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- 2013_親善マッチ・・光と影を体感できたという意味で、まあまあの準備マッチだったですかね・・(カナダvs日本、1-2)・・(2013年3月23日、土曜日)
- どうも皆さん、試合後、一旦ベッドに入り、早朝にゴソゴソと起き出してキーボードに向かっています。
この親善マッチについては、ちょっとモティベーションが上がらず、まず寝てから簡単にまとめることにしようと思った次第。鉄は熱いうちに打て!? いや、どうも、鉄が熱くならなかったんですよ。
ゲームの総評だけれど、まあ、こんな感じ・・
・・「強い」日本が相手ということで、若手に切り替わり、モティベーションも充実していたに違いないカナダ代表は、ガンガンと積極的に「前からボールを奪いにきた」・・要は、ガンガンとプレッシング守備を仕掛けきたっちゅうわけ・・
・・そのプレッシングは(ボール奪取プロセス)は、とても洗練されていたよ・・忠実なチェイス&チェックを基盤に、チーム全体が、流れるように、次、その次と、守備アクションを連動させていく・・
・・この試合のテレビ中継のカメラワークは、しっかりと「引いて」いたから、カナダ守備のアクション連鎖が、手に取るように観察できた・・
・・逆に、それに対する日本の人とボールの動きが、イマイチ・・だからカナダも、チェイス&チェックと集中プレス、次、その次のインターセプト(相手トラップの瞬間を狙うアタック)などを、効果的に機能させられていた・・
・・そしてカナダは、スパッ、スパッていう小気味よいサウンドを響かせるように、鋭いパスを回してくる・・とても、モダンな発想の「組織サッカー」・・そして最後は、そんな組織コンビネーションと個人勝負をうまく組み合わせてスペースを攻略しようとする・・
・・たしかに、カナダの「動き」は、人とボールがうまく連動している・・とはいっても、そこは日本代表の守備ブロックだからね・・そう簡単には、スペースを使わせない・・
・・要は、百戦錬磨の日本代表の守備ブロックが、肝心な勝負所(カナダの仕掛けプロセス)で、しっかりと読みを効かせたインターセプトでボールを奪い返しちゃうっちゅうこと・・
・・その読みは、カナダの組み立て段階でも、うまく機能していた・・カナダは、しっかりと人とボールを動かすけれど、肝心なところのパスが(その共有イメージ)稚拙なんだな・・
・・だから、日本が、とても効率的、効果的にボールを奪い返しちゃうのです・・
・・それは、もちろん次の、とても危険なカウンター&ショート・カウンターを意味する・・ということで、日本が作りだしたチャンスのほとんどは、長谷部誠と遠藤安仁で組む『大人のダブルボランチ』が中心になった(ショート)カウンターだった・・
・・要は、日本が、ゲームを「支配」していたわけではないということです・・もちろん、チャンスの量と質という視点では、実質的にはゲームを牛耳っていたと言えるけれど・・
・・そう、全体的にはカナダがボールを保持し、逆に、効果的、効率的にボールを奪い返した日本代表が、大人のダブルボラランチを中心に、蜂の一刺しのカウンター(ショートカウンター)を仕掛けていくっちゅうゲームの全体的な構図だったんですよ・・
・・ということで、チャンスの量と質では、日本が圧倒していた・・だから、最小得点差での勝利は、いただけない・・選手たちも言っていたとおり、もっと、もっと、チャンスをしっかりとゴールに結びつけなければいけなかった・・
そんな「総評」だけれど、このゲームを観ていて、こんな印象「も」もった。そう、ヨルダン戦へ向けての『イメージ仕上げマッチ』という性格。
要は、アンマンで行われるヨルダンとの勝負マッチでは、相手のヨルダンがガンガン前へくるに違いないから、その勢いを余裕をもって「受け止め」、必殺カウンターで仕留める・・というゲーム戦術的なイメージで試合に臨んでいくということです。
まあ、聞くところによれば、ヨルダンのグラウンドは、そんなに良い状態ではないらしいから、そんな状況でゲーム支配に奔(はし)ったら、逆にやられてしまう危険も大きくなるよね。
とにかく、それでも何度かは、日本らしい積極的なゲーム支配から、組織コンビネーション主体で相手のウラの決定的スペースを攻略するようなシーンも演出した日本代表。
決勝ゴールのシーンでは、いつもの人とボールの鋭い動きで、効果的にウラのスペーを攻略したしね。そんな、「いつもの」組織コンビネーションを観ながら、「まあ・・大丈夫でしょ・・ヨルダン戦では、立派に本戦出場を決めてくれるに違いない・・」なんて思っていた。
まあ、カウンターや組織コンビネーション、はたまたセットプレーでもチャンスを作りだした「この試合」については、こんなところですかね。とにかく、火曜日の勝負マッチが楽しみです。
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ところで・・、ソフト・バンクの「スマホ向け動画配信サイト」でも連載をはじめたんですよ。
ソフト・バンクの、「スポーツ LIFE」というサイト。そのなかの「海外サッカー」での連載のはずです。まあ、一度のぞいてみてください。
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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