トピックス
- 2015_ACL・・こんなハイレベルな仕掛け合いは滅多にない・・だからレッズにとっても価値ある学習機会になったはず・・(レッズvs北京、1-1)・・(2015年4月8日、水曜日)
- まさにエキサイティングそのものっちゅう「ガチンコ勝負」になった。
カゼで火照った身体が、余計、火照ってしまった。
そう、熱を出してダウンしているっちゅう体たらくの筆者なのですよ。
でも、ゲームの素晴らしくエキサイティングな内容に刺激され、とにかく骨子だけでも書き残しておこうと、キーボードを手元に引き寄せた次第です。
皆さんもご存じのように、この頃の中国クラブチームは、とても良くなっている。
要は、外国人プロコーチが多く採用されるようになったことで、攻守のハードワークと、それを基盤とした組織サッカーのレベルが大きく向上しているということです。
中国プレイヤーたちの個のチカラは、以前も世界から認められていた。でも、ホンモノの組織ボールゲームであるサッカーだからネ、互いに、他の選手のミスまでも、『積極的な意志をもって!!』カバーしなきゃ機能しない。
その視点で、いままでの中国では、「良いチーム」など、とんと観たことがなかった。でも近頃は・・
だから、これからは、中国の代表チームも、日本代表にとっての強力なライバルになる可能性が大きくなっているということです。
まあ、周りに強いチームがいることは、とても良いことだから、日本も、そんな「環境」をうまく活用しなきゃいけない。
あっと、ゲーム。
皆さんも観られた通り、北京国安は、最初から、ガンガンとプレッシングをブチかましてきた。その勢いは、まさに予想を超えていた。
もちろん、バタージャやダムヤノビッチという主力の外国人選手をベンチスタートにするという「余裕」はみせていたけれど、逆に、チャンスを掴んだ「2番手チョイス」の選手たちが、ものすごいモティベーションで攻め上がってきたっちゅうことでしょ。
でも、そんな相手の勢いが、レッズを奮い立たせた。
彼らは、10分もしないうちに、ガンガンと人数を掛けて押し返しはじめただけじゃなく、ゲームのイニシアチブまでも握っちゃうんだよ。
ここでは、カゼもあるから、上述したゲーム展開から、一つだけテーマをピックアップしようと思う筆者です。
そのテーマとは・・
この試合は、レッズにとって、まさに掛け替えのない学習機会だったということ。
相手に押し込まれる・・という展開自体が希なレッズだからね、それに、その相手が、とても強力ときている。だからこそ、ものすごく貴重な学習機会。
レッズ選手たちは、グラウンド上で、相手の強さを体感していたに違いない。
それでも彼らは、まったくビビることなく、局面でのギリギリの(ボール奪取やスペース攻略)勝負を挑みつづけ、最後の最後まで勝利を目指した。
そのプロセスでは、ボール奪取勝負(ディフェンス)の量と質が、もっとも重要な「学習ベース」だったと思う。
そこでは、まさに一人の例外もなく全員が、トレーニングで培った「共通イメージ」をベースに、効果的なボール奪取勝負プロセスに「乗って」いたんだよ。
そう、優れたイメージシンクロに根ざした優れた連動ディフェンス。
また、局面でのボール奪取勝負でも、スマートさだけじゃなく、勇気と力強さも魅せつづけた。
私は、「それ」が、とても大事なことだったと思うわけだ。
そう、プロの意地。
「ヤツ等になんか(心理・精神的に!?)負けていられるか!!!」
もちろん、この結果を受け、グループリーグの突破が「もっと」難しくなった。
でも私は、様々な意味合いで「どんどん成長しつづけている」レッズを体感することが出来て、とてもハッピーだったんですよ。
私の「体温」も、少なくとも一度はヒートアップした。
そう、「変な様子見」などに落ち込むことなく、最初から最後まで、攻守にわたって積極的に(ハードワークを!!)ブチかましていくという、そのプレー姿勢が素晴らしかった。
最初から最後まで、ゴールへ向かって、またボールを奪い返すためにリスクチャレンジを仕掛けていく・・その姿勢。
そんな「ギンギン」のハードワーク&組織サッカーに、関根貴大や高木俊幸、はたまた槙野智章といった突貫小僧連中が勇敢なドリブル勝負を仕掛けていった
り、ものすごい攻守ハードワークを絶対的ベースに素晴らしい組織プレーを展開する武藤雄樹が、スペースをつなぐドリブルや、パスレシーブから(ダイレクト
で!!)スマートな決定的スルーパスを通しちゃったりする。
私は、そんな「積極的なレッズ」だったからこそ、このゲームが、次につながる、とても価値ある学習機会だったと確信していたわけです。
また、イケイケの最後の時間帯に登場した阿部勇樹が、相手の外国人天才プレイヤーたちを抑えるように守備ブロックを統率していたのも秀逸だった(≒優れたリスクマネージメント!)。
とにかく、「イケイケ」と「冷静なリスクヘッジ」が、うまく同居していたこのゲームは、今シーズンのレッズに対する希望と期待を大いに盛り上げてくれたんですよ。
追伸:
たしかに前半では、その後のディフェンスという視点で、「前後左右の(人数&ポジショニング)バランス」が取れていなかったシーンも目撃したけれど、理不尽なサッカーだからネ、常に理想的なバランスなんて取れるはずがない。
要は、常に「バランスが崩れる」のが優れた積極サッカーの本質だからこそ、「バランスを素早く再構築」できる能力こそが、優れたバランス感覚・・っちゅうことなんだよ。あははっ・・
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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