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- 2014_J2_第3節・・ものすごくエキサイティングな、強烈守備(意志)のぶつかり合いだった・・(ヴェルディvsジェフ、 1-1)・・(2014年3月16日、日曜日)
- 「すごいナ〜〜・・」
J2、第3節、ヴェルディ対ジェフ千葉。
そのゲームを観ながら、つい、そんな感嘆詞が口をついた。
両チームともに、ものすごく攻守の切り替えが早く、そして、サボるヤツが一人もいないほどダイナミックな「協力プレッシング守備」をブチかましつづけるんだよ。
まあ、たしかに、ボールの動きの内実からすれば、鈴木淳監督も言っていたように、少しだけ、ジェフが優っていた・・とは感じたけれどネ。そう、ほんの少しだけネ・・
また鈴木淳監督は、「それでも、効果的にボールを動かせたかと言ったら・・ノーだ・・(後方からのサポートを充実させられていれば!)もっとサイドチェンジだって使えたはずだし、全体的な連動性だってもっとアップさせられていたはずだ・・」と、反省も口にしていたネ。
とにかく、両チームともに、まさにフルパワーの「チェイス&チェック&協力プレス&インターセプト&アタック等」のオンパレードなんだよ。
一度マークを外されても、そこから、全力スプリントで相手を追いかけ、多くのケースで再びボールを奪い返したりしちゃうんだ。
そんな、両チーム選手たちがブチかましつづけた「強烈な意志」には、ホントにアタマが下がる思いだったんだよ。そして、両チーム監督の「ストロングハンド」に拍手していた。
でも・・
そう、両チームの選手たちが「そんな強烈ディフェンス」をブチかまし合うものだから、両チームともに、まったくといっていいほど、スペースを攻略するようなクリエイティブな仕掛けを繰り出していけないんだ。
そう、ボールが、ピンポン球のように、あっちへ行ったり、こっちへ来たり・・ってな具合なんだよ。
以前、よく「シャモのケンカ・・」なんていう表現がされていたよね。そんな感じ・・
もちろん、ボールをめぐるフルパワーのせめぎ合いは迫力満点だから、興奮させられるし、楽しいことこの上なかった。そう、はじめの時間帯はね・・。
でも時間が経つにつれて、チャンスを作り出せず、中盤で「ガチャ、ガチャ」とぶつかり合うだけの強烈なせめぎ合いゲームに、ちょっと閉口しはじめてしまったんだよ。
前述したように、人とボールの動きでは、たしかにジェフに(ほんの少しだけ)アドバンテージはあった。でも、彼らもまた、そのアドバンテージを、流れのなかでの実際のチャンスに結びつけられなかったんだよ。
またヴェルディはヴェルディで、とにかく前へ、前へと急いで仕掛けつづける。それじゃ、タテへの仕掛けパスが不正確になってしまうのも道理だと思った。
たしかに、タテへのダイナミズム(意志エネルギーの炸裂!)は大事だけれど、「やり過ぎ」もまた非なり・・なんだよ。
その点について、三浦泰年さんと話し合ってみた。もちろん、記者会見場でのハナシだよ。
・・どうも、ヴェルディの攻めは、タテへ急ぎすぎだと感じた・・ちょっと落ち着けるタイミングを挿入できれば、もっと効果的にタテへ仕掛けていけると思うのだが・・
三浦泰年さんは、そんな私の質問に対し、例によって真摯に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。曰く・・
・・言われている意味は、よく分かる・・ただ、今の段階では、とにかくタテへ、それも素早いタイミングで仕掛けていくイメージを浸透させることに尽力しているんだ・・
三浦泰年さんがつづける。
・・トレーニングでも、ツータッチなどの「素早いプレー」をベースに、積極的にタテへ仕掛けていくという意識を高めようとしている・・
・・要は、相手ディフェンスが余裕をもつ前に(余裕をもてないように)素早く仕掛けていくというイメージなんだ・・だから、この試合でも、積極的にタテへ仕掛けていく姿勢は良しとしたい・・
・・でも、そのタテへの仕掛けに課題があるんだ・・
・・タテへの仕掛けパスの精度が、まだまだ低いということなんだけれど、そんな最初の仕掛けタテパスでのミスを減らさなければならないと思っている・・
・・もちろん、ボールを奪ったときの判断で、直接タテへ仕掛けていくのではなく、その間に、横パスや展開パスといった安全なボールの動きを入れれば、次のタテへの仕掛けパスが、より確実で、効果的なモノになる・・
・・それは分かっているんだけれど、とにかく今はまだ、タテへ仕掛けていく意識を高揚させることに重きを置いているんだ・・
・・でも、おっしゃるように、ちょっとダイレクトにタテへ仕掛けていき過ぎかもしれないと感じることもあるけれどネ・・フフフ・・
フムフム・・。
とても興味深いハナシだった。
たしかに、クレバーな展開パス「も」要求し過ぎたら、選手たちが、その安全パスの方に「逃げ込んでしまう」傾向が強くなるのが常だからネ。
私は、三浦泰年さんの最後の「フフフ・・」に、彼もまた、そんな心理メカニズムへの確かな造詣の深さを感じていた。
だから、とにかくまず、極端でもいいから、タテへ積極的に仕掛けていくことを要求している・・ということか。
それは、それで、正解だと思う。
それにしても、ものすごくエキサイティングな「ぶつかり合い」だった。面白くもあり、ちょっと疲労感が溜まりもしたっけね。あははっ・・
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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