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2014_アジア大会(その4)・・残念だったけれど、手倉森誠のことだから、この敗戦を、次への効果的な糧にしてくれるでしょ・・(韓国vs日本、1-0)・・(2014年9月28日、日曜日)

まあ、仕方ない。

内容からすれば、韓国がフェアに手にした勝利と言える。でも、フ〜〜ッ・・。

サッカーの要素には、フィジカル、テクニカル(スキル)、戦術、そして心理・精神ベースなどがある。そのなかで、フィジカルやテクニカル、また戦術的なファクターでは、互角だった。でも・・

そう、心理・精神的ベースでは、やはり、韓国に一日の長があったんだよ。そりゃ、そうだ。彼らには、そのベースを大きく増幅させるバックボーンがあったんだからね。

それは、地元でのアジア大会開催、相手は宿敵の日本、そして優勝(金メダル)によって、兵役が免除される・・等など。

そりゃ、モティベーションが天井知らずってなことになるのも道理だよね。

もちろん、だからといって、日本が気圧された(心理・精神的に圧倒された)というわけじゃない。彼らも、とても立派な闘いを展開した。でも・・

そう、ごく「小さなトコロ」で、半歩、後れを取るようなシーンがつづいたんだ。

守備では、もちろん「寄せ」の内容。

また、その典型は、ボールホルダーに対するチェイス&チェックだね。その勢いで、韓国に、かなり押し込まれたといっていいんだ。

だから日本は、中盤から前線にかけて、フリーなボールホルダーを演出するのに四苦八苦してしまった。これじゃ、日本が意図する組織サッカーは望めない。

要は、中盤で、「オープン」なボールホルダー(パサー)を作り出せなかったし、前線へのサポートも薄くなっていったということ。これじゃ、タテへの仕掛けパスが、ままならなくなるのも道理だ。

「オープン」とは、相手に「前」をふさがれず、フリーで前方にパスを供給できる状態のこと。

そんな「オープンのボールホルダー」が、高い頻度で演出されたら、相手守備ブロックも、下がって(ディフェンスの!)組織を作らざるを得なくなる。

要は、日本が、韓国の、忠実でダイナミックなチェイス&チェック(寄せ)によって、まったくといっていいほど「余裕」をもって攻撃を組み立てられなかったんだよ。

また、「セカンドボールの競り合い」でも、韓国に後れを取ることになった。

そんな韓国だから、攻撃でも、ボールを奪い返してからのタテへの仕掛けの流れに、多くのサポート選手たちが「全力スプリントで乗って」くるのも当たり前だった。

また韓国は、「その後」のディフェンスでも、常に数的に優位な状況を作り出しちゃう。

彼らは、ボールを失った後の「次の守備」に対する、確固たる自信があるんだろうね。そう・・

・・オレ達は、ボールを失っても、日本よりも素早く攻守を切り替えることで、日本のカウンターの流れを止められる・・そして、そのように日本の攻撃を「遅らせる」ことで、彼らの人とボール動きも、効果的に抑え込むことができる・・

・・そんな、自信。

そして実際に、日本の組織コンビネーションが効果的に抑え込まれつづけたというわけだ。

たしかに前半の立ち上がり10分ほどは、軽快な人とボールの動きに乗って、日本の仕掛けも冴えまくった。だから、観ているコチラも、リキが入った。でも・・

そう、10分もしたら、韓国のプレッシング守備が、抜群の効果レベルへと高揚していったんだよ。

それに対して、日本の組織サッカーの勢いが影を潜めていく・・

――――――-

そんな展開がつづいていた後半19分、日本オリンピック代表の「ストロングハンド」、手倉森誠が動いたんだ。

彼は、感じていたんだろうね、韓国のプレッシング守備の「勢い」が、徐々に「落ち着きはじめて」いたことを・・。そして、そのチャンスを見逃さず、野津田岳人の代わりに、荒野拓馬をグラウンドへ送り込んだんだ。

この交替は、絶妙だった。

そして、ツートップの荒野拓馬と鈴木武蔵、そしてその後ろの、中島翔哉、矢島慎也、大島僚太で組む、抜群の縦横無尽のポジションチェンジ性能を魅せつづける「2列目トリオ」によって、日本代表の、組織サッカーが甦ったというわけだ。

そう、そう・・これだよ、これ〜・・

私は、素晴らしく小気味よい組織コンビネーションサッカーを観ながら、再び元気を取り戻していった。でも・・

そう、韓国の「スピリチュアルパワー」が、再びシフトアップしたんだ。ちょっと、信じられなかった。でも、ホント。

前述した、韓国チームの心理・精神的ベースを支える様々なモティベーションファクターが、レベルを超えていたっちゅうことだね。

でも、そこからの展開は、それまでとは、チト趣(おもむき)を異にしていた。

それまでのように、ゲームの流れを明確に牛耳られる・・というのではなく、ゲームが、限りなく「イーブン」のニオイを放つようになったんだよ。

そう、勝負の流れが、どちらに転ぶか分からないという様相を呈してきたんだ。でも・・

日本の守備ブロックとGKの連係ミスからの決定的ピンチを凌(しの)ぎ切れたと思ったら、キャプテンの大島僚太が、自軍ペナルティーエリア内で、相手を押し倒してしまったんだ。そう、PK。

このシーン。

大島僚太は、高く上がったボールに、自分もヘディングで触れるという判断で、ボールへ向かってジャンプした。

でも、そのボールの落下点には、相手選手が素早く入り込んだきていた。そのことで、大島僚太のジャンプモーションで、相手を押し倒すカタチになってしまった。

とても微妙なシーン。もうちょっとタイミングを遅らせてジャンプしていたら・・

またまた「タラレバ」になってしまった。何せ、後半のゲーム展開の変容によって、期待が高まっていたわけだからね。

でも、まあ、仕方ない。

その後は、植田直通も最前線に上げてパワープレーを展開しようとしたけれど、効果的なタイミングでハイボールを送り込めなかった。それもまた、韓国の忠実なチェイス&チェック(寄せ)の賜物だったというわけだ。

だから、韓国が、フェアに手にした勝利・・というわけだね。

――――――-

さて、手倉森ジャパン。

手倉森さんのことだから、この悔しい(惜しい)敗戦を、次のステップへつなげるための大きな糧にしてくれるでしょ。

このチームは、とても、いいよ。

素晴らしい基本ポテンシャルと、大きな「伸び代」を感じる。もちろん、それは、手倉森誠という「ストロングハンド」があってのハナシだけれどサ。

ガンバレ〜、手倉森〜・・

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ところで、ブラジルW杯に、後藤健生さんと「スカイプ」を通して繰り返したディスカッションをまとめた、ライブ感あふれる「ナマ対談本」が出来上がりました。

その新刊については、「こちら」をご参照ください。ではまた・・


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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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