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- 2013_ヨーロッパの日本人・・唐突ですが、香川真司と吉田麻也・・(マンUvsサウザンプトン、 2-1)・・(2013年1月31日、木曜日)
- このところ、ソフトバンクのスポーツLIFEというスマホ向けサイトでの連載スタートなど、他のプロジェクトが重なっていることもあって(また「J」のシーズンオフということもあって・・)ご無沙汰しちゃいました。
ということで、例によってチト唐突ですが、香川真司と吉田麻也が「直接対決」した勝負マッチじゃ外せない・・ってなノリで、キーボードへ向かった次第。
香川真司については、ケガから復帰してから、ちょっと心配の方が先に立っていた。
でも、ここにきて、徐々に調子が上がっていることを明確に認識できるようになってきた。だからこちらも、心落ち着けて観戦できるようになった。
調子アップの要因は、何といっても、『攻守にわたる!!』ボールがないところでの動きの量と質が高揚していることだよね。
それが自信につながっている。だから、ボールがないところでの創造的なプレー内容もアップし、良いカタチでパスを受けられる。だから、より効果的な組み立てプレー(展開パス)を魅せられるだけじゃなく、ダイレクトコンビネーションでも中心的に機能できる。
そんな香川真司の調子アップのバックボーンは、何といっても、守備にあり。とにかく、より忠実にディフェンスへも参加するようになった。もちろん、参加
するだけ(ぬるま湯の姿勢)じゃなく、汗かきハードワークも、決してサボらない。だから、効果的なボール奪取を、より頻繁に魅せたりしちゃう。
そんな香川真司だから、「タテ方向のパートナー」である左サイドバック、エヴラも、積極的にオーバーラップをブチかませるよね。そう、香川真司は、エヴ
ラとの「タテのポジションチェンジの演出家」としても、うまく機能できるようになっているんだよ(まあ後半は、右サイドへ移動してジョーンズとのタテの関
係になったけれど・・)。
そんな香川真司だから、チームメイトたちが、積極的にパスを「付ける」ようになるのもうなづける。とにかく、チームメイトたちが香川真司を「探している雰囲気」が、より明確に感じられるようになっているんだ。良い、良い・・
そんなシーンを観るたびに、彼のプレミアでのデビュー戦を思い出す。
そこでは、ほとんど全ての「仕掛けの流れ」が、香川真司を中継していたっけね。とにかく、面白いほど彼にボールが集まり、そして(相手にとって)危険な
カタチでボールが散っていった。そう、まさに、クリエイティブな「ボールの動きの集散」が、香川真司を中心に動きつづけたんだよ。
たしかに「それ」は、とてもエキサイティングな現象だったし、観ているコチラも目を奪われ、期待に胸が膨らんだものだ。でも・・
そう、その後は、徐々に、香川真司を中心とする「ボールの動き」が・・、その量と質が微妙にダウン傾向に入っていったんだ。
その現象には、香川真司のプレーイメージが、自分にボールが集まる・・という感覚に支配され「過ぎるようになってしまった」という側面もあるし(だから
止まって足許パスを待つという現象が増えた!?)、チームメイトの(特に、ドリブラータイプの!)中盤からの個の勝負が前面に押し出され過ぎる傾向がつづ
いた・・という背景もある。
また、イングランド代表でもある「中盤の働き蜂」クレヴァリーが、香川真司のアクション・ラディウス(行動半径)を浸食していった・・なんていう背景があったのかもしれない。
でも、まあ、それも、これも、結局は自業自得。とにかく、彼は、もっともっと、攻守にわたるハードワークに「も」心血を注がなければならなかったんだよ。
そして香川真司は、たぶん・・、自分自身の不満の原因がどこにあるのかについて試行錯誤しはじめ、より積極的に自分なりにチャレンジしはじめたと思う。
ここが大事なんだよ。周りのアドヴァイスも聞かなければならないけれど、結局は、自分自身が考え、行動するという試行錯誤プロセスを積極的に(主体的に)展開していかなければ何もはじまらないんだ。
この、「主体的に考え、トライを繰り返す・・」という積極的なアクション姿勢こそ、サッカー選手にとって、もっとも重要な資質なんだよ。それは、決して、何らかの強制力などでは育たないよね。
あっと・・、そして香川真司が、そんな悩みプロセス(心理的な悪魔のサイクル!?)から、徐々に解放されていくことになるんだ。
この試合でも、「とにかく、まず攻守のハードワークからゲームに入っていくぞ・・」というプレー姿勢が目立ちに目立っていた。
左サイドのポジションを基盤に、チャンスとなったら、ガンガンと中央ゾーンの「穴」へと走り込んでいったりする。
だから、最終勝負シーンでも、良いカタチでボールに触れる。
同点にした後の前半10分に、ルーニーからのヒールパスを、左足で「左ポスト直撃シュート」を放ったり、前半30分には、これまた中央ゾーン(スペー
ス)へ入り込んでルーニーからのダイレクトパスを受け、それを(自分が中央へ入ったことで空いた左サイド)にフリーでポジションしていたファン・ペルジー
へ素晴らしいラストパスを展開したシーンもあった。
それも、これも、忠実なハードワークの賜物なんだよ。そして、そんな成功体感が自信を増幅させ、攻守にわたるハードワークの量と質をアップさせ、実効あるクリエイティブな勝負プレーも充実させる。
そう、ポジティブな創造性サイクル。いいね、香川真司。期待が高まるよ。
はい、ということで、吉田麻也。とても良かったですよ。彼に対する期待値も高揚しつづけています。
年初にはサプライズの(ショッキングな!?)監督交代もあったけれど、チームは上り調子を維持できているようだしね。たしかにまだ下位ではあるけれど(まだまだ降格圏!)、彼らのサッカー内容を観ていると、もっともっと「出来る」と思えてくる。
だからこそ、吉田麻也のプレー内容も、より充実していく・・
彼の場合は、何といっても、『読みベース』の忠実なポジショニングと先読みアクションが秀逸だよね。
もちろん、1対1でも強さを魅せる。まあ、とはいっても、前半40分には、中途半端なチェックへいったことで、簡単にウェルベックに外され、決定的な
シュートを打たれるなんていう「体たらくシーン」もあったけれどね。そこでのマーキング&チェックプレーは反省材料ということです。
また、香川慎司のダイレクトスルーパスから、タイミングよく走り込んだウェイン・ルーニーに同点ゴールをブチ込まれたシーン(前半8分)でも、ボールへ
いくのか(香川真司を押さえに入るのか)、走り込むウェイン・ルーニーをマークするのかという、最終勝負での「微妙な判断」についても評価は分かれるよ
ね。
もちろん、「あの」シーンでは、吉田麻也の背後にいた、5番のヨース・ホーイフェルトが、ルーニーをマークしなければならなかったわけだけれど・・
とはいっても、全体的なプレー内容は、立派だった。その効果的な予測に基づいたマーキングやカバーリング(これこそ想像&創造力!!)があるからこそ、彼の足の速さが生きる(相手よりも先にボールに追い付く・・)・・なんてね。
そして、言わずもがなだけれど、吉田麻也がボールをもったときの、確実でスキルフルなボールコントロールによる落ち着きと、パス展開力(確実なパスや創造的なロングフィード等など)も、彼の魅力だよね。
結局ホームのマンUが勝利を収めたけれど、サウザンプトンもまた存在感を魅せた。とても良いゲームだった。
サウザンプトンについては、2001年10月に、そのスタジアムでナイジェリア代表と行ったテストマッチのことを思い出しまっせ。嵐の中のゲーム・・その後、四苦八苦でロンドンへ帰り着いたこと・・思い出します。そのときのコラムは「こちら」。あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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