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2013_J2_第7節・・山口素弘との対話・・風という自然条件と、選手の特長の活用というテーマ・・(横浜FCvsロアッソ熊本、 0-0)・・(2013年4月7日、日曜日)

この試合、コラムを書くかどうか迷ったけれど、ちょっと、「風」という自然条件的な要素と、選手の特長(ストロングポイント)という視点が面白そうな感じになったので、キーボードに向かうことにしました。

 「風という視点ですが、これだけ安定した方向と強さの風が吹きつづけた(ものすごい強風が、メインスタンドから見て、右から左へ、とても安定して吹きつ づけていた!)ことと、両チームともにパスをつなぐタイプのチームであることを考えたら、風下に立ったときの方が、うまくプレーが回るんじゃないかと思う のですが、山口さんは、どう感じていましたか?・・」

 そんな質問を、横浜FCの山口素弘監督に投げた。

 ちょっとニヤッとしながら、こんな(行間も含めた!)ニュアンスの内容をコメントしてくれたっけ。曰く・・

 ・・たしかに、風上のチームがリズムをつかめないという面白い現象があることは承知しています・・キックオフ前のトスで、ロアッソの吉田靖監督が風下を 選びましたよね・・多分その決断には、こちらが、田原豊をベンチスタートにしたことも関係しているんだと思っていました・・田原豊が登場してくる後半に風 下だと苦しい・・ってね・・

 ・・それに対して、後半われわれが風下だったら、田原豊のアタマをうまく使えないだろう(強風の風下から正確なハイボールを入れるのは難しい!?)って考えたのかもしれませんね・・

 ・・また、風下に立ったときのことですが、たしかに、向かい風の方が、組み立てプロセスで、より良い推進力を魅せられた部分もありましたよね・・まあ、うまく風を利用できれば、もっと有利にゲームを展開できたことだけは確かだと思いますよ・・

 そう、これは、とても面白く興味深い現象だったんですよ。

 両チームともに、風下に立ったときの方が、たしかに、より上手くゲームを組み立てられていたからね。少なくとも、前後半の立ち上がりの時間帯ではね・・

 前半は、風下に立ったロアッソ熊本が、ゲームの流れを牛耳る時間帯が多かった。逆に後半は、横浜FCの方がイニシアチブを握る時間帯が長くなった。でも・・

 そう、これもまた「面白い現象」だったんですが、時間の経過とともに、徐々に、風上チームの前への推進力(組み立ての内容!)がアップしていったんだよ。

 前半は、時間の経過とともに横浜FCが盛り返していき、後半は、逆にロアッソ熊本が、徐々に元気になっていった。

 要は、両チームともに、「風を、戦術的にうまく利用する・・」ということに、時間が掛かったっちゅうことなんだろうね。

 風によって、ボールの動きが、どのように(普段の感覚から)変わるのか・・ということを、感覚的に「つかみ」はじめたっちゅうことだと思いますよ。まあ、慣れね・・

 でも、人とボールをしっかりと動かして組み立てるプロセスでは、逆に、風の「抵抗」が、とても心地よいわけだよね。

 何せ、パスのタテ方向への勢いが、うまい具合に「殺がれる」わけだから・・。要は、タテのスペースで「ピタリと止まる」クレバーな組み立て&勝負パスを、より効果的に演出できちゃう・・っちゅうことです。

 フムフム・・

 そして、もう一つの視点が、選手の特長(ストロングポイント)の活用というテーマ。それについて、山口素弘に、こんな質問を投げた。

 「先ほど山口さんは、田原豊のアタマを積極的に活用することに対して、どちらかといったらネガティブなニュアンスのコメントをしていましたよね・・で も、この試合の立ち上がりのことですが、スピアヘッドで先発した黒津勝が、タテパスに反応し、相手センターバックと競り合ったシーンがありました・・」

 「そこでの黒津勝は、ホントに、鬼神のスプリントを魅せた・・何か、10メートル走ったら、相手を5メートル置き去りにしちゃうなんていう感じ・・あれ は、あれで、ものすごい武器じゃないですか・・相手ディフェンスが怖がる武器・・それを見せ球にすれば、必ず、相手守備ブロックは、警戒して組織バランス を崩してくると思うのですよ・・その意味で、もちろん田原豊のアタマも、同様です・・そんな、相手が怖がる武器を使わない手はないと思うのですが・・?」

 ちょっと質問が長くなってしまった。スミマセン・・

 そんな質問に、山口素弘は、例によって、とても誠実に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。曰く・・

 ・・私ですね〜、ロングボールという表現がスキじゃないんですよ・・何か、エイヤッ!の放り込み・・みたいな感じじゃないですか・・先ほどのコメントで は、田原豊のアタマの活用を否定したわけではなく、あくまでも、スムーズな組み立て(人とボールの動き)の流れのなかで、彼のアタマ「も」使うというイ メージなんですよ・・

 ・・その意味で、もちろん黒津勝のスピードだって、うまく活用しなければならないと思いますよ・・まあ、まだまだ改善は必要ですが、選手たちにしても、 そんなチームのストロングポイントについては、しっかりと意識しているはずです・・たしかに、黒津のスピードを感じたら、相手だってアタフタするに違いあ りませんからね・・

 ということで、なかなか面白い、山口素弘との対話でした。

 たしかに横浜FCは、まだ下位に低迷している・・ように見えるけれど、サッカー内容では、まったく悲観する必要はありません。まあ、時間の問題だね。

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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