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2014_アジア大会(その3)・・よしよし・・若武者たちは、「紆余曲折」を経ながら進化しつづけていくに違いない・・(日本vsイラク、1-3)・・(2014年9月17日、水曜日)

フ〜〜・・まあ、仕方ない・・次だ、次だ・・

たしかに、レベルを超えた闘う意志をブチかましてくる、イラクの忠実でダイナミックな守備は素晴らしかった。

サスガに、エキスパートのなかで、過去の世界大会での実績から優勝候補の呼び声高い「この年代の」イラク代表チームだ。それは認める。

とにかく前半の日本代表は、ボールをめぐる「全ての競り合いプロセス」で、素晴らしく積極的だったイラクに完全にイニシアチブを握られてしまったんだよ。

ボールを奪われた次の瞬間には、日本のボールホルダー(次のパスレシーバー)に対する強烈なプレッシャーだけじゃなく、その忠実ハードワークにクリエイティブに呼応するかのように、周りのチームメイトたちが、日本の次のパスレシーバーを忠実にケアーしてしまう。

また、ボール周りの「競り合い」でも、常にイラクの方がイニシアチブを握っていた。パワーとかスキルといった物理的な側面でも、強烈な闘う意志という側面でも。

だから私は、前半の日本が、ホントによく「1対1」に追いついたと溜息をついていたっけ。でも・・

そう、後半の日本が、大幅にペースをアップしていったんだよ。もちろん(まずは!)守備においてね。だから、次の攻撃にも勢いが乗っていった。

特に、中盤のディフェンシブ選手(原川力=バランサー!)を1人減らし、代わりに、よりオフェンシブな野津田岳人を投入してからは(攻撃陣が、より積極的に守備参加してくるようになったことも含めて!!)、俄然、攻撃に勢いが乗っていった。

まあ、その交替の背景には、後半立ち上がりに再びリードされてしまったこともあったわけだけれど、そこから若武者たちが魅せつづけた、「主体的リスクチャ レンジ姿勢の高揚」には、とても大事なコノテーション(言外に含蓄される意味)が込められていたと思っている筆者なのだ。

そう、自信。

とにかく、前半のような「ジリ貧」のサッカーじゃ、まったく次につながらないわけだからね。

だからこそ、交替によって生じたレベルを超えたペースアップ(意志の高揚!)には、特筆の「意味」があったというわけだ。

たしかに、ハーフタイムでの手倉森誠監督による「檄(モティベーション!?)」と的確な戦術的な指示によって(!?)、明確に内容がアップしていった日本代表だったけれど、その矢先にリードを奪われちゃったのは、とても残念だった。

でもサ、繰り返しになるけれど、それがあったからこそ、ベンチも、選手も、「フッ切れて」仕掛けていかざるをえなくなったというコトもあった。そう、脅威と機会は「表裏一体」なんだよ。

そして日本の若武者たちが、彼ら本来の、人とボールがクリエイティブに動きつづけるコレクティブな(組織的)攻撃サッカーで、イラクを凌駕しはじめたというわけだ。

前半とは、まったくレベルが違う、攻守にわたって積極的に「仕掛けていく」攻撃サッカー。

そして、次々と、イラク守備ブロックを「崩し切って」チャンスを作り出していくんだよ。

たぶん、5〜6本はあったよね、誰もが、「アッ・・ゴールだっ!!」と身体を硬くしたシーンが。

ても、それらを、ことごとく逃しちゃうんだよ。フ〜〜ッ!! でもサ・・

そう、リスクチャレンジ(局面での素晴らしい個の勝負!!)が満載され、イラク守備ブロックを崩し切るコンビネーションサッカー。我らが若武者は、そんな 勇気ある仕掛けで、何度もチャンスを作り出しつづけたことには、ものすごく重要な意味が込められていいたっちゅうわけだ。

もちろん、あの絶対的なチャンスを「外した」ことは、深く反省しなきゃいけない。ビデオを、何度も見返すことで、次につながる「イメージトレーニング」を積まなきゃいけない。

でも私は、その実効ある攻撃によって、若武者たちが、「次は、絶対に行けるぞっ!!」という確信を深めたことの方が大事だと思うわけだ。

手倉森誠監督も言っているように、このチームは、アジア大会を通して大きく成長できるだけのキャパシティーを秘めているんだよ。

最後に・・

ところで、若武者たちがブチかましつづけた素晴らしい攻撃をしのぎながらも(時々)イラクが魅せた、とても危険なセットプレー(ヘディング勝負や直接フリーキック)や、カウンター攻撃。

フリーキックからブチ込まれた3点目シーン以外にも、少なくとも3本はあったですかね、カウンターや、セットプレーからの大ピンチシーン。

それもまた、ものすごく重要な「学習機会」だったという事実も忘れちゃいけない。

もちろん手倉森ジャパンは決勝トーナメントに進むでしょ。そのことについちゃ、まったく疑問の余地はない。

そして、韓国、イラン、サウジといった(イラクに勝るとも劣らない!?)強敵と勝負マッチを展開する。
だからこそ、若武者たちが確信を持てたことが、ホントに重要な意味をもっているんだよ。

不確実な要素が満載のサッカーは、究極の「心理マッチ」であり、「意志のボールゲーム」でもあるわけだからね。

だからこそ、「守備こそが全てのスタートライン・・」という絶対的コンセプトへの意識(イメージ)を深めることこそが大事なんだよ。

このテーマについては、当HPの新連載、「The Core Column」で発表した「このコラム」も参照して下さい。

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ところで、ブラジルW杯に、後藤健生さんと「スカイプ」を通して繰り返したディスカッションをまとめた、ライブ感あふれる「ナマ対談本」が出来上がりました。

その新刊については、「こちら」をご参照ください。ではまた・・


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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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