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2014_W杯(16)・・さて、日本代表・・でもその前に、グループDの肉を切らせて骨を断つ勝負マッチも・・(2014年6月24日、火曜日)

では、まず、退屈な「戦術ゲーム」から、エキサイティングな「神様ドラマ」へと急激に高揚していった、イタリア対ウルグアイ。

イタリアは、引き分ければ二位通過という条件でゲームに臨んだ。またウルグアイにしても、危険を冒さず、トップ二人の才能が作りだすワンチャンスに賭けるというゲームプラン。

ということで前半は、両チームともに、守備を固め、ロングボール一本で仕掛けようとするなど、とても退屈な展開に終始した。

たしかにイタリアの方が、ボールキープ率は高かったけれど(ウルグアイは、スアレスとカバーニの2枚看板による一発勝負に期待!?)、実質的には、まったく互角だった。

まさに、「静的な均衡」と表現するのがふさわしいゲーム展開。

ただ、後半14分に、イタリアのマルキージオが退場になってから、様々な視点で、ゲームの内実が深まっていくんだ。そう、イタリアの真骨頂が光り輝きはじめる・・っちゅうテーマ。

もちろん「カテナチオ」・・というか、イタリアの徹底ディフェンスのことだよ。

要は、「やることが決まった」ときのイタリアは、やはり強い・・っちゅう視点です。

たしかに、スアレスが抜け出してフリーシュートを放ったシーンだけは(後半20分!)、誰もがフリーズしたでしょ。でも「そこ」には、例によって、スーパーGKブッフォンがいたっちゅうわけだ。

この「抜け出し」だけれど、スアレスは、イタリアの二人のディフェンダーと、ウルグアイのカバーニが、ボールをめぐって「もつれあっている」のを冷静に見きわめ、「ここにボールがこぼれてくる・・」と、スッと動いたんだよ。

そして案の定、「そこ」にボールが弾き出てきた。そんな、「ボールがないところ」でのスーパーイマジネーション&自然なアクションに舌を巻いた。もちろんブッフォンのスーパーセーブも含めてネ。

そして、ウルグアイが攻めあぐねていくんだよ。そこまでは、私が想定した「ゲーム展開」そのモノだった。だから私は、イタリアの「勝ち抜け」を確信していた。でも・・

そう、コーナーキックからのヘディング一閃。ウルグアイの、ゴディン。

流れのなかからは、まったくチャンスを作り出せないウルグアイだったから、私も含めて、誰もがイタリアの勝ち抜けを確信していたでしょ。

そんなタイミングで訪れた、ウルグアイのコーナーキック。誰もが、「エッ!?・・もしかしたら・・」という感じで注目した。そして、案の定・・

そのシーンで、ゴディンは、ペナルティーエリアの外から走り込んでいった。ボールが送り込まれてくる「空中スポット」を完璧にイメージして。素晴らしい決勝ゴールだった。

サッカーの神様は、ヨーロッパの「レビテーション国」を一掃したいらしい。スペイン、イングランド、そしてイタリア。

たしかに、ブラジルの気候的な条件によって、多くのチームが、低い位置での「協力プレス」と、そこからの素早いタテへの仕掛け(まあ、ショートカウンター)をイメージし、そして実際に、その多くをゴールに結びつけていた。

攻守にわたって組織的に「動く」のが主流のヨーロッパチームにとっては、気候に対するコンディション調整も含めて、ちょっと厳しい「ゲーム戦術環境」ではあった。

こちらは、ヨーロッパと中南米の、創造性&想像性のぶつかり合いを楽しみしていたから、ちょっと気落ちした。

まあ、仕方ない。後はドイツとオランダに(また、未知数のフランスとベルギーにも!?)期待するしかない。

さて、次は、日本。

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フ〜〜・・まあ、仕方ない。

細かな「テーマ」にまで入り込むのではなく、今日は、シンプルに「外観コメント」にまとめます。

とにかく、まず、日本が、少なくとも、持てるチカラを出し切るカタチで、攻守にわたるチャレンジを積み重ねたことは賞賛しなければなりません。

そう、戦術的な決まり事などに「縛られ過ぎる」ことなく、逆に「自らの意志で自分自身を解放」したと思うんだよ。そう、自分主体のチャレンジ。

彼らは、しっかりと主体的に判断、決断し、勇気をもって、自分のイメージを立派に表現した(行動した!)と思うのですよ。

もちろんチーム戦術やゲーム戦術は大事。

でも、「過ぎたるは及ばざるがごとし・・」というのも明確な事実なのです。そう、まさにギリシャ戦のように・・ネ。

そんな、「自分自身を解放し、リスクにもチャレンジしていく・・」という姿勢こそが、世界との「最後の僅差の壁」をブチ破っていくための、もっとも重要なファクターでもあるのです。

決してフィジカルやテクニックじゃないし、戦術でもない。最後は、意志のチカラということです。何せ、不確実な要素がテンコ盛りのサッカーは、ホンモノの心理ゲームなんだからネ。

そして、この試合での日本代表は、ギリギリまでチャレンジしつづけた。

だからこそ、相手との「本当のチカラの差」が、より鮮明に見えてきた。だからこそ、縮こまるのではなく、相手ディフェンスが「怖がる」ような仕掛けもブチかましていけた。

今日の彼らは、私にとって、まさに日本のアイデンティティー(誇り)だった。今は、「そのこと」を躊躇なく公言できるし、「そのこと」を体感させてもらっただけでも、ブラジルに来た甲斐があったと感じているのですよ。

まあ・・、だからこそ逆に、彼らが全力でチャレンジしつづけ、相手守備をビビらせたからこそ、あんなカタチで、次々とカウンターを決められ、(点数的には!!)一敗地にまみれてしまったことが、とても悔しかった。

もちろん選手たちに同情などしないし、そんなモノを受け容れることなど、彼らのプライドが許さないでしょ。

彼らは純粋プロなのだから、この「辛い経験」を受け容れ、自分なりに「昇華」し、そして次の発展ステージへ(自力で!!)這い上がっていくためのエネルギーに変換しなければならないのですよ。

最後に、話題を変え、ちょっとだけチーム戦術的なテーマにも触れようかな。

要は、この試合では、大久保嘉人が先発したことで、「本田圭佑のお家」というイメージが、かなり緩和されたというポイントです。

そして本田圭佑は、大久保嘉人と「も」タテにポジションチェンジをしたり、「両シンジ」ともポジションを入れ替えたり。

そう、この試合では、ゼロトップ的な、前線カルテットの(縦横無尽の)ポジションチェンジ「も」頻繁に見られたんだよ。

もちろん、そのことで本田圭佑のプレーにも活力が戻ったし(日本の仕掛けプロセスを、かなり牽引できていた!)、それが、岡ア慎司のゴールにもつながった。

そうでしょ・・その方が、やり易いでしょ。

そして、人とボールが、より活発に動きつづけたことで、自分たちが内包する、組織サッカーイメージを、より確かに、グラウンド上に「投影」できた。

だからこそ、コロンビア守備ブロックを、何度も焦らせ、振り回した。

もちろん「日本代表のダイナミズム」が、コロンビアにリードされたことで、より加速していったのも確かな事実だった。前半でも、後半でも。

たしかに前半は、コロンビアのミスが重なったことで助かったシーンも多かったけれど、後半は、ペケルマンが「選手交代に動いた」ことで、カウンターの威力が(その正確性と創造性が!)何倍にも膨れ上がったと感じた。

まあ、仕方ない。

今日は、こんなところで止めにします。日本に帰ってからビデオで確認し、特筆のポイントがあれば、「The Core Column」で書きます。

さて、これから、ドイツというテーマに集中しよう。

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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