トピックス
- 2013_ウルグアイ戦メンバーについて・・「強烈な意志」を内包するチーム再構築へ向けて・・(2013年8月8日、木曜日)
- ここ数日、コンフェデレーションズカップだけじゃなく、東アジアカップも、詳細にビデオを観察しています。
そして、ウルグアイ戦メンバー発表。
ナルホドと、うなづいていた。そしてザックのメンバー選出スタンダードに対しても、いつものように、アグリーしていた。
攻守にわたる組織サッカーイメージを絶対的なベースに、そこに、「使える個性・特長」がプラスされている選手。そして、チーム内ポジション争いの「バランスの取れた」レベルアップ。
ちょっと微妙だけれど、とにかくブラジル本大会へ向けて、「より強い意志」を内包する、競争力のあるチームの再構築という仕事に取りかかったっちゅうことでしょ。
フォーバックをベースにしながらも、臨機応変に、「より強力」に、サイドゾーンからも仕掛けていくためのスリーバックでも高い機能性を発揮できるチーム。
まあ、ワントップというやり方は変わらないだろうし、「大人のダブルボランチ」も基盤になるだろうね。もちろん、スリーバックとなったら、そのダブルボランチの一人が「トップ下センター」として機能することも含めて、臨機応変に対応する。
でも今回は、とにかく、豊田陽平と柿谷曜一朗にスポットを当てたい。そう、ワントップ。
この二人、タイプがチト違う。
豊田陽平に対しては、高さとスピードを武器に、ハイボールの、力強く、技巧的な「処理」による効果的ポストプレーや、スペースへの走り抜けによる、ボールがないところでのピンポイント勝負(シュート)を期待する。
それに対して柿谷曜一朗に対しては、何といっても「個の勝負」を期待する。もちろん彼にも、ポストプレーや、ボールがないところでの動き(組織コンビネーションでのウラ突きのピンポイント勝負など)も期待するけれど、やはり彼には、個の勝負を期待する。
これまで彼の組織プレー内容に対して厳しい指摘をブチかましつづけてきたけれど、この頃の彼は、攻守のハードワークにも精進している(アリバイではなく意志が感じられる)ことが明確に感じられるようになっている。監督のレヴィー・クルピに、拍手。
柿谷曜一朗の個の勝負には、スペースへ動きながらパスを受け、そこからスピードを落とさずに個の勝負を仕掛けてくという「流れのなかのドリブル勝負」だ
けじゃなく、これが本物の「個の勝負」ということになるのだけれど、止まって正対した状態から、目の前の相手ディフェンダーのウラを突く(その彼を置き去
りにしてしまう)という、本物のドリブル勝負を期待したい。
彼には、それが出来るだけの才能が備わっている。
繰り返しになるけれど、ザッケローニが、そんな彼の「個の才能」に期待できるようになった絶対的なバックボーンは、彼の、攻守にわたるハードワーク(組織プレーに対する意識)の量と質のアップなんだよ。
もちろん、もし彼が「ディエゴ・マラドーナ」ならば、チームの誰も、そんなチームプレーなんて期待せず、彼のために(彼の才能をうまく活用して成功するために!)自らすすんで、2倍のハードワークに勤しむでしょ。
その方が、より多くのカネが稼げるんだからね・・
ホントに、サッカーには、千差万別の「ケース」があるよね。あははっ・・
ということで、ワントップというポジションでも、様々なオプションを高い実効レベルで「装備する」ことに対しても、本格的に取り組みはじめたザッケローニというわけです。
大人のダブルボランチ(遠藤保仁と長谷部誠)のポジションだけれど、彼らのバックアップとして、高橋秀人に加え、青山敏弘と山口螢を追加したことも、とても良いチーム作りプロセス(チーム内の刺激関係の活性化!)になると思うね。
でも、まあ、「大人のダブルボランチ」は、現在のチームの屋台骨だから、簡単には「そこ」をイジるようなことはないとは思うけれど・・。
それにしても、東アジアカップ韓国戦での、青山敏弘から、決定的スペースへ走り抜けた柿谷曜一朗へ送り込まれた「ロング・ラストパス」は見事だったね。
「そんなスーパーなタテの関係性」も、大人のダブルボランチにとっては、新鮮な刺激になったに違いない。
あと、何度もお薦めしてきたFC東京の森重真人が選ばれたことも、嬉しい限りでした。
吉田麻也、今野泰幸、伊野波雅彦と並び、国際的にも通用するチカラのあるセンターバックだと思いますよ。
さて、ブラジル本大会へ向けた「本格的なチームの再構築」がスタートした。
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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