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2013_国際親善試合・・前半と後半は、まったくの「別物ゲーム」になったけれど、その要因は?・・(オランダvs日本、 2-2)・・(2013年11月16日、土曜日)

これからドイツへ戻らなければならないのですよ・・

・・それに、昨日のイタリア対ドイツ戦を一緒に観戦したサッカーコーチ仲間の子供たちも、安全に送り届けなければならない・・ということで、例によって、気付いたポイントだけを短くまとめます・・悪しからず・・

・・まず、なんといっても、前半と後半のゲーム内容に、まさに雲泥と言えるほどの違いがあったというポイントでしょ・・

・・もちろん、ジャーナリスト連中からの質問も、そのポイントに集中していた・・

・・オランダ代表のファン・アール監督は、後半になって登場した攻撃的な選手・・香川真司と柿谷曜一朗による効果が大きかった・・と言っていた・・

・・そうかな〜〜・・

・・このゲームの前半では、とにかく、このまま終わっちゃったら(負けちゃったら)大変なことになると、感じていた・・

・・前半の立ち上がり5分間と、大迫勇也が「追いかけゴール」を流し込んでからの、前半残りの1分間だけは、とても良かったのに・・

・・私は、立ち上がりに日本代表がブチかました組織サッカーを観ながら、これは面白くなるゾ・・なんて期待を膨らませていたんだ・・

・・でも5分経ったあたりから、サッカー内容が、どんどん「減退」していったんだ・・そんなプロセスを観ながら、ちょっとアタマにきていた・・もちろん、「あんな先制ゴール」までブチ込まれちゃったこともあるよね・・ホント、アタマに来ていた・・

・・とにかく、ボールを「自分たち主体で」奪いにいくという「意志」がまったく感じられなくなっちゃったんだよ・・

・・それじゃ、オランダに、余裕をもってゲームの流れを支配されるばかりじゃないか・・

・・守備こそが、すべてのスタートラインなんだ・・そこでのプレー姿勢が「落ち着いて」しまったら、次の攻撃のダイナミズムに悪影響を与えちゃう・・そして攻撃の勢いが地に落ちてしまう・・そして実際に・・

・・それだけじゃなく、そんな気落ちさせられるゲーム展開がつづいていた前半39分にゃ、オランダのダイナミックなボールの動きから、最後は、右サイドのロッベンに、夢のようなカープシュートを決められちゃう・・

・・そのシーン・・ボールをもったロッベンに最初に対応したのは長友佑都・・でも直後に、長谷部誠も参加してきた・・そして・・

・・たぶん、ロッベンの「狡猾なワナ」もあったろうし、長友佑都と長谷部誠のアクションが、様々な意味合いで「重なって」しまったこともあったと思う・・

・・だから最後は、ロッベンの単純な切り返しに「二人とも」置き去りにされ、結局ロッベンに、シュートするスペースと時間的余裕を与えてしまった・・

・・そして、例によっての、天才的なカーブシュートが、日本ゴールの右サイドへ、見事に吸い込まれていったっちゅう次第・・

・・2対0・・それだけじゃなく、受け身で消極的なプレー姿勢もつづいている・・意志の爆発がまったく感じられない・・これじゃ・・

・・ホント、その時点じゃ、ものすごく気持ちが「萎えて」いったんだよ・・これ以上ないほどにね・・

・・でも、その5分後に、まさに「唐突」といえる感じで、日本が追いかけゴールを決めちゃう・・

・・この追いかけゴールシーン・・

・・そこでは、長谷部誠が、相手守備ブロックの視線と意識を「引きつけた」仕掛けドリブルをブチかましたことが特筆だったね・・だからこそ、タテパスをダイレクトでブチ込んだ大迫勇也も、微妙な間合いでフリーになれた・・

・・そして・・このゴールをキッカケに、日本のサッカーが、まさに(私の目には!)何倍もアクティブになっていった・・と,感じられたんだ・・

・・でも、前半の最後の1分くらいのことだったわけだからね・・後半は、どうなるか・・逆に、その興味が膨らんでいったんだ・・

・・でもサ・・ハーフタイムじゃ、落ちこんでいたよ・・

・・こんなサッカーしか出来ないのか??・・ホントに〜!?・・これじゃ、いままでの苦労も水の泡だぜ〜・・なんて・・とても「エキセントリック」に落ちこんでいたんだよ・・ホントだよ・・

・・試合後の記者会見では、ザックも、様々な要因で、日本のサッカー内容が揺動することを認めていたっけね・・だからこそ、ワールドカップの本番までに、完璧に「機能する」チームを構築しなければいけないんだ・・

・・そんな日本代表だったけれど、でも・・

・・そう・・後半の日本は、まさに「別物チーム」になっちゃったんだよ・・

・・とにかく、ボール奪取のプロセスが、ものすごく活性化した・・ダイナミックになった・・

・・そして、一人のチェイス&チェックが、チーム全体の「一体的な協力アクション」を呼び起こしつづけるんだよ・・

・・まさに、スーパーな連動性だ〜・・なんて、感動まで覚えていた・・

・・守備(ボール奪取プロセス)の内容が、そんなふうに、ダイナミックにアップしたんだから、次の攻撃の内容が、活性化していくのも道理・・

・・そう、どんどんとサポートが増幅していったんだよ・・

・・そして、ダイレクトパスが、3本、4本とつながり、オランダ守備ブロックの「意識と視線をフリーズ」させたことで、本田圭佑のスーパー同点ゴールが生まれた・・

・・そのシーンじゃ、世界の超一流ディフェンダー連中を、まさに、ボールウォッチャーにしてしまったんだ〜・・なんて、感動までしていた・・

・・そう、トリハダまで立った・・

・・そして2対2・・

・・さて、ここから、日本がどのようなゲームを展開できるだろう・・なんて、どんどんと、興味の対象が「深い広がり」を魅せつづけたモノだった・・

・・ホント、その時の気持ちは、「あのハーフタイムの落ち込み」は、一体何だったんだ〜・・なんて感じだった・・

・・スミマセンね、語彙が足りなくて・・

・・でもさ、ゲームの内容をしっかりと、深く、最高の集中力で「観察」しつづけていたからこその、大きな感動だった思ってくださいネ・・

・・もちろん、逆に、守りに入って、サッカー内容がズタズタになっちゃったら、どうしよう・・なんていう心配もしていたんだよ・・でも実際は・・

・・良かった、良かった・・

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・・ということで、最後に二つだけ、ポイントを付け加えたいと思います・・

・・一つは、後半のゲーム展開で誰もが確認したように、日本は、「あの世界の強豪」オランダを押し込み、サッカー内容でも凌駕したことについて・・

・・それって、冷静な事実を「反映」していたグラウンド上の現象だったのか??・・という疑問・・

・・私は、違うと思う・・

・・オランダの記者が質問していたけれど、デ・ヨングが後半になってから交替したことが、あんな後半のゲーム展開になったのでは??・・という視点はどうだろうか・・

・・たしかに、前半のデ・ヨングは、日本の組み立てを効果的に潰しまくっていた・・だからこそ日本の選手たちも、後方から押し上げていくのを「ためらう」ようになってしまった・・という視点もある・・

・・また、後半の日本は、縦横無尽に動き回る香川真司が入ったことで、前線の起点&基点が、大幅に増えた・・だからこそ、後方からのサポートも増え、そしてだからこそ、組織コンビネーションの内容も、何倍にもアップした・・

・・また、(大迫勇也も良かったけれど・・)彼に代わって入った柿谷曜一朗も、同じレベルのパフォーマンスで、攻守にわたって活躍した・・

・・そして、前半は、(後方からのサポートが薄く、孤立してしまった)本田圭佑が、デ・ヨングに潰されまくっていたけれど、後半は・・

・・そう、そのデ・ヨングだけじゃなく、前述した、日本代表の攻撃のメンツの攻守にわたるハードワークの内容がアップしたことあって・・本田圭佑のプレー内容(攻守の実行レベル)が、格段にアップした・・

・・ということで、後半の日本が魅せたスーパーサッカーは、両チームの、物理的、心理・精神的な変化がもたらしたと思うわけなのです・・

・・あっと・・だから・・

・・そう、「状況」が再びリセットされた状態で対戦したら、オランダが、「世界トップの実力を誇る強いチーム」だと再認識「させられる」に違いないと思うのですよ・・

・・でも、そんな、世界の実力チームであるオランダを、あれ程のサッカーで(後半のことだよ!!)凌駕できたことは、もちろん、これ以上ないほどの自信になるに違いない・・

・・後は、この後半のサッカーを、しっかりと編集し、(本田圭佑のゴールシーンを中心に!?)選手たちの自信をアップさせる「映像ツール」として活用しなければいけません・・

・・とにかく、この試合は、本物の心理ゲームであるサッカーの面目躍如ってなことになったけれど、それは、様々な「周辺ファクター」が集積したから・・

・・リセットされた状況では、オランダの本物の強さを、しっかりと体感させられるはずだ・・という事実を、再認識する必要があるとも思っている筆者なのです・・

・・ということで、だからこそ、この試合の後半に魅せたサッカーについては、日本代表は、本当の意味で、誇りに思っていい・・と「も」思うわけです・・

・・そして、最後になったけれど・・

・・選手交代が、前半と後半のゲーム内容を「別物にした」・・その要因の最大のモノが、選手交代だった・・という視点について・・

・・私は、その「変化要因」は、そんなに大きなモノではなかったと思っています・・

・・とにかく、選手一人では、「変えられるコト」に限界があるわけだからね・・

・・ということで、特に(前半の!)長谷部誠については、「仕方なかった・・」・・「まあ、こんなコトもあるさ・・」ってなレベルで考えるのが妥当だと思っているわけです・・

・・さて、これから、「子供たち」を迎えに行かなければいけません・・

・・ということで、火曜日のベルギー戦で、また〜・・

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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