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2014_国際親善試合・・ザッケローニが最後に確認しておきたかったコト!?・・(日本vsコスタリカ、 3-1)・・(2014年6月3日、火曜日)

やっぱり、ヤット。後半から登場した彼は、素晴らしいゲームメイクを魅せた。

この逆転勝利の「隠れた」立役者は、何といっても彼だった・・と思う。

先発した青山敏弘も、決して悪くなかった。でも、組み立てや仕掛けの「落ち着きと変化」という視点じゃ、遠藤保仁に、一日以上の長がある。

長谷部誠だけれど、このゲームは、リジェネレーション(再生プロセス)ってことなんだろうね(そうあって欲しいよね・・)。

何といっても、長谷部誠のパフォーマンスは完璧に「高次で安定」しているし、「身体の状態の判断」についても、彼に任せられるからネ。

また、この試合でも、山口螢が、長谷部誠の不在をしっかり補えることを証明したし、中盤のリーダー(遠藤保仁)が入ってからは、山口螢の効果的な攻守プレーの実効レベルが、より高みで安定したとも感じられた。

要は、守備における「仕掛けとカバーリング」のバランスに、効果的な「メリハリ」が出てきただけじゃなく、攻撃でも、遠藤保仁のリードによって、よりフッ切れた勢いが出てきた(前線サポートのダイナミズムがアップした!?)ということです。

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ところで、遠藤保仁のゲームメイク。

これは、とても微妙なニュアンスなのだけれど、彼が入ったことで、組み立てと仕掛けの「リズム」に変化(メリハリ)が出てきただけじゃなく、山口螢も含め て、周りの「ボールなしの動き」にも、スムーズさ(まあ、よりフッ切れた勢い!?)が出てきたという視点はどうだろうか。

サッカーでは、攻守にわたる連動性によって、チームのパフォーマンスが、まさに何倍もアップダウンしちゃうという究極のチームゲームだからね。

そんなサッカーの流れに、遠藤保仁という「イメージの支柱」が入ったわけだから、(後半の!)日本代表が魅せた組織サッカーの「機能性」が格段にアップするのも道理だと思うわけだ。

また、遠藤保仁が魅せた「効用」としては、このポイントを外すわけにゃいかない。

そう、本田圭佑の(その才能の!)活用という視点。

とにかく、この二人の「タテの関係」には、明確な「あ・うん」の呼吸があると感じる。

タテへ仕掛けていく場面で、スッと下がった本田圭佑へ、まさに「ピタリの素早いタイミングとコース」のタテパスや横パスを供給しつづける遠藤保仁なんだよ。

本題圭佑にとっても、そんな、良いタイミングとコースの「足許パス」が供給されるのだから、やり易さが何倍にもアップしたに違いない。

そして流れのなかでの本田圭佑の「実効レベル」が、明らかに高揚し、効果的な展開をリードしていけるようになった。

本田圭佑についてだけれど、もちろん、攻守にわたるハードワーク(ボールがないところでの動きの量と質)や、たまに「消えてしまう時間帯」があることについては、まだまだ不満だけれど、そんな彼のプレー内容については、異なった「視点」もあるんだよね。

そう、周りのチームメイトたちが、本田圭佑の「プレーの仕方」を、感覚的に、しっかりとイメージできているというポイント。

要は、本田圭佑には、決定的なフリーランニングや最終勝負のコンビネーションは別にして、誰も、攻守のハードワークを期待していないっちゅうことだ。

そうではなく、周りは、本田圭佑のことを、最終勝負プロセス(その流れ)における、重要なステーション(ポストプレーやコンビネーションのコア、はたまた決定的スルーパスの供給源など!?)として明確にイメージしている。

そう、チームメイトは、本田圭佑の「特徴ある才能」を、うまくチームのために活用しようとしているということです。

そして、本田圭佑の「才能活用マネージャー」の代表格が、遠藤保仁っちゅうわけだ。

まあ、そんな本田圭佑の「プレーの仕方」については、ザッケローニも、「本田圭佑の家」なんていう表現でサポートしているみたいだしサ。

フムフム・・

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ところで岡ア慎司。このゲームでは、彼の特長が存分に活かされたよね。

前回のキプロス戦では、ワントップとトップ下センターに「二つのフタ」がいたからね。それじゃ、岡ア慎司がスペースを探し難かったのも道理。

このゲームでは、よく動き回る大迫勇也が先発し、後半の30分過ぎまで一緒にプレーしたことで、また、遠藤保仁という優れた「才能マネージャー」によって本田圭佑のプレーも活性化していったことで、最前線スペースを活用する「流れ」にも、よい変化が生まれていた。

そうなったら、もう岡ア慎司の独壇場でしょ。

例によっての爆発スタートから、オフサイドにならないようなフルスプリントで何度も決定的スペースへ抜け出していた。

そして、そのことで、コスタリカ守備ブロックも「開き気味」になり、日本代表も、より効果的にスペースを使えるようになった。

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あっと、大久保嘉人。

とても良かったと思う。まあ、右サイドからのスタートだったけれど、肝心なところでは、しっかりと中央ゾーンにも入り込んで決定的な仕事をしていたよね。

まあ、それも、大迫勇也という「動くワントップ」がいたからだよね。だから、どんどんとスペースが出来(スペースが移動し)、そこに入り込んでパスを受けることができた。

彼は、ボールもキープできるしドリブル勝負も上手い、また危険なシュートも(素早いモーションから!!)ブチかませる。とても効果的な「武器」になっていると思う。

なかでも、チームメイトが、彼の能力をレスペクトし、「頼もしく」感じていることが特筆でしょ。

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香川真司。

このところ、彼についてのコメントがご無沙汰している。それも、これも、「組織プレーの加速装置」としてのプレー内容が、高みで安定しているからに他ならない。

私が期待するパフォーマンスを魅せてくれているんだよ。期待に違わない活発なプレーを展開しているからこそ、こちらも特段のコメントを書かなくてもいい。

どこにでもいるでしょ、そんな「高み安定の主力プレイヤー」が・・。

まあ、この試合では、(大久保嘉人を使ってみたかったから!?)ベンチスタートということになった岡ア慎司も、その一人ということだね。

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とにかく、このゲームには、ザッケローニが「最後に確かめておきたかったコト」が中心になったという側面もあったんだろうね。

私は、(最後は本田圭佑をワントップに据えるしかないという!)前言を撤回しないけれど、このゲームでは、チームメイトが、しっかりと本田圭佑の「プレー の仕方」をイメージできている(だから、ソレで効果的な勝負を挑めている!?)というポジティブな現象も、再確認できたよね・・。

ザッケローニは、ポジションチェンジは好まないのかな・・。まあ、本田圭佑を、「彼の家」で固定して使いつづけることが、もっとも勝利に近い・・と確信しているっちゅうことか。

フムフム・・

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あっと・・久しぶりにトークショーに出演することになりました。詳しくは「こちら」・・

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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