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2014_日本代表、最終メンバー・・あ〜あっ、中村憲剛を落としちゃった・・(2014年5月12日、月曜日)

私は記者会見にも行ってないし、この最終メンバーについてコメントするつもりなど、ハナからなかった。でも・・

そう、フロンターレの「牛若丸」が落とされたという(私にとって)ショッキングな出来事に対してだけは、一言いっておかければ・・と思い、キーボードに向かうことにした。

とにかく、短く、要点だけを・・

ディスカッションの出発点は、世界に挑んでいく日本代表には、2013年ドイツ女子ワールドカップで大成功を収めた「なでしこ」同様に、組織サッカーに徹する「しか」ないというポイント。

何せ日本代表は、スピードとパワーのカタマリである世界の強者ディフェンダーと静対した状態から、その相手を抜き去ってスペースへ入り込めるような、世界レベルの勝負ドリブラーなんて持ちあわせていないからね。

そう、個の勝負で状況を打開し(相手守備ブロックに風穴を空け)、そのまま「仕掛けの起点」になれるようなドリブラー。

もちろん、全力で走りながら、ベストタイミングのパスを受けられれば、本田圭佑にしたって、香川真司や岡ア慎司にしたって、そのままドリブルで突破していけるでしょ。

でも、本物のドリブラーは、強者ディフェンダーと静対した状態からでも、高い確率で置き去りにできるんだよ。

このことについては、今までに何度も書いてきた。本田圭佑にしても、香川真司にしても、本物のドリブラーじゃない・・ってね。

日本代表には、「なでしこ」と同じように、組織サッカーに徹するしか選択肢はないんだよ。

だからこそ私は、組織サッカーの申し子とも言える中村憲剛を落としたことに、まったく納得できなかったのですよ。

要は、運動量が十分ではない(攻守のハードワークに欠ける)本田圭佑が、2列目のセンターで、仕掛けの流れの「フタ」になってしまうことに対する心配だ。

前に何度も書きつづけている通り、本田圭佑が秘める、トラップ&コントロール能力、ボールキープ(ポストプレー)能力、そしてパス展開力(決定的パスを供 給する能力)とゴール決定力は、まさに世界レベルであり、そのことを考えれば、日本代表の「トップ」は、彼しかいないと思うわけだ。

もちろん彼がトップに入ることで、様々な視点で、前線カルテットの「縦横無尽のポジションチェンジ性能」も大きく向上するに違いない。

だからこそ、その「カルテット」の「2列目」の構成要員として、中村憲剛は、とても大きな価値を秘めていると思うのだ。

私は、(特に日本代表の!)トップ選手に要求される能力タイプを考えると、柿谷曜一朗にしても大迫勇也にしても、足りないトコロの方が多いと感じている。まあ、大久保嘉人という選択肢が増えたことはポジティブではあるけれど・・。

だからこそ・・

まあ、仕方ない。これまで通りの(ダイナミズムが十分ではない!?)ワントップと、2列目センターゾーンに「フタの危険性をはらむ本田圭佑」を選択するしかないということなのか・・!?

でも、まあ、長友佑都を、左ゾーンのハーフに「上げる」という選択肢もあるよな・・。そうすれば、本田圭佑をトップに据えられるし、2列目トリオの、縦横無尽のポジションチェンジを基盤にした機動力もアップされられるはず・・。フムフム・・

とにかく、いまの日本代表は、組織プレーに徹することだけが、世界トップレベルへの「突破口」だと確信している筆者なのですよ。

そのこと「だけ」は、言っておきたかった。

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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