トピックス
- 2014_国際マッチ・・後半の好調サッカーには様々なテーマが内包されていた!?・・またまたランダムに書きなぐってしまった・・(日本代表対ベネズエラ、 2-2)・・(2014年9月9日、火曜日)
- アギーレの発言で気になるコトがあった。だから、そのポイントについて質問しようと手を上げつづけたけれど、今回は指名されなかった。残念・・
そのアギーレさんの発言は、こんなニュアンスだったっけ。曰く・・
・・良いサッカーでも、世界ランキングが低くては(様々なネガティブ要因で!?)次のレベルへステップアップしていくのが難しくなる(!?)・・だから、
勝つところは、しっかりと勝つことで(日本サッカーの内容にふさわしい!?)位置にランクされることを(も!?)目指さなければならない・・
・・このチームのサッカースタイルだが、いまは重要視していない・・5日間のトレーニングセッションでは、スタイルを確立できるはずがない・・チームが固まってくれば、しっかりと勝てるようなスタイルを確立し、日本が、ふさわしい場所にランキングされるようにしたい・・
だから、こんなことを聞きたかった。
・・全てのサッカーコーチにとっては、良いサッカーで美しく勝つというのが理想型だと思う・・要は、美しさと勝負強さのバランスというテーマなのだが・・
・・まあ、ニワトリが先かタマゴが先かといった不毛なディスカッションになるかもしれないが、敢えて質問したい・・
・・アギーレさんは、まず勝つことを優先し、それ(日本にふさわしい世界ランキングの獲得!?)をベースに、サッカー内容を洗練させていくというイメージなのだろうか??・・
もちろん、その逆のプロセスイメージなのか?・・とか、その両方を同時にアップさせようというイメージなのか?・・なんていうことも聞いてみたかったよね。
私は、この質疑応答が、(アギーレに無視されることも含めて!)不毛なディスカッションになってしまうのか、(アギーレの基本的なフィロソフィーが感じられるような!?)有意義なヒントにつながるのか・・、そのポイントに興味があったっちゅうわけだ。
その質問をしようと思った背景には別のファクターもあった。
記者会見場へ向かう途中で、試合後のテレビインタビューが耳に入ったんだよ。彼は、後半の、攻撃に(攻撃的なサッカー内容に!?)とても満足していたようなんだ。
でも、記者会見では、美しさ(≒ここでは攻撃的積極サッカー!?)と、勝負強さ(ランキングアップ)という、ある意味で「背反」するテーマについて、別々に答えていたよね。
そんな彼の受け応えを聞きながら、たぶんアギーレは、多面性のある柔軟な考え方(マネージメント姿勢)をもっているに違いないと感じていた。
要は、フレンドリーマッチなどでは、サッカー内容を充実・進化させるテーマを追求し、アジアカップとかW杯の地域予選といった勝負マッチでは、勝つことを優先させるというわけだ(時にはガチガチの戦術サッカーだっていとわない!?)。
日本が、そんな「二面性サッカー」を、柔軟に操れるようになったら、そりゃポジティブだよ。
私は、記者会見でのアギーレの受け応えを聞きながら(もちろん彼の表情も観察しながら)そんなことを考えていたっけ。
そこでハッと思い出した。この試合での、アギーレの情緒アクション。
後半に魅せた、ゲームのイニシアチブを握りつづける積極サッカーに目を細めていたアギーレが、川島永嗣のキャッチミスで同点にされたシーンと、その後に、
決定的なミドルシュートをブチかまされた(川島永嗣がギリギリのセービングで防いだ!)シーンで、怒り心頭に発していたんだよ(何かを地面に叩きつけてい
たっけ!?)。
(後半の)全体的なサッカー内容をポジティブに感じていながらも、カウンターや、相手のワンチャンスで、(中距離)シュートを「打たせてしまった」ことに対してアタマにきた!?
「なんで、そんなにイージーにシュートを打たせるんだ〜っ!!!」・・ってね。
私は、そんな彼のリアクションに、「頼もしい勝負師マインド」も見ていたっけ。
もちろん、それと同時に、良いサッカーへの「強い意志」も感じていた。
まあ・・ネ・・良いサッカーが出来ていたからこそ、あのシーンで、イージーにシュートを打たせてしまったことが許せなかったんでしょ。
その感情は、本当によく分かるし共感しますよ。
「そんなじゃ、そこまでの良いサッカーが台無しじゃないか・・」ってね。
まあ、そんな、肝心の勝負所における集中力のアップ(チーム戦術のセット=本当の意味のチーム作り!)にも、これからの、アギーレのウデの見せ所なんでしょ。
興味深いネ〜。
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あっと・・試合。ここでも、ランダムにテーマをピックしまっせ。
まず何といっても、後半のサッカー内容が大きく好転したという現象について。
後半からの交替は、柿谷曜一朗(→武藤嘉紀)と大迫勇也(→岡ア慎司)。
まあ、この交替が、後半のサッカー内容が好転したことの「大きな」バックボーンだったのは、確かだろうね。
とはいっても、ここで、前半にプレーした柿谷曜一朗と大迫勇也が悪かったなどと軽々に言うつもりはありませんよ。
柿谷曜一朗にしても、ボールをもった時の素晴らしいコントロールとキープ&展開パス、また、「ココゾッ!」の決定的フリーランニング(全力スプリント)等は、とても素晴らしかった(前半の相手GKとの1対1でシュートを決めとけば、もっと良かったのに・・)。
また大迫勇也は、最前線でのポストプレーや、これまたタイミングの良い決定的フリーランニングといった、味方に「使われる」プレーでも存在感を発揮した。でも・・
そう、二人とも、攻守のハードワークが、まだまだ「お座なり」なんだよ。
守備にはいったら、確かに戻りはするけれど、自分がボールを奪い返せる「直接的な競り合い」シーンでしかフルパワーを出さない。また攻撃でも、自分がシュートや決定機シーンに入れるシチュエーションにしか全力スプリントを繰り出さない。
それに対して、武藤嘉紀と岡ア慎司は、皆さんもご覧になった通り、全力スプリントで守備ハードワークに入るだけじゃなく、攻撃でも、ボールがないところで、フルスプリントをブチかましつづけるじゃありませんか。
また彼らは、勝負できるシチュエーションでパスを受けたら(スペースである程度フリーでボールを持ったら!)、まったく躊躇(ちゅうちょ)することなく、個の勝負(ドリブル勝負)をブチかます。
彼らの決断力と勇気とダイナミックアクション(攻守ハードワーク)は、チーム全体を「元気」にしたよね。
そのことで、特に、中盤ディフェンスが大きく活性化し、ボールを奪い返した次の瞬間からはじまる(人とボールの活発な動きと、それをベースにした素晴らしい組織コンビネーションなどの!)コレクティブな攻撃にも、勢いがみなぎった。
- ここで話題にした、爆発スタートとフルスプリント」というテーマについては、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」も参照してください。
また、アントラーズの柴崎岳も特筆の存在感を発揮した。
まあ確かに、何度か決定的ミスは犯した。でも、それを補って余りあるほどの攻守ハードワークと創造的なゲームメイク(人とボールの動きのマネージメント!)を魅せた。
前回コラムで、ゲームメイカーのことについて言及し、柴崎岳を待望したけれど、それが現実になり、そして実効がともなったんだから、嬉しいこと、この上ないね。
そしてもう1人。
実は、アギーレさんに、こんな質問もぶつけてみたかったのですよ(でも指名されなかったけどサ・・)。それは、こんな感じ・・
・・森重真人ですが、彼の役割について、とても興味が湧くんですよ・・アンカーなんて呼ばれ方をするけれど、私のアタマには、前気味(フォア)リベロという機能イメージも浮かんだ・・
・・そんな彼の機能性イメージについて、教えていただけないだろうか?・・
まあ、そのテーマについても「これから」だけれど、私は、その「前気味リベロ」というチーム戦術的な重要タスクが、アギーレ戦術の、とても重要なポイントだと思っているのですよ。
ウルグアイ戦じゃ、うまく機能しなかったけれど、この試合では、森重真人のプレーコンテンツが、何倍にもアップしたと感じた。まあ、相手が弱かったこともあったけれどサ・・。
・・最終ラインの前で、相手攻撃の芽を摘む・・要は、相手ボールホルダー(次のパスレシーバー)をしっかりとチェイス&チェックする・・たまには、最終ラインのなかに入って相手をタイトマークしつづけたり、決定的スペースのカバーリングに入ったり・・
・・中盤守備ブロック(中盤の底トリオ!)をマネージしたり、カバーリングに就いたり、はたまた、チェイス&チェックといったハードワークを忠実に実行したり・・
・・そして攻撃では、後方からパスを供給するだけじゃなく、自ら(相手の視野から消えながら!)スッと、前方のスペースへ入り込んだり、前線でチャンスメイカーになったり・・
・・等など・・
ちょっと誉めすぎかもしれないけれど、この試合での森重真人は、攻守にわたって、縦横無尽に、仕事を探しつづけていたと感じるのですよ。
彼自身も、「オレにとって新境地だ〜っ!!」なんて感激していたかもしれないね。
とにかく、攻守ハードワークを十分にこなせるのだったら、彼もまた、前気味リベロを、効果的に機能させられるかもしれないと感じたんだよ。まあ、これからだけれど・・
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スミマセンね、またまた、ランダムに(話題が四方八方へブッ飛びながら!?)書きつづってしまったようです。
そうそう、後から入ってきた田中順也。確かに優秀な(シャドウ)ストライカーではあるけれど、まだまだ、中盤での「攻守のハードワーク」という仕事を積極的に探すという「プレー姿勢(=意志)」には、大きな課題を抱えているよね。
でも、あれ程の才能だから、ちょっとした意識(イメージ)の改善で、格段に進歩するとは思うけれどネ・・。
明日、この二つのゲームをビデオでチェックし、もし興味深いテーマが見つかったら、新連載の「The Core Column」で書くことにしますよ。
でも、まあ、どうなるか分からないけどサ。
ということで、今日は、こんなところで・・
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ところで、ブラジルW杯に、後藤健生さんと「スカイプ」を通して繰り返したディスカッションをまとめた、ライブ感あふれる「ナマ対談本」が出来上がりました。
その新刊については、「こちら」をご参照ください。ではまた・・
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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