トピックス
- 2015_アジアカップ(14)・・錦織圭!!・・そして、攻守にわたる「二つの異なったタイプ」のぶつかり合い・・興味深かった・・(韓国vsウズベキスタン、2-0)・・(2015年1月22日、木曜日)
- このホテルの部屋でも、「FOX-TV」は入らない。
でも、「デジタル7」という無料チャンネルで、錦織圭とドディック(クロアチア)の対戦をライブでやっていた。ホント、ついてた。
ゲームは、現地時間で午前11時(日本時間では午前9時)にスタート。ということでそこからの3時間は、手に汗握った。
手に汗握った!?
そう、相手のドディックもまた優秀な選手であり、ものすごい闘う意志のチカラで、(格上であるべきの!?)錦織圭を、何度も「追い込んだ」んだ。
断っておくけれど、私は、テニスについては、ケルン体育大学の授業でやっただけだから、プレーすることについては、まさに素人です。でも、観戦じゃ・・
当時は、サッカーだけじゃなく、テニス、ハンドボールやモータースポーツなど、様々なヨーロッパスポーツの観戦にも、のめり込んでいたんですよ。
とはいっても、もちろんここで、変にテニスを「語ったり」はしませんよ。ご心配なく。
でも、錦織圭のゲームを、集中して観ているうちに、ドイツ留学時代の「観戦エモーション」を思い出していたんだよ。
私がドイツに留学していたのは70年代。そこでのスターと言えば、何といっても、スウェーデンの「ビョルン・ボルク」だった。
私は、その「クールでロジカルなプレーぶり」が好きだった(また、シェイプアップした身体をピタリと包み込むウェアもカッコ良かったよね〜!)。だから、ビョルンを応援していた。
そして、だからこそ、テニスの観戦を、高い参加(当事者)意識で、とことん楽しめていたっちゅうわけだ。
もちろん、その楽しみの絶対的バックボーンは、強力なライバルがいたこと。
彼の存在は、最初はジミー・コナーズ、そして天才ジョン・マッケンローやイヴァン・レンドルという「強力ライバル」が次々に出現したからこそ、光り輝いた。
やはり、互いに全力を出し切るギリギリの勝負ほど、観ていて感動させられるモノはないよね。
そして、ゲーム観戦を重ねているうちに、テニスもまた、「限界領域」の心理戦だと思えるようになったんだ。
そのときの心理状態によって、ショットの振りが「数ミリ」狂っちゃうんでしょ。ドイツの友人(後にプロ選手になったと聞いた!)が、そんなことを話してくれたことがあった。
だから、技術的なコトなんて全く分からない私は、ゲームのなかで揺動する「二人の心理」の方に注目するようにしたんだよ。
その意味で、ビョルン・ボルクは、ホントに「冷徹なプロ」だったよね。
そんなこんなで、選手たちが、心理的に「解放」され、リラックスできているかどうかが、何となく感じられるようになったというわけです。
あっと、やっぱり「語って」いる。スミマセン・・
ということで、今日の錦織圭とドディックとの対戦でも、「その感性」で観察していたっちゅう次第。
ドディックは、何も失うモノはない。それに対して錦織圭は、何となく、硬い。フムフム・・
それでも、絶対的な「実力」では、錦織圭の方が上なんでしょ。だから、ベースラインの打ち合いになったら、明らかに、錦織圭にアドバンテージがあるって感じた。
とはいっても、錦織圭の心理が「縮こまっている」ときのショットは、何となく寸詰まり・・っていう感じ。彼自身も、何度も、自分のプレーに不満であることを態度で表していたっけね。
まあ、たしかに、縮こまったり、解放されたりという「心理的な小さな波」が繰り返されたように感じていたけれど、試合の終盤になって、やっと錦織圭が、本来の実力を発揮しはじめたって思えるようになったんですよ。
あくまでも素人の感覚だよ、素人の・・
その、第四セット、最後の3ゲームからタイブレークにかけて。錦織圭の本来の実力が、安定して発揮されるようになった・・って感じていたわけなのです。
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これから早めの夕食を摂ってスタジアムへ向かいます。
スタジアムは、全豪オープン会場に隣接しているから、早めに行かなければ、大渋滞で遅刻しちゃうからね。
では、後でまた〜・・
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それにしても、ものすごい「せめぎ合い」だった。まさに、激動の均衡マッチ。
最後の最後は(延長後半のロスタイム!?)、チャ・ドゥリが、スーパーなドリブル勝負で右サイドゾーンをブッちぎり、2点目をお膳立てしてゲームを決めた。でも、そこまでは・・
そう、まったく勝負の行方は分からなかったんだよ。延長前半で韓国が1点リードしたにもかかわらず・・ね。
それまで、とてもクレバーなゲーム戦術を駆使し、スマートなサッカーを展開していたウズベキスタンが、ゲーム戦術の「心理的な規制」から完璧に解放された・・っちゅうことだ。
だから、それまで、攻守にわたって上手くバランスを取ることの方に気をつかっていたウズベキスタンが、もう「イケイケ」で前へ突っ掛けていったんだよ。
そうなったときのウズベキスタンの攻撃は、素晴らしい破壊力を発揮する。
たしかに、レギュラータイムが終了する直前の数分間のウズベキスタンも、「ここが勝負だっ!!」と、全員が、前へ突っ掛けていった。
そして、韓国を押し込んだだけじゃなく、何度も決定的チャンスも作りだした。そのときのウズベキの迫力オフェンスからは、「よしっ!!・・ここで勝負を決めてやるぞっ!!」てな強烈な意志を感じたっけ。でも結局は、そのまま延長へ突入してしまった。
そして延長の後半には、同じように、フッ切れたウズベキスタンの迫力ある攻めが展開されたっちゅうわけだ。
でも、そんな、人数を掛けた「フッ切れた仕掛け」をブチかましたからこそ、タイムアップ寸前に、前述した通り、チャ・ドゥリに、爆発的なカウンター勝負ドリブルを許しちゃった。
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そんなゲームだったけれど、そこからは、二つの「視点」を取りあげようと思う。
一つは、両チームの、中盤からの「ディフェンス・タイプ」の違い。
韓国は、常に、積極的に、相手ボールホルダーへ「アプローチ」していく。そう、忠実でダイナミックなチェイス&チェック。
だからこそ、協力プレスを仕掛ける状況を作り出し易いし、相手からボールを「奪い返す頻度」でも、そのボール奪取の「位置」でも、ウズベキスタンを上回った。
そして、守備の内実で上回ったからこそ、ゲーム全体の(見かけの!)イニシアチブも握った。
それに対してウズベキスタンは、前述したように、あくまでもポジショニングバランスを重視し、守備ブロック全体として、韓国の攻めを、あるゾーンへ「追いやって」ボールを奪い返そうとする。
そう、彼らの中盤ディフェンスからは、相手のプレーゾーンを「コントロール」することで、より効率的に、そしてスマートにボールを奪い返してしまおうという意図を感じるんだよ。
ここでは、どちらが優れているのかというディスカッションには入り込みませんよ、念のため。
そして、二つ目の、両チームの「違い」。
それは、シュートへ至る最終勝負プロセスのアイデア。要は、どんなイメージで、チームがシュートまで行こうとしているのか・・という視点のことです。
それは、両チームで、とても大きく違っていたと思う。
要は、韓国が、より「個の勝負ドリブル」を前面に押し出して、スペースを攻略していこう(そして何らかのカタチでシュートまで持ち込もう!)としていたのに対し、ウズベキスタンの場合は、あくまでも、組織パスコンビネーションが主体なんだ。
だから、ウズベキスタンの場合は、ツボにはまれば、より効率的に、そしてスマートに韓国守備ブロックのウラの「決定的スペース」を攻略していた。
それに対して韓国の最終勝負は、とても「派手」だよね。とにかく、誰かが勝負ドリブルをはじめたら、周りは、決して邪魔をしない。それが、どんなに「ゴリ押しの勝負ドリブル」であったとしても。
それだけじゃなく、勝負ドリブルなのに、周りのチームメイト達が、しっかりとボールがないところで動くことで(フリーランニング)、ドリブラーに、ラストパスの可能性も作り出すんだよ。
まさに、究極の、汗かきハードワークだね。
ということで、全体的なサッカーの内容だけれど、まあ、互角。
たしかに、表面的な「見え方」としては、韓国がイニシアチブを握っている時間帯の方が長かったことで、彼らのチカラの方が少し上のように感じられたことも確かだった。
でも、前述したように、実質的なチャンスの量と質という視点じゃ、まさに互角だったんだよ。
とにかく、二つの異なったタイプの守備と仕掛けがぶつかり合った。とても、とても興味深い勝負マッチではあった。
最後に、この激戦を勝ち抜いた韓国代表に対し、素直に、おめでとうと言いたい。
彼らは、最後の最後まで、この勝利に相応しい「闘う意志」を魅せつづけた。
彼らと「も」、決勝で会いたいね。えへへっ・・
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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