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2013_UCL・・これから外出・・その前にショート&ショートレポートを・・(バルセロナvsミラン、 4-0)・・(2013年3月13日、水曜日)

すごかったネ〜・・これぞ、ギリギリの勝負マッチ。

 展開は、もちろん、ミランが守備ブロックをカチッと固め(そのようなタイプの選手を先発させた!)、バルセロナが、なんとか「穴」を作りだそうスペースを狙う。

 もちろんミランは、次、その次と、バルサの人とボールの動きを予測しながら守備アクションを連動させる。そこでは、決して「深追い」することはない。要は、ボールを積極的に奪いにいくのではなく、あくまでも、我慢、我慢のディフェンス・・ということ。

 これは、難しいナ〜・・なんて思っていたら、唐突に、メッシの、メッシたる所以・・なんていうスーパー先制ゴールが飛び出しちゃうんだよ。

 ミドルシュート。これぞ天才!・・っちゅう、「小さく鋭い」トラップで、一瞬ボールを左に動かし、間髪入れずにシュートを放った。それが、ミランゴールの左上角に決まっちゃう。

 これで、バルサの「1-0」のリード。でも、ミランの「やり方」はまったく変わらない。固めて・・慎重に、我慢を重ねながら受ける・・。

 そして、そんなミランのやり方が功を奏しそうになる。そう、一発カウンター・・。センタートップのニアンがフリーで飛び出し、そのままGKと1対1で シュートを放つんだ。誰もが決まったと思った次の瞬間、シュートされたボールが、バルサゴールの左ポストを直撃しちゃった。

 この、これぞミランのゲーム戦術・・っちゅうカウンターが決まっていたら、まあ、その時点で勝負の趨勢は・・

 この、バルサにとっての絶対的ピンチは、前半38分のことだった。そして、その1分後にコトが起きてしまう。そう、メッシの追加ゴールが決まるんだよ。

 中盤で、ミランのカウンターを阻止した(ボールを奪い返した)イニエスタから、メッシへタテパス1本。例によっての「天才トラップ」から、ミドルを決めた。

 この、トラップからの一瞬の落ち着きと、相手ディフェンダーが飛び込んでくることを完璧にイメージして放ったシュート(イメージ通り、飛び込んできた相手ディフェンダーの股間を抜いた!!)。

 これでバルサが「2-0」のリードを奪った。要は、勝負が、振り出しに戻ったんだよ。

 ここからの展開こそが、見所だった。ミランが、どのように動いてくるか・・

 案の定、ミランの重心が、徐々に「前へ」移動しはじめるんだ。とても微妙な「動き」。でも、たしかに、ミラン選手たちの「意識」は、前へ引っ張られはじめた。

 ミラン選手たちだって、世界の天才の集合体だからね。意地とプライドがある・・だから少し、攻めへの意識が出てきたっちゅうことです。

 そんな流れは、後半の立ち上がりから、どんどん加速していく。そう、ミランが、より高い位置でボールを「奪いに」くるようになったんだよ。

 こうなったら、バルサのものだよね。そんな流れのなかから、完璧なカウンターの流れから、メッシがドリブルで飛び出し、シュートまでいっちゃう。

 そして、ミラン選手たちが、ハッと目覚める。そう・・「行き過ぎ」たら、確実にしっぺ返しを喰らう・・。

 その「刺激」によって、再びゲームが、「戦術マッチ」へと、戻っていったんだよ。でも、その数分後に、勝が決まってしまう「コト」が起きる。そう、ビジャが、バルサの3点目を決めたんだよ。

 ビジャへのパスが、ほんのちょっとのところで、本当にほんのちょっとのところで、ミラン選手の足に当たらなかった。まさにラッキー・・。そしてビジャが、フリーシュートを決めた。

 その後は、もう、せめぎ合い。こうなったら、バルサの真骨頂サッカーの出番だよね。何せ、ミランが、前から、積極的にボールを奪いに来たんだから。

 そして、このところ落ちこんでいたバルセロナが、本来の「バルセロナ」に戻っていった。

 まあ、シャビが戻ってきたことも大きかったね。そしてメッシが爆発したこと。またホームだから、しっかりと芝も、自分たちのサッカーに合わせられる。

 そして、この試合では、(このところ、ご無沙汰だった)本物のツキにも恵まれた。

 バルセロナが、戦術サッカーを沈めたことで、ちょっと嬉しかった。

 あっ・・もう、ホントに行かなければならない。では、後で〜〜・・シャルケがホームで負けたって・・くそ〜〜・・まあ、それも後で〜〜・・・

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 そうそう、今回のチャンピオンズリーグでは、何といっても、ドイツ勢の躍進もまた、メインテーマの一つだよね。観ているこちらも、リキが入る。

 もちろんバイエルン・ミュンヘンは強いけれど、それに、ボルシア・ドルトムントとシャルケ04という、ルール工業地帯の人気クラブも気を吐いているからね。そう、結果だけじゃなく、内容でも・・(なんて思っていたら、早々にシャルケが敗退してしまった・・フ〜〜・・)

 この、「内容でも・・」というのが、わたしの観戦モティベーションという視点でも、とても大事なファクターなんだ。何せわたしは、サッカーコーチでもあるわけだから・・ね。

 あっと・・、このテーマについては、今年に入ってから連載をはじめた、ソフト・バンクのスマホ向け動画配信サービス「スポーツLIFE」で書くことにしたから、まあ、そちらも覗(のぞ)いてみてくださいな。

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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