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2013_J2_第34節・・とてもエキサイティングな仕掛け合いだった・・様々なテーマ(学習機会)が見つかった・・(ヴェルディvsジェフ、 1-0)・・(2013年9月23日、月曜日)

・・そうなんだ〜・・この敗戦で、ジェフは連敗ということになってしまったんだ〜・・

 とても良いサッカーを展開しているジェフだから、いまのランキングは「とても順当」だとは思う。でも・・

 良いサッカーではあったけれど、どうも、最終勝負での「最後の詰め」が十分じゃないと感じた。だから、監督の鈴木淳さんに聞いた。

 ・・この試合でのツートップですが・・あっ・・というよりも、攻撃の絶対的な武器という視点なのですが・・

 ・・要は、ケンペスのアタマというテーマなんですよ・・何度か、彼めがけて送り込まれたハイボールシーンを注意深く観察していたんですが、ヘディングの競り合いでは、ヴェルディー選手は、ケンペスに対して全くノーチャンスだと感じたんですよ・・

 ・・要は、ケンペスのアタマは、絶対的な武器になると感じたんです・・そんな武器をもっているジェフだし、リードされていたのだから、もっとガンガンとハイボールを放り込み、ケンペスがアタマで落としたところを狙う・・なんていう仕掛けイメージはなかったのですか?・・

 ホント、ケンペスはスピードがある。スピード&ダッシュ力があるということは、もちろんジャンプ力でも秀でているということ。

 実際、同じような体勢で、同時にジャンプしたヴァルディ選手よりも「アタマ一つ半」くらい飛び出していたからね。

 ハイボールがケンペスへ送り込まれシーンでは、スタンドのヴェルディファンから悲鳴が上がっていたよね。彼らも、ケンペスの「アタマ」を怖がっていたのです。だから、鈴木淳さんに、そんなことを質問したのだけれど・・

 でも彼は、「いえ・・それは・・ないです・・」と、つれない、つれない。

 もちろん鈴木淳さんは、組織コンビネーションを大前提にチーム戦術を組み立てているんだろうけれど、それでも、あのような「絶対的な武器」があるんだからね。それも、ヴェルディのリードを追いかけていた状況だぜ・・

 鈴木淳さんは、会見コメントでも、ボールの動きがよくなかった・・(組織コンビネーションでの)連動性が出てこなかった・・なんて言うのですよ。フムフム・・

 もう一度、確認しておくけれど、ジェフが作りだしたチャンスのなかで、もっとも危険なニオイを放散していたのは、何といっても、ケンペスがボールに絡ん だときだよね。それも、ヘディングの競り合いシーンの多くは、絶対的なチャンスになりそうな雰囲気をかもし出していた。でも・・

 鈴木淳さんは、とても優秀なプロコーチだと思う。だから、ちょっと、彼の発言の真意を、はかりかねていたんだ。

 もちろん、自分のサッカーコンセプトを曲げてまでも、「実利的なやり方」をブチかましていく・・なんていうのは、鈴木さんの意図するところではない・・というのなら分かるけれど。 フム〜!? 

 まあ、今度、機会があったら聞いてみよう。

 もしかしたら、彼の印象では、十分にケンペスのアタマを活用できていた・・だから、それ以上は、ステレオタイプになっちゃう(やり過ぎたら、ヴェルディに簡単に抑えられちゃう)・・なんていうことだったのかもしれないしね。

 ということで、対するヴェルディ。

 三浦泰年さんが言うように、とてもゲームの入り方がよかった。選手たちの、強い意志を感じた。

 それは、三浦泰年さんの「ゲームへの意識付け」がうまくいったことの証しだよね。彼らは、ゲームをしっかりと支配し、チャンスまで作りだした。でも・・

 そう、ヴェルディが、攻撃に人数を掛けていたことで、逆に、ジェフが繰り出すカウンター気味の仕掛けが、殊の外、危険なニオイを放っていたんだ。

 そう、森本貴幸とケンペスの勝負プレーが、仕掛けの流れのなかで、ものすごく効果的に(ヴェルディにとって危険なほどに!)機能していたんだよ。

 だから私は、人数を掛けてゲームを支配するヴェルディに対し、安定したディフェンスブロックから、タイミングよいボール奪取をベースに「必殺の蜂の一刺し」を繰り出していくジェフ・・なんていうふうに、彼らのゲーム戦術を「見立てて」いたんだ。でも・・

 そう、ホントは、違ったのかもね。単なる、ゲームの流れなかで自然発生的に起きた現象に過ぎなかった!?

 たしかに時間の経過とともにジェフの組織サッカーが、うまく機能するようになっていったわけだから・・。さて〜〜・・

 まあ、いいや。

 その他にも、三浦泰年さんと、「スリーバックでの、サイドエリアの徹底ドミネーション(支配)」とか、「高原直泰と巻誠一郎のツートップが、2人とも、 衛星プレイヤーとしてもポストプレイヤーとしても機能できることで、とても良いコンビじゃないか・・」なんていうテーマで対話をしたっけね。

 スリーバックでのサイドドミネーションというテーマだけれど、私は、サイドハーフ、サイドバック、そしてスリーバックのサイドプレイヤーの「トリオ」 が、タテ方向に、攻守にわたって効果的に絡み合うこと(効果的な、使い、使われる関係性!)こそが理想型だと思っているわけなのですよ。

 そう、浦和レッズの良いときが、まさに「それ」。

 でも、この試合では、スリーバックのサイドプレイヤーが、とても用心深かった。だから、両サイドともに、サイドハーフとサイドバックの「コンビだけ」が機能した・・という印象の方が強かった。

 その点について聞いたのです。

 ・・そうです・・私も、理想型は、そこにありと思っているのですよ・・でもこの試合では、ジェフのツートップは、とても危険な存在だった・・だから、攻守の素早い切り替えと効果的なディフェンス参加が、とても重要だと思っていたんです・・

 ・・そのことがあったから、この試合では、スリーバックの「サイドプレイヤー」は、そんな積極的に押し上げていかなかったということです・・

 フムフム・・

 また、高原直泰と巻誠一郎のツートップコンビについては・・

 ・・そうですね・・この試合では、とてもうまく機能していましたよね・・これからは、それも一つの効果的オプションと考えることが出来そうです・・で も、ウチには、若手も含めて、優秀なプレイヤーがいますからね・・これからも、様々な組み合わせにトライしようと思っているんですよ・・

 ・・要は、臨機応変に、もっとも効果的なコンビを模索しつづけるということですかネ・・

 ナルホド・・。

 とにかく、互いに仕掛け合う、とてもエキサイティングなダイナミックマッチではありました。

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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