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2015_アジアカップ(1)・・シドニーに到着・・それと開幕戦・・(オーストラリアvsクウェート、4-1)・・(2015年1月9日、金曜日)

さて、シドニーに到着しました。

開幕マッチのオーストラリア対クウェート戦は、メルボルン開催ですが、それはスキップして、まず真冬から真夏への、アクリマティゼーション(気候順応)から入っていかなきゃってな具合。

ところで、シドニー国際空港からダウンタウンのホテルへの移動。

疲れていたことで、どうしようか迷ったけれど、やっぱり出費は控えなければ・・と、色々なホテルを回ってくれる「シャトル・サービス」に乗ることにした。

15人ほどが乗れるミニバン。乗客で一杯だぜ。それも、オーストラリアや欧米の(少し横幅がある!?)ツーリストがメインだから、そりゃ、ぎゅう詰めになるのも道理。

真夏だし、すし詰めだから、冷房が効くまで時間がかかる。それだけじゃなく、ドライバーの方は中国人で、話す英語は、中国語とオーストラリア訛りがミックスして分かりにくいことこの上ない。そして、言葉づかいや態度が、ものすごく横柄。また声も大きい。フ〜・・

それでも、このドライバー氏、運転は上手かったし、仕事内容も、とても洗練させていた。

アグレッシブに、スイスイとクルマの間をぬうようにドライブするんだよ。それも、変な急ハンドルを切ることがないからヒヤッとすることもない。いや、逆に、ストレスなく快適でさえある。フ〜ン・・

そして、空港に近いホテルから順に客を送り届けるんだよ。それも、ミニバスの止め方とか、お客さんの誘導とか荷物下ろしとか、とてもスムーズにこなす。フ〜ン・・

そして私の番になった。

「アンタの泊まるホテルの名前は、聞いたことがないから、ダーリン・ハーバー近くのノボテルでいいよネ・・」

要は、私の「B&B」は小さなバジェットホテルだから、その近くの有名ホテルで私のことを降ろすって言っているわけなんだよ。もちろん「そこ」からは徒歩。

まあ仕方ない。地図は、デジカメに収めてあるから大丈夫だとは思うけれど・・。

でも、そう気を引き締めていたら、そのドライバー氏がこんなことを言い出すんだよ。

「アンタのホテルの住所は・・だったよな!?・・いま、そのストリートに入るから、ハウスナンバーを言ってよ・・あっ、そう・・」って、ホントに、ホテルの真ん前までバスを横着けしてくれた。

フ〜〜ン・・

もちろん別れるときには、感謝を込めて、相手の目をのぞき込むように微笑みながら力強く握手を交わしたよ。

そしたら、そのドライバー氏、はじめて相好を崩した。やっぱり、心なんだよね、心。それが通じ合うためには、相手をレスペクトする素直な笑顔が一番だっちゅうことか。

まあ、それでも裏切られることは多いけれど、とにかく、まず自分から「仕掛けていく」ことで、何かは残るでしょ。そう、サッカーと同じ。ははっ・・

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そんな、こんなで、青息吐息でホテルに入った私は、部屋の内容と通信関係を確認し、ホテルのフロントで、様々な基本情報を仕入れるルーチンワークを着実にこなしていくのでした。

ところで、私がネットを通じて予約したホテル。

まあ、「そのつもり」でもあったんだけれど、そのホテルは、ホントに、シドニーの中心的な観光地域の真ん中にあった。

そう、ダーリングハーバー。もちろん、チャイナタウンにも近い。

このコラムの最初から、文章の内容とは関係なく掲示した写真は、そのダーリングハーバー周辺の概観。いや、ホント活気がある。

でも、暑い。30度は優に超えている。でも湿度が低いから、日陰に入れば、とても楽。とはいってもネ〜・・真冬から真夏だからサ・・。

このところコラムから離れていたこともあって、どうも、タイプの動きが「ギコチない」。ちょっと前だったら、詰まらないコトも含めて、自然とハナシが、四方八方に飛び散ったんだけれどサ。

ということで、ダーリングハーバー、ダウンタウンを通り、メディア用シャトルバスが発着する「フォーシーズンズ・ホテル」へ歩を進めた。

たぶん私のホテルからは3キロほど。ゆっくりと散策しながら歩いたから、ホテルに到着するまでに小一時間ほどかかった。そして・・

汗だくになりながら、まずフロントで、メディアシャトルバスのことを聞いた。そしてビックリした。

「エッ・・何ですか?・・メディアシャトルバスですか?・・エッ!?・・アジアカップ!?・・」

そのフロント氏、フロントデスクの右奥のラウンジ周辺には、大きなアジアカップの掲示板や旗が立てられ、アジアカップ専用のパーティー会場も目立つカタチで設置されているのに、アジアカップの開催自体を知らなかった!?

まあ、そんなことはないとは思うけれど、その最初の反応にビックリさせられてしまったんだよ。

でも、あれほど明確に、アジアカップ取材のジャーナリストで、スタジアムへ行くためのシャトルサービスの発着場所を探しているって言ったのに、キョトンとして、まともに反応しなかったから、ホントに知らなかったのかもしれない。

そしてサ、そのフロント氏、私に、こんな聞き方もしたんだよ。

「アナタは、ウチにお泊まりのお客様ですか?(それだったら、しっかりと調べますよ・・!?)」

「そんなことは関係ないでしょ・・こちらはアジアカップ取材の日本人ジャーナリストで、大会のオフィシャルホテルになっている(!?)アナタのホテルから発着するメディアシャトルバスのことを聞いているんですよ・・」

「まあ・・いいです・・他の方に聞きますから・・」

私は、その高慢な言動もチト鼻についていたから、そう言って、プイッと踵(キビス)を返した。

暑いなかを歩いて汗をかいていたし、夜行フライトのなかで眠れなかったこともあって、ちょっとイラついていたかもしれない。まだまだ人間ができてないね・・ホント・・情けない。

でもその後は、パーティー会場近くで何やら仕事をしていたマネージャー氏に話し掛けたことで、すべてがスムーズに運んだ。でも、疲れた。

メディア用シャトルバスだけれど、それは、快適なだけじゃなく、降車スポットも、スタジアム入り口の目の前ということで、本当に有り難いサービスなんですよ。

そのスタジアム・オーストラリアだけれど、中心街からは、かなり遠い。

もちろん電車を使っても行けるけれど、やはりメディアセンターの真ん前まで連れて行ってくれるバスは楽だよね。他のコトに気を使わなくて済むしさ。

こちらは、他のフリーランスジャーナリストの方々同様に、レンタカーや電車&公共バス移動などを何度も経験しているからね、メディアバスの有り難みが身に染みるっちゅうわけなのです。

降車場所は、もちろん、メディアセンターと、アクレディテーションセンターの目の前。そんなだったから、メディアAD(アクレディテーション・・まあプレ スIDとか呼ばれているモノです)の発行、メディアセンターでの情報集めなどが、順調に進んだことは言うまでもありません。

ところで、フリーランスジャーナリストとしての私の心得の一つに、こんなコトもあるんですよ。それは・・

・・カネがあっても、なるべく、バスや電車などの公共交通機関を使うようにする・・またホテルなども、「サッカー関連の収入に応じたレベル」にする・・等など・・

それも、これも、フリーランサーの矜持ってなわけです。

もちろんビジネスの場合は、フライトにしてもホテルにしても、はたまた移動手段にしても、推して知るべしだけれど、とにかく、ことサッカーに関しては、あくまでも「ハングリーさ」を失わないように心がけているっちゅう次第なのです。

あっ・・蛇足。

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ということで、開幕戦。

クウェートは、ホントに頑張ったよね。・・というよりも、オーストラリアとのチカラの差が、どんどん縮まっているってなことも感じていたんだ。

「個」の局面勝負における質(危険度)にしても、戦術的な組織サッカーの量と質にしても。

だから、地元オーストラリアといえど、簡単には勝てない。たしかに終わってみれば、全体的な内容に見合った結果に落ち着いたけれど、それでも、オーストラリアが、完璧にゲームを牛耳っていた・・っちゅうわけでもない。

逆に、クウェートが、何度も、局面での個の勝負や、組織的なコンビネーションで、ハッと息を呑むほどに自信をもって危険な仕掛けをブチかますシーンも多々あった。

たしかに、時間とともに、オーストラリアの「ドミナンス(ゲーム掌握内容)」が、どんどん高揚していったけれど、それでも私は、弱者と考えられていたクウェートの方が、「ある意味で」より強いインプレッションをブチかましたと「も」感じていたわけだ。

言いたかったことは、唯一。たしかに実力的にはアジアトップにある日本だけれど、それでも、勝負となったら分からない。

日本代表は、先制ゴールを奪われたオーストラリアが、地元のプレッシャーも含め、本当の意味でクウェート守備ブロックを崩し切ったシーンを作り出せるようになるまでに、相当の時間がかかった・・という事実を、しっかりと噛みしめて初戦に臨むべきだと思うわけだ。

まあ、選手たちは、アジアが全体的に底上げしてきていることを体感しているだろうから、安易な気持ちでグラウンドに立つことはないと思うけれど・・。

でもサ、1人でも、ほんの1人でも、「変な様子見」状態になってしまったら、その「受け身ヴィールス」は、本当に、瞬く間にチーム全体に蔓延しちゃうからね。

その意味でも、この初戦からは、様々な「構造変化」を、しっかりと意識しながらゲームに臨むことが大事だという事実を再認識させられた筆者だったのですよ。

チト、アタマが朦朧(もうろう)としてきた。もう寝ます。では明日。

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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