トピックス
- 2014_W杯(15)・・さてグループリーグ最終戦がはじまった(私は、オランダとクロアチアに注目した)・・また私の日常も少しだけ・・(2014年6月23日、月曜日)
- まず何といっても、「Aグループ」。
説明する必要もないだろうけれど、このグループじゃ、私もスタジアム観戦する「クロアチアvsメキシコ」が、まさに肉を切らせて骨を断つギリギリの勝負になる。
同時にキックオフされる、「ブラジルvsカメルーン」については、まあ、結果だけをフォロースりゃいい・・なんてイージーに思っているんだけれど、そこはサッカーだからネ、ハッと気付いたら、神様ドラマが展開されていたりして・・あははっ・・。
もちろん、その「Aグループ」の前に、すでに決着している「グループB」も、メディアセンターでテレビ観戦する。
こちらも、グループ首位決定戦である「オランダ対チリ」を、しっかりとフォローするつもり。何せ、両チームともに、決勝トーナメント1回戦でブラジルに当たりたくないわけだからね。
オランダは、引き分け以上でグループ首位が決定する。でも、「そのこと」は、サッカーだから、多くのケースでネガティブに作用しちゃうでしょ。
だから、とにかく勝つつもりで、両チームともに仕掛け合うに違いない。まあ、絶対に勝たなければならないチリが攻め上がり、ファン・ペルジーが出場停止のオランダが、しっかり守って、天才たちのカウンターに望みを託す・・ってな展開になるはず。
とにかく、今から楽しみで仕方ないじゃありませんか。
ところで、グループ最終戦。そこでは、どのチームも、「決勝トーナメント」を見据えて、「戦略的」に戦うことも考えられるよね。
「あの(蒸し暑い)都市じゃプレーしたくない・・」とか、「あのトーナメントのグループに入ってしまうと、(強く・苦手な!?)ヤツ等と対戦することになってしまうよな〜・・」等など。
まあ、今回のW杯じゃ、そんな「余裕」をもった戦略的な闘いができる(結果をコントロールできる!?)チームなんていないだろうけれどサ。
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でも、まずは、私の日常生活を簡単に紹介しますよ。
実は、この家(マンション)の住人の方々は、キリスト教の祝日ということで、全員が、「ブラジルのスイス」にある別荘へ行ってしまい、いま私一人なんです。
その「ブラジルのスイス」。標高の高い場所にある「Gravatá」という町ですが、それについては、W杯シリーズのなかの「このコラム」を参照して下さい。
ということで、日常。
まあ「それ」が、神経痛のために偶発的に発生してしまった「とても残念な状況」であることは、言うまでもありませんよね。
もし健康だったら、もちろんクルマを飛ばして、サルバドールやフォルタレーザまで走り回っていただろうから、まったく日常の落ち着きなんていう状況とは無縁だったはず。
ということで今回は、スタジアム観戦するゲームは、10試合に満たないんじゃないだろうか。いつものW杯の半分以下っちゅう体たらくだね。
とはいっても、だからこそ、より深く「異文化」を楽しめていることもたしかだけれど。
この、サッカーが秘める「異文化接点パワー」というテーマについては、新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」を参照してください。
あっと、日常の生活。
何か、まだ時差ボケが抜けず、どうしても朝の6時には目が覚めてしまう。そして、買いこんであったヨーグルトを食べ、ブラジリアン・カフェーを飲みながらベランダでくつろぐんですよ。
このマンションには、24時間常駐の管理人の方がいる。もちろん昼夜交替だけれど、その方たちとも「身振り手振りのジェスチャー」でコミュニケートできる
ようになってきただけじゃなく、USBモデムによってグーグル翻訳を駆使して「意味のある会話」もできるようになってきた。
そしてベランダでの「くつろぎ」の後は、ゆっくりと、以前フォト付きのコラムで紹介した、近くのキャフェテリアへ歩いていき、ブランチをするんですよ。
そのキャフェテリアは、ビュッフェスタイルだから、会話する必要がない。でも店の方々とは、もう完全に顔見知りになっている。
私が入ったら、すぐにコーヒーと、絞りたてのオレンジジュースが、私がいつも座る席に用意されるっちゅう具合にね。いいでしょ・・。
また食事についても、バカ高いメディアセンターはパスし、スタジアムから戻って、「そこ」でするようにしているんだ。
以前にも紹介したように、この地域は、大学関係者が多く住んでいることで、「比較的」犯罪が少ないらしい。そのこともあって、まあ、安心してキャフェテリアにも徒歩で行けるということだね。
もちろん、神経痛が厳しいから、あまり長い時間は歩きたくない。
あっと・・この神経痛。
「うなじ」の、痛みが発生する側を、指で押したり、首を前へ垂れると(要は、うなじの痛い側を伸ばすと!)、不思議なことに「スッ」と痛みが消えるんだよ。
また、イスでも、「ふんぞり返る」ように座り、背もたれに、背中の痛い部分(肩胛骨あたり)を押しつけても消える。さて〜〜・・。
でも歩くときは、どうしても痛い。だから、いつも「うなだれる」ように歩いている。そりゃ、不審な雰囲気だよ。だから、犯罪者も手を出さない!? フ〜〜ッ・・。
とにかく、この神経痛(らしきモノ)の正体は、よく分からないんだ。
でも、とにかく、徐々に、ホントに少しずつではあるけれど良くなっているのは実感する。そして、それを体感するたびに、ものすごくハッピーな感覚に包まれる。そして思うんだよ。
やっぱり、人が(前向きに!?)生きていくためには、何らかの「希望」が不可欠なんだってね。
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さて、試合。
オランダ対チリは、まさに前述した通りの展開になった。
まあ後半は、オランダも、より積極的に押し上げるようになったけれど、そのオランダが、一瞬のスキを突いたクロスから、フェールが爆発的なヘディングシュートで先制ゴールを決めてからは、再びチリが怒濤の勢いで押し上げ、同点ゴールを狙ってきた。
そして、まさに、その押し上げダイナミズムのウラを突くように(ファン・アールの思惑どおりに)ロッベンが、強烈なカウンタードリブルで左サイドを貫き、ラストクロスを送り込んでゲームを決めたっちゅう次第(逆サイドに詰めて追加ゴールを決めたのはメンフィス)。
もちろんオランダがグループ1位で決勝トーナメントに進出する。
またファン・ペルジーも帰ってくるし、このグループリーグの戦いで、選手たちも、自分たちの(ファン・アールの思惑どおりの!)サッカーに自信を深めたでしょ。
今回のオランダも、かなり期待できるっちゅうことだね・・。
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さて、今日のメインイヴェント。クロアチアとメキシコの、肉を切らせて骨を断つギリギリの勝負がはじまった。
立ち上がりの第一印象は、クロアチアの方が、攻守にわたる組織プレー的な「イメージの一体感」で、一日の長があるというものだった。
でも、メキシコも、時間を追うごとに調子を上げていく。
組み立て段階で創造的にボールを動かしたり、決定的なウラ突きの必殺スルーパスや、個のチカラを前面に押し出したドリブル勝負&(ロング)シュートでも、素晴らしいのチカラを秘めていると感じる。
それに、彼らには、メキシコから大挙して駆けつけた「強烈」なサポーターもついているんだ。とにかく、その声援の迫力が、すごい。
もちろん私は、そんな本場の声援には慣れているはずなのだけれど、何せ、私が座る記者席の横に陣取ったメキシコサポーターの方々が、ものすごいボリュームで声援を送るんだよ。
その迫力一杯の「乗り」は、やっぱりラテン系。彼らは、身体がデカイだけじゃなく、声も大きい。フ〜〜・・。
実は、私は、とても良いチームのクロアチアに肩入れして観ていたんだ。その方がゲームを楽しめるし、彼らは、本当に応援し甲斐のあるチームなんだ。
でも・・
そう、時間を追うごとに、メキシコのエネルギーが増幅していった。そして後半は、メキシコがゲームの流れを牛耳りはじめるんだよ。
そんなゲームの流れの変化のなかで、「あの」優秀なクロアチア選手たちが、(心理・精神的にも!?)徐々に押し込まれはじめてしまう。
それもまた、とても興味深いグラウンド上の現象ではあった。その背景には、「ホームのアドバンテージ」ってな要素もあったんだろうね。
そして後半27分、メキシコが、セットプレーから先制ゴールを叩き込んだ。
それだけじゃなく、その3分後には、今度は、カウンター気味の流れのなかから、素晴らしく美しいコンビネーション(クロス)ゴールまでブチ込んでしまう。
まあ、これで、ゲームの趨勢は決まったよね。でもそれだけは終わらなかった。
その7分後には、セットプレーからのボールを、マルケスが「流し」、それを、守備ブロックの裏スペースに走り込んだハビエル・エルナンデスが、押し込んだんだ。
このシーンでの、ハビエル・エルナンデス(チチェリート)のボールがないところでの動きが秀逸だった。
彼は、マルケスがヘディングでボールを流す「前のタイミング」で既に、決定的スペースへ向けてスタートを切っていたんだよ。
そのシーンからは、まさに「ゴールハンターのマインド」と呼べる、「ボールが来る・・!」という確信(感覚)と、自然と身体が動いた(!?)アクション連鎖の重要性を再認識させられたっけ。
最後に、クロアチアも一矢を報いたけれど、時すでに遅し。
全体的には、メキシコが勝ちに値するサッカーを展開したって言えるだろうね。
だから、(クロアチアを応援していたことによる!?)悔しさよりも、メキシコを賞賛する気持ちの方が強くなった。そして、そんな自分を、ホッとして見つめていた。
やっぱりオレは、サッカー内容の方に、より強いエンスージアズムを感じているんだよな・・。
あっと・・最後に。ちょっと蛇足だけれど・・
私の隣で、大声で応援しているメキシコ人の方に、こんな質問をしたんだ。彼は、英語がとても上手かった。
「ネ〜、ネ〜・・ちょっと教えて・・クロアチアのゴールキックとかフリーキック、コーナーキックとかスローインとかの時に、あんたら、何かを叫んでいる
じゃない・・『ウ〜ゴ〜ッ!!』・・とかさ・・あれは、昔の大スターだった、ウーゴ・サンチェスからきている『ウ〜ゴ〜ッ』なの??」
「エッ!?・・違うよ・・あれは、『プ〜ト〜ッ!!』って叫んでいるんだよ・・意味??・・『このオカマめ〜っ!』っていう意味さ・・」
「あっ・・そうなんだ・・だから、メキシコのゴールキックやフリーキックのときには叫ばないっちゅうわけか・・ナルホド・・どうもアリガト〜・・」
このハナシを書くことは、最初ちょっと逡巡した。でもサ・・
私には、ゲイの友人も多いから、偏見なんて、まったくない。だからこそ、このエピソードを、何のこだわりもなく自然体で書けるんだよ。
私のゲイの友人たち・・というコトについては、私の「My Biography」を参照して下さい・・でも、どのあたりで「そのエピソード」を書いたのか覚えていない。たぶん、最初のころの、「鈴木中先生とロッキー」というタイトルのエピソードだったかな・・。
ということで、今日は、このあたりで。さて明日は、日本対コロンビアだ。
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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