トピックス
- 2015_アジアカップ(15)・・今日も朝から色々とあった・・また日本代表は、とても残念な結果に終わってしまった・・(日本vsUAE、1-1、PK戦で敗戦)・・(2015年1月23日、金曜日)
- フ〜〜ッ・・
またまた、朝から、心を乱されるコトがつづいた。
まず、空港へ行く「乗り合いバス」。
タクシーには乗らないと心に決めたから、直接エアポートへ行ってくれるシャトルバスを、3日前から予約していた。もちろんホテルのフロントで支払いは済ませてある。
このシャトルバスだけれど、客を、ホテルまで行ってピックアップするのではなく、客が、決められたバス停まで行き、そこでシャトルバスを待つというシステムです。まあ、効率的。
私の場合は、そのパス亭が、ホテルの真ん前だったことで、理想的だったんですよ。でも・・
そう、6時にホテルをチェックアウトしてバス停に立ったモノの・・
6時15分。バスが来ない。
6時20分・・来ない。
6時30分・・まだまだ来ない。
シドニー行きのフライトは8時だから、もうギリギリ。仕方なく、タクシーを止めようと手を挙げた。タクシーは、すぐに寄ってきた。そしたら・・
そう、道の反対側に赤いシャトルバスが止まり、ドライバー氏が、大声で私のことを呼んだんだよ。
私が、心のなかで、「何で道路の反対側に停まるんだよっ!!」って毒づいたのは言うまでもありませんよね。
でも、実際の言葉は呑み込み、また、停まってくれたタクシーに、「ゴメンッ!」って合図して、反対側まで道路を横切ったんだ。そんなことを客にさせるなんて信じられないヨ、ホントに。
でも、そのドイラバー氏が、軽く会釈して、「ソリー・・」って言ったんだよ。だから、憤りの表情や言葉は呑み込んだ。フ〜〜ッ・・
シャトルバスのなかは、満杯。家族連れやお年寄りばかりだ。その陣容をみて、何となく、遅れた理由が想像できた。
シートが一杯だったから、結局ドライバー氏の横の助手席に座ることになった。そしたら・・
そう、ドライバー氏が、運転しながら、小声でわたしに話し掛けるんだよ。曰く・・
・・スミマセンね・・みられた通りのお客さんだから、いなくなった子供を探したり、お年寄りを、ホテルまで迎えにいったりしなきゃいけなかったんです・・もちろん、ホントは、お客さんがバス停まで出ていなきゃいけないっていうシステムなんですけれどネ・・
なるほどネ〜・・
だから私も小声で・・
・・それは大変でしたね・・よく分かりました・・私のフライトは8時ですが、大丈夫ですよね?・・
・・それは、大丈夫ですよ・・30分くらいで空港に着きますから・・
・・それは、よかった・・
そんなだから、バスを降りるときには、そのドライバー氏と固く握手したことは書くまでもありませんよね。そう、「お疲れ様でした・・グッドデイ!!」ってな感じ。
次に、一昨日のコラムで書いたジェット・スター。
予約を変更できなかったっていうエピソードだったのですが、その後、電話のオペレーターが、私のオリジナルフライトの予約を、変にイジッていないかどうか心配になった。
電話グチでの彼女の説明や話し方、また変更するだけだと頼んでいるコチラの心情をまったく慮(おもんぱか)ることのない態度に、ちょっと「カチンッ!」ときてしまったから、電話の切り方も「横柄」になってしまったかもしれないんだよ。
だから、チト不安な気持ちになってしまったというわけです。
・・何かイヤな感じだな〜・・まあ、まさか、変なコトが起きるはずはないと思うけれど・・
でも・・
そう、空港のフロアに備えてあるチェックインマシーンで手続きしようとしたとき、予約コードを正しく入力したにもかかわらず、「アナタの予約を確認できません・・」なんていうメッセージが、ディスプレイに表示されてしまったんだよ。
それも、二度もつづけて。
ヤバイ・・
だから、すぐに近くの女性スタッフのもとへ急いだ。
私から「予約コード」を受け取った彼女は、「大丈夫です・・問題があったら、別の方法でチェックインを完了させますから・・」なんて言いながら、同じように、予約コードを入力したんだ。そしたら・・
・・アラッ・・問題なさそうですね・・ハイ、チェックインが完了しましたよ・・
・・そんな〜・・じゃ、さっきのは、いったい何だったんだろうか?・・
だから彼女に聞いた。
「でも、どうして私がやったときは、二度もつづけてチェックインできなかったんでしょう?・・よく、分からない・・」
そしたら、そのスタッフの女性が、微笑みながら、「私は、マジックフィンガーをもっているんですよ・・」、だってサ。フ〜〜ッ・・
そして、ラゲッジのドロップオフカウンターで無事に荷物を預けてゲートへ向かった次第でした。でも・・
そう、そこでも・・
何と、フライトが1時間半も遅れるって場内アナウンスが言うんだよ。
もう、本当にビックラこいたて、気持ちが滅入っちゃったモノでした。
何せ、空港へ向かうシャトルバスの遅れ、チェックイン・マシーンでのトラブル、そしてフライトのディレイ・・。
このまま本当に、何事もなくシドニーに到着できるんだろうか・・? まあ実際には、そんな考えをめぐらせるコトなど、まったくなかったけどサ。
今日は、これから、日本の勝負マッチがあるっていうのに・・フ〜〜ッ・・。
______________
ということで、とても残念な結果に終わってしまった、UAEとの準々決勝。
まあ・・、仕方ない。
(これまでの3試合と同様に!)あれほど決定的なチャンスを作りつづけたのに・・という「タラレバの情緒」も残ってはいるけれど、いくら悔しくても、やはり現実を直視しなきゃいけない。
たまには「めくるめく歓喜・・」、たまには「奈落の失望・・」、それがサッカーなんだよね。
ということで、あり得ないほど悔しい勝負マッチになったこの試合からは、二つの、とても重要な「ゲームの流れに影響をあたえた出来事」をピックアップしようと思います。
一つは、(若手への!)選手交代によって、日本代表のサッカーが活性化したという事実。
そしてもう一つは、交代枠を使い切っていたために、ケガした(肉離れ!?)長友佑都を、そのままピッチに残さざるを得なくなった(実質的には10人でプレーせざるを得なくなった!)最後の時間帯での出来事。
まあ、PK戦については・・ネ。
ということでディスカッションに入るけれど、その前に、まず、UAEにリードを奪われてから、状況を好転させられないままに、時間だけが過ぎていった・・という現象から入っていきます。
日本代表は、集中力が散漫で先制ゴールをブチかまされてから後半に若手を投入するまでの間、「まったり」とした展開にはまってしまったんだよ。
それは、こんな感じ・・
・・ボールは動いているけれど、まったくといっていいほど、リスクチャレンジが出てこない・・安全パスをつないでいるだけでは、スペースを攻略できるはずがないのに・・
・・中盤でのポゼッション・・そのとき、前戦プレイヤーが、タテへ「抜け出そう」としているシーンは何度も目撃した・・でも、リスクチャレンジのタテパスが出てくることはなかった・・
・・UAEの守備は、たしかに充実している・・彼らが、日本の攻撃をスタディーし、しっかりと準備してきたことは確かなコト・・
・・彼らは、日本のコンビネーションも明確にイメージし、ボールがないところでの動きを着実に封じていた・・
・・そんなUAE守備に対して、日本は、彼らの「眼前」でボールを動かすばかり・・それでは何かをおこすことは出来ない・・
・・もちろん、何度かは、ゴリ押しのドリブル勝負やコンビネーションでチャンスを作り出しはしたけれど、どう考えても、その仕掛けは「単発」にしか過ぎなかった・・
・・とにかく、もっと人数を掛け、「3人目や4人目のフリーランニング」もふくめて、タテへ仕掛けていったり、個の勝負もミックスしていくような、リスキーなコンビネーションとかにチャレンジしなければ、この「まったり」を打破できない・・
・・個の勝負については、本田圭佑、長友佑都や酒井高徳には期待できそうだったけれど・・そんな彼らにしても、相手を完全に置き去りにするような勝負ドリブルは、数えるほどしか繰り出せていなかったからね・・
・・とにかく、UAE選手の個のチカラが優れていることで(スピード、パワーと十分なテクニック!)、局面勝負に持ち込んでも、そう簡単には抜き去ることができないんだよ・・
・・だからこそ、人とボールが活発に動きつづける組織パスコンビネーションを駆使しなければいけなかったのに・・UAEに、その「動き」を封じられてしまった・・
・・要は、後半にアギーレが繰り出した選手交代が機能するまでの日本代表は、まさに、UAEの術中にはまっていたっちゅうことだね・・
でも・・
そう、後半になって、武藤嘉紀と柴崎岳が出場してからは、かなりゲーム内容が好転していった。
特に柴崎岳がブチかます「タテへのリスキーな勝負パス」は秀逸。
そんな、本田圭佑とリンクした仕掛けコンビネーションで同点ゴールをブチ込んだだけじゃなく、その後も、どんどんと、日本攻撃を活性化していったんだよ。
本田圭佑や香川真司、はたまた長谷部誠もふくめて、皆、積極的に柴崎岳を「探すように」なっていったからね。そりゃ、柴崎岳のプレーぶりをみてりゃ、誰だって頼ろうとするよ。まあ、立派。
また守備でも、「次のボール奪取を狙うタイプ」の柴崎岳は、効果的にUAEの「次のパスレシーバー」を潰しに行き、そして実際に「そこ」でボールを奪い返したりするんだ。
まあ、局面での「フィフティーのせめぎ合い」では、彼とても、簡単に競り勝てるわけじゃなかったよね。とにかく、UAE選手たちは、「個のチカラ」では、とても力強いモノをもっているんだよ。
また、武藤嘉紀だけれど、彼もまた、惜しいドリブルシュートや絶対的なヘディングシュートを放つなど、気を吐いていた。
でも・・
そう、彼にしても、UAEディフェンダーを置き去りにしてしまうようなシーンなど、簡単に演出することは出来なかったんだ。
だから、彼も、積極的な「タテへのコンビネーション」で才能を発揮しようとしていた。
私は、武藤嘉紀が、そんな、組織プレーと個人の勝負プレーを高みでバランスさせる「正しい感覚」を身につけつつあることを感じ、とても頼もしく思っていましたよ。
この試合での柴崎岳と武藤嘉紀の若手コンビは、彼らが、日本代表の将来を担う、とても大事な存在であることを強烈にアピールしたわけだけれど、そのことは、このゲームでの、とても大きな収穫だったよね。
そして最後に、長友佑都。
そのとき、「アッ・・!!」ってな頓狂な声を出してしまった。
延長の前半で、長友佑都が、左サイドのタッチライン際で、強い横パスを受けたシーン。そのコントロールに失敗したとき、足の二頭筋を痛めてしまったんだ。
長友佑都の「仕種」で、すぐにそのコトが把握できた。でも、もう既に、3人の交代枠は使い切っている。さて・・
それでも彼は、無理してプレーを続行したんだよ。
そりゃ、チーム全員が心配するよね。そして延長のゲーム内容が、またまた「まったり」したモノへと減退していっちゃったんだ。
それは、無理のないこと。
もし、レギュラータイムの後半のように、ガンガン仕掛けていったら、もちろん左サイドの長友佑都にも、激しい上下動や、相手カウンターへの対処など、大きな負担を強いてしまうでしょ。
私は、チーム全員が、そのことについての正しい理解をシェアしていたと思っているんですよ。だからこそ、ゲームのペースが、とても落ち着いてしまったというわけです。
そして延長の後半。
長友佑都は、2列目に入り、柴崎岳がサイドバックを務めることになった。まあ、そのことで、相手を全力で追いかけるといった「強烈な負荷」は、ある程度は免れるでしょ。でも・・
実は、私は、長友佑都をリタイアさせ、10人でプレーすべきだと思っていたんだよ。心配しながら中途半端にプレースよりも、少ない人数でも全力で仕掛けていく方が、絶対に有利だって思っていたんだ。
でも、長友佑都の意志もあるしね。まあ、難しい判断ではあった。
___________
あ〜あっ・・今日で、日本代表とサヨナラか・・
そのことを考えたら、とても、とても寂しいですよ。ホントに・・。
でも、現実だから仕方ない。
今日は、今大会では最高のサッカーで存在感を発揮しつづけていた3巨頭の一角、イランもまた、PK戦で、イラクに苦杯をなめさせられた。
これで、サッカー内容的には、もうオーストラリアしかいなくなってしまったじゃありませんか。
ということで、もちろん決勝まで「サッカーを観察」しつづける筆者は、これからは、オーストラリアをサポートしようと心に決めているわけです。
では、また。
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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