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2013_ヨーロッパの日本人・・香川真司・・(2013年4月18日、木曜日)

またまた同じ書き出しから・・いいね〜、香川真司・・

 とにかく、彼自身の、攻守にわたるアクションラディウス(動きとプレーの内容)が大きく、とても大きく高揚していると感じる。

 そんな香川真司を観ていれば、チームのなかにおける彼の(イメージと実質的な役割の)ポジショニングが大きくアップするのも道理・・ってな具合になるのも理の当然と感じる。

 まさに、マンUデビュー戦での活躍がウソや幻でなかったことを再認識できる!? あははっ・・

 このコラムは、実質的に「2日半」を置いて行われた二つのアウェー戦。ストークシティーとウエストハム戦を観てから書いています。

 香川真司は、本当に、攻守にわたって、とてもクリエイティブで実効レベルの高い組織プレーを展開した。

 興味ぶかかったのは、この二つのゲームで、アレックス・ファーガソンが、ちょっとタイプの違うポジショニング(&タスク)バランスを採用したこと。まあ、相手の特長を踏まえての「ゲーム戦術」ということだろうね。

 要は、ストーク戦では、ツートップでスタートし、ウエストハム戦では、ファン・ペルジーのワントップにしたっちゅうことです。

 もっと言えば、ツートップのストーク戦では、中盤カルテット(四人)ということでゲームに臨み(まあキャリックが、中盤アンカー的なイメージですかネ)、ウエストハム戦では、明確に守備的ハーフを2枚にし、攻撃的ハーフに「3枚のライン」を形成させた。

 アレックス・ファーガソンが、ウエイン・ルーニーを、センターハーフで使いたい・・的なニュアンスの内容をコメントしていたということだけれど、やっぱり彼は、ルーニーを、スコールズの後継にしたいと思っている・・!?

 でもウエイン・ルーニーには、いまでも移籍の噂が絶えない。

 とはいっても、彼が、マンUで、自分が満足する(より自分を高められる!?)チーム内タスクを見出したら・・そして、マンUが、チームとして、再び欧州トップに上り詰められることに対する確信レベルがアップしたら・・!? フムフム〜・・

 まあ、希望的観測だけれど、今のルーニーにとって(彼の人生にとって)もっもと大事なコンセプトが、マズローの言うところの「自己実現」であって欲しいと願う筆者なのですよ。

 何せ、いまのルーニーと香川真司が奏(かな)でる「素晴らしいイメージコンビネーション」は、これからもずっと観ていたい・・と思わせるコンテンツを内包しているからね。フムフム・・

 あっと・・脱線・・。ということで、ゲーム戦術的なプレーイメージの形成。

 選手たちは、それに基づいたベーシックなポジショニングとタスクのイメージをもってプレーするのです。

 でも、原則(目標イメージ)は変わらない。人とボールをしっかりと動かすことで、相手守備ブロックのスペースを効果的に突いていく・・

 マンUが(アレックス・ファーガソンが)そんな組織サッカーを志向しているからこそ、香川真司が、とても素敵にインテグレートされる(その組織プレーの流れのなかに効果的に組み込まれる)というわけなのです。

 とにかく、攻守にわたる動きの量と質がハンパじゃない。パスを受けるフリーランニングが良い。マークする相手との間合いを、スッ、スッという素早く、大きな動きで空けてしまう。

 そして、例によっての、正確で巧みなトラップで、素早くボールをコントロール下に置いてしまう。

 もちろん、事前にイメージが出来ていれば(味方フリーランナー=味方パスレシーバーとのイメージを共有できていれば)、ダイレクトでパスを「はたき」、間髪を入れないパス&ムーブで次のスペースへ動いてリターンパスを受けたりする。

 とにかく、その視点でも、ウエイン・ルーニーとの信頼関係が厚いと感じるね。お互いにレスペクトし合っている。

 また一旦ボールを止めるような場面でも、マークする相手の動きを明確にイメージできているから、スッと、ワンタッチでボールの「位置」を少しだけ移動させ(相手との間合いを空け)、そこから、例えばルーニーを介して、素早く次へ展開していったりする。

 マークする相手が、香川真司のトラップの瞬間を狙ってアタックしようものなら、ほとんどのケースで、そのアタックアクションの「逆を取られて」しまう。だから相手も、おいそれとアタックを仕掛けられない。

 そして香川真司は、ボールコントロール「的」なドリブルで、相手守備ブロックに「対応する動き」を誘発させ(要は、スペースを作り出すようなドリブルだね・・)、そこへ味方を誘導して、とても「優しい」パスを置いたりする。

 まあ、そんな香川真司のアクション(イメージ)については、組織的な展開プレーとか組織コンビネーションのコアとか、いろいろな表現の仕方があるよね。

 とにかく、そんな香川真司の組織プレーの「イメージ」が、チームメイトたちの脳裏に深く浸透しはじめたことで、ルーニーをはじめとする、周りのパスレシーバーたちとのコンビネーション(イメージのシンクロレベル)が、どんどん良くなっていると感じられるわけです。

 チームメイトにしても、「シンジにボールを預けて走ったら、かならず、次の、もっと良い状況で再びボールを持てる・・」と確信している。

 まあ・・特に、ウエイン・ルーニー・・あ、ちょっとしつこいか・・あははっ・・

 ここで、ちょっと視点を変えて、前回コラムでも書いたけれど、香川真司が「本格的なドリブラー」ではないというディスカッション。

 たしかに、流れるような「動きのなかで」、良いカタチでパスを受けたら、危険な突破ドリブルや、スペースを効果的につなぐドリブルをブチかませる。

 でも、パワーとスピードに(もちろん体格的にも!)優る本場のディフェンダーと、止まって「正対」した状態から「動きを作っていく」のは、そう簡単なことじゃない。香川真司にとってもネ。

 だからこそ彼は、動きのなかで(タテのスペースへ走り込んだ状態で!)パスを受けることに執心するんだ。

 そんな「良いカタチ」でボールを持てれば、もちろん「そのままの勢い」で突破ドリブルを仕掛けられるし、自らシュートまでいける。そう、ウエストハム戦での二つの同点ゴールシーンで抜群の存在感を光り輝かせたように・・ネ。

 それこそが、組織プレーと個人勝負プレーの「高質なコラボレーション」っちゅうわけさ。

 またまた視点を変え、今度は香川真司のディフェンスについても一言。

 とにかく、粘り強くなった。

 これまでは、一発勝負ばかりにご執心だったからね。状況とタイミングさえ合えば、もちろん美しいインターセプトや、アタック&ボール奪取を魅せられた。でも逆に、タイミングが合わないケースでは、置き去りにされてしまうことも多かった。

 そんな「一発勝負屋」的ディフェンスが、このところ、とても粘り強い方向へ改善されていると感じるのですよ。

 自分が「汗かき」に徹することで、次の味方がボールを奪い返せるようにするイメージでチェイスするとかね。

 良い、良い・・

 ところで、先日のマンチェスター・ダービーで、香川真司が、残り数分「しか」出場しなかった件。

 ファーガソン監督が、「とかくダービー戦はハードな肉弾戦的なゲームになる・・そこではシンジの特長は活かされないしケガの心配もある・・」的な発言をしたとか。

 そんな「ハードなダービーマッチ」については、まあ、分かるね。そのことを考えたとき、すぐに、グラスゴー・ダービーを思い浮かべた。

 そう、セルティック対レンジャーズ。ものすごい肉弾戦「的」な雰囲気になることが多かった。

 そこでは、「あの」中村俊輔も、そのハードな雰囲気に「呑み込まれ」、うまくプレー出来ないことも多かったよね。

 周りのチームメイトたちは、ものすごいハイテンションで、「前へ・・前へ・・」って行っちゃうし。中村俊輔も、普段よりもハードなアタックを受けていた。

 まあ、最初の頃は、そんな「形相の違う」雰囲気に、ちょっとビビッたところが、なきにしもあらずだった・・!? スミマセンね、中村さん・・

 そんな以前のコラムを読み返していた筆者なのでした。ではまた・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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