの勝利っちゅうことになるでしょ。何せ、作りだした決定的なチャンスの量と質では、イタリアが完全に凌駕したわけ
だから。・・というか、メキシコは、強固なイタリア守備ブロックの前に、まったく歯が立たなかった・・という表現の方が適当かも・・
イタリア。強力なフォーバックは相変わらず。
その前に、中盤の底のセンターに陣取るピルロと、最前線トップに張るバロテッリによって形成される「タテの軸」の周りを、まさに衛星的に、攻守にわたってハードワークを繰り広げる中盤カルテットがいる。
左サイドのモントリーボ、右サイドのデ・ロッシ、そして中央コンビのジャッケリーニとマルキージオ。
とにかく、ハードワーカーと、クリエイターが、これほど明確にカタチを成しているチームは珍しい・・と思った。
もちろん中盤の底に君臨するピルロの、キープ力やパス展開力、チャンスメイク力などは折り紙付きだよね。
ピルロは、常に「前を向いた状態」でボールを持ちたい(パックパスを受けて、そのまま素早いタイミングで決定的な仕掛けのタテパスを送り込みたい!?)から、常に下がり気味の位置取りをする。
もちろん守備もしっかりとこなすけれど、普通の守備的ハーフというイメージじゃないよね。ボールがないところでのマーキングとか、チェイス&チェックといったハードワークには、そんなに目立った意志を魅せない。
そんなクリエイティブリーダーのことを良く分かっているからこそ、イタリア監督プランデッリは、ピルロの周りに、攻守のハードワーカーを揃えたっちゅうことなんだろうね。
とにかく、そんな「ピルロ・シフト」なんてまで呼べるような「やり方」には、もちろん光と影があるわけだけれど、プランデッリは、「それ」に懸けた・・っちゅうことなんだろうね。
とはいっても、観ていてすぐに感じたんだけれど、ピルロがタイトにマークされた状況では、彼を「オトリ」に使って、周りの選手たちが、正確なサイドチェンジパスや「危険なタテへのフィード」などを送り込むんだよね。
一人潰せば全てを潰せる・・なんて思わせておいて、実は、そのウラを取る・・なんてネ。とにかく、イタリアのそんな柔軟な対応が目立っていた。
要は、この「ピルロ・シフト」が、本当の意味で、チームに深く浸透しているっちゅうことなんだろうね。
とにかく、彼らもまた、日本にとっての素晴らしい「学習機会」になるに違いない。いまから、三日後の対戦が楽しみで仕方なくなったじゃありませんか。
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ということで、スペイン対ウルグアイ。
まず何といっても、ウルグアイの「立ち上がり」での守備のやり方にスポットを当てなければいけません。
皆さんもご存じのように、スペイン代表(バルセロナ)の、ボールを奪われた瞬間からはじめるプレッシング守備を絶対的ベースにしたポゼッションサッカーに対抗する方法には、いくつかあるよね。
バルセロナのダイナミック守備に互角に対抗していくために、自らも前から強力プレッシングをブチかますやり方。
この方法は、もちろんリスキー。何せ、「あの」バルセロナに・・あっと、スペイン代表に対して、後方のバランスを崩してまでも、「前から」プレッシングを仕掛けていくんだから。
もう一つは、守備ブロック全体を下げ、スペイン代表がブチかます(協力プレス守備を絶対的ベースにした)ポゼッションサッカーを「人数を掛けて守る」という、まあ受け身のやり方。
また、この試合の立ち上がりでウルグアイがやったような、ある程度「間合い」を空けるけれど、全体的な傾向として、より前からバルサのサッカーを制限するっちゅうやり方。
分かり難いけれど、スペインの組み立て段階では、決してボールを「追い過ぎる」ことなく、しっかりとポジショニングし、ボールホルダーやボールがないところでのアクションも出来る限り抑制するんだ。
ただ、スペイン代表が、勝負のタテパスを送り込むなど、仕掛けに「入った」瞬間には、一人もフリーにすることなく、しっかりとタイトにマークすることで、次、その次の勝負所でボールを奪い返すっちゅうイメージ。
実際ウルグアイは、スペインが仕掛けに入った次の瞬間には、ボールホルダーだけじゃなく、次、その次の(要は、3人目、4人目のスペイン選手まで)しっかりとタイトにマークしていたっけね。
最初の頃は、「それ」がうまく機能し、スペインの最終勝負をギリギリのところで抑えられていた。でも・・
そう、徐々にウルグアイ守備陣が、ウラを取られはじめたんだよ。やはり、スペインのコンビネーションは、レベルを超えている。
最初のパスレシーバーが、ボールを「スルー」し、その後方にいた「3人目」が、逆サイドのスペースへ走り込んだ4人目へのダイレクトパスを決めちゃったりする。
そんな素晴らしいチャンスを、何度も作りだすスペイン代表。でも、ゴールだけが決まらない。
でも、まあ、先制ゴールは、ペドロのシュートが相手に当たり、コースが変わったことで生まれたラッキーなものだったけれどネ。まあ、サッカーなんて、そんなものさ。
ということでテーマだけれど、その先制ゴールが決まった後からのウルグアイの守備のやり方。
私は、1点差だから、まだまだ「最初のやり方」を変えるべきではない・・と思っていた。でも・・
そう、ウルグアイが「前から」行き始めたんだ。中盤でも、スペイン選手との間合いを、どんどんとタイトに詰めはじめたんだよ。
それは危険。何せスペインは、ブラジルと並び、カウンターの天才だからね。
そして案の定、ツボにはまったカウンターが決まって追加ゴールを奪われちゃったという次第。これで、ゲームの趨勢は完全に決まってしまった。
面白かったのは、その追加ゴールの後、ウルグアイの守備のやり方が、当初のプランに戻ったことだった。でも・・
そう、やり方をコロコロ変えるのは、とても危険なんだよ。何せディフェンスでは、本物の組織プレー(有機的なプレーの連鎖)が求められるわけだからね。
そして、一人が「行って」も、他のチームメイトが付いていかない・・なんていう、中途半端なディフェンスに終始するようになってしまう。
たしかに後半のウルグアイが、2点もリードされちゃったことで(!!)全体的に押し上げる(積極的に前から仕掛けていく)ようになったから、全体的なゲームの「見え方」は、動的に均衡していたようには見えた。
でも実際には、たしかにアクティブなせめぎ合いが展開されるゾーンが、よりスペイン寄りに移動してはいった。でも、実質的には、やはりスペインがゲームの流れを掌握していたんだよね。
何度、ウルグアイが押し上げてきたことで空いた後方のスペースを、強力なスペイン攻撃陣がカウンター気味に活用してチャンスを作りだしたことか。
ホントは、記者会見で、デル・ボスケ監督に対して、「あれだけ多く作りだしたチャンスを、効果的にゴールに結びつけられなかった要因はどこにあると思いますか?」なんていう、いつもの質問を投げようとしていたんだ。でも、手を上げるのが、ちょっと遅すぎた。フンッ・・
ということで、この大会でもスペインは、シャビ、イニエスタ、ブスケツ、ペドロ、セスクといった(バルサの!)中心プレイヤーのリードで、例によっての素晴らしい組織サッカーを展開していますよ。
わたしは、何としても、ブラジル対スペインを観たい。
時差ボケは、三日目が、いちばんキツイ。そう・・今日。もう寝よう・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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