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- 2013_「J」_審判講習会・・シミュレーションの根絶は、選手たちの意識によるしかない!?・・(2013年2月18日、月曜日)
- 先ほど、JFAハウスから帰宅しました。審判に関するメディア・カンファレンス。
そこでは、下記のようなテーマが取りあげられました。ランダムに・・
・・例えば、プレーを切らないことに対するプレイヤーの意志の高揚・・要は、簡単に倒れない粘り強い「タフなプレー」を心がける姿勢・・また、ジェス
チャーも含む、無益な「異議」をつつしむ態度の徹底・・スピーディーな展開(ファール後のリスタートを早く!)と遅延行為の根絶・・
・・例えば、フェアな「ウデの使い方」・・フィジカルコンタクトの意味合い・・正しいチャージと、ファールチャージに対する意識の高揚・・ホールディングに対する正しい理解・・
・・そして、もちろん・・相手に対するレスペクトも含む、フェアプレー精神の高揚・・相手のケガにつながるようなラフプレーの根絶・・等など・・
それらのテーマについて、毎年おこなわれる審判カンファレンスにおいて、プレイヤー(現場)とレフェリーの共通理解を深めるっちゅうわけです。
さて・・
一つ、ものすごく大事なテーマが抜けていると思いませんか? そう・・シミュレーション・・
このテーマについて、いくつかのシーンが編集されたDVDを見せられました。そして、とても暗〜い気持ちにさせられた。
もちろん、このテーマについては、プレイヤーの意識を高めるだけじゃなく、事後的なビデオチェックと、それに基づいた厳罰化などなど、さまざまな意見が交わされた。
そこで、シミュレーションという現象について、それを行う選手の意識について、思うところを意見をしちゃったんですよ。
司会は、2006年ドイツワールドカップで、世界中に、ジャパンレフェリーの質の高さをアピールしてくれた上川徹さん。
あっと・・
上川徹さんについては、毎年ドイツで行われる、ドイツ(プロ)サッカーコーチ連盟主催の国際会議で、何人もの、ドイツサッカー界の重鎮から、「あのレ
フェリーに、よろしく伝えてくれ・・とにかく素晴らしいゲームコントロールだった・・グラウンド上の、不満マネージメントも含めてネ・・」って頼まれてい
たんですよ。
でも、機会がなく、その言葉を伝えるのが今日になってしまった。「それは、ご丁寧に、ありがとうございます・・」と、あくまでも謙虚で、礼儀正しい上川徹さんでした。
ところで、上川徹さんが高く評価されたゲームコントロール(グラウンド上の不満マネージメント)とは、もちろん、2006年ドイツワールドカップ三位決定戦、ドイツ対ポルトガルのことだよ。
上川徹さんは、この試合で主審を務め、素晴らしいゲーム(心理)コントロールを魅せたんだ。わたしも明確に思い出すけれど、ホント、素晴らしい「さばき」だったぜ。
あっと・・またまた脱線。ということで、会場で、「ハイッ!」と手を上げてしまった筆者だったのです。そして、こんなニュアンスのことを主張してしまったんだよ。曰く・・
・・1990年イタリアワールドカップ決勝トーナメント1回戦で、西ドイツとオランダが当たった・・そのとき、ルディー・フェラーが、フランク・ライカールトが伸ばした足に、引っ掛かったように「見せ掛け」てファールを取ったんだ・・
・・もちろんフランク(ライカールト)は、伸ばした自分の足が、ルディー(フェラー)の足を引っかけていないことを知っている・・だから怒ってルディーに詰め寄った・・
・・そのとき、ルディーから、人種差別的な罵(ののし)りがあったらしい・・そこでは、まあ押し分けられたけれど、その別れ際、フランクが、ルディーにつばを吐いてしまった・・そのシーンは、全世界のテレビ視聴者が観ていた・・フ〜〜ッ・・
・・そして、そのことが原因で、ゲーム全体が、険悪な雰囲気につつまれてしまっただけじゃなく、この二人の「ぶつかり合い」はエスカレートするばかり・・そして行くところまで行ってしまったと判断した、レフェリーが、この両選手に対してレッドカードを突きつけたんだ・・
・・もちろんルディー・フェラーは、自分が原因をつくったことを知っている・・だから、ある程度の時間が経ってから、フランクに対して謝罪し、それが受け容れられたらしい・・もちろん、その事実は報道されなかったよ・・
・・その後、ルディーのプレーからは、シミュレーション的なニオイは、一切消えた・・また彼の周辺からも、シミュレーションに対するネガティブな雰囲気が振りまかれるようになった・・
・・要は、シミュレーションは、そのシーンに関わった選手たちには、明白な事実として残るということ・・だから欧州プロ選手たちのなかでは、自制するという雰囲気が主流だよね・・まあ、以前からね・・
・・何せ、シミュレーションをやるヤツは、その人間性が問われるし、誰からも「人間として」レスペクトされるはずないから・・
・・だから日本でも、協会(審判委員会)や「Jリーグ」が主体になって、その影響メカニズム(シミュレーションをすることで何が起きるのかを!)を、しっかりと選手たちに認識・理解させることが重要だと思
う・・そりゃ、そうでしょ・・シミュレーションを積極的にやるヤツは、蔑(さげす)まれるし、そんなことは誰も望んでいないはずだから・・
参加者のみなさん、スミマセン・・。ちょっと声高に主張し過ぎてしまったかもしれない。
でも、このテーマについては、ドイツでの国際会議でも(プロのなかでも)いつも隠されたテーマとして意識されていることだけはご理解いただければ幸いです。
その会議には、ヨーロッパ全土から、各国のサッカー界をリードする強者どもがあつまってくるからね。どの国でも、やっぱり、このテーマについては、選手が主体になって取り組んでいくことが重要だと理解されているんですよ。
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ちょっと蛇足気味だけれど、ヨーロッパの日本人についても簡単に・・
まず何といっても、長谷部誠。よい「闘い」を披露したと思いますよ。
まあ、結局は、バイエルンに実力負けしちゃったけれど、彼ほどの「スーパーな意識と意志」にあふれた個人事業主だから、わたしは、まったく心配していない。とはいっても、監督との「相性」もあるから・・ネ。
とにかく、継続こそチカラなり・・だぜ、言うまでもないけれど。ガンバレ〜、長谷部〜・・
長友ちゃん・・
こちらも、チームの結果とは関係なく、彼自身のパフォーマンスは、とても良かったと思いますよ。とにかく、彼のプレー内容は、高みで安定しまくっている・・からね。
あと、ニュルンベルク対ハノーファー96もあったね。こちらのビデオは、まだ観てない。スミマセン・・
清武弘嗣と酒井宏樹はフル出場。移籍したばかりの金崎夢生も途中からブンデスリーガデビューを果たしたとか。後で、楽しむことにします。
次は、何といっても、UEFAチャンピオンズリーグ。アーセナル対バイエルン、ACミラン対バルセロナは外せない。さて〜〜・・
スミマセン、ものすごく乱筆、乱文。読み返しません。ではまた・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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