トピックス


2015_アジアカップ(21)・・天気にも恵まれ、オーストラリアの元町、モンサンミッシェル、夏のバルト海を堪能した・・そして、ものすごくエキサイティングな「せめぎ合いになった」三位決定戦・・(イラクvsUAE、2-3)・・(2015年1月30日、金曜日)

今日は、レンタカーツアーで、はじめて天気に恵まれた。

そう、ニューカッスルでの三位決定戦。例によって、大住良之さん、後藤健生さん、そして田村修一さんも一緒です。

これで3度目の「レンタカー・ツアー」になるのですが、最初の日本vsパレスチナ戦、先日の準決勝オーストラリアvsUAE戦では、一日中風雨にたたられたからね、今日は、本当に素晴らしく爽快な日を過ごせている。

そのポジティブな1日のはじまりは、レンタカーのピックアップからはじまった。

いつものように午前11時に、レンタカー営業所に全員が集合し、私がカウンターへ。

いつもの、インド系マネージャーの方が、にこやかに迎えてくれた。彼とも、これで3回目になる。

初回には、返却の時間とか、カーナビの情報不良、またガソリンを入れる時間をもらえなかった等などで、チト険悪な雰囲気になった。

でも、2度目は、カーナビを除いて、まあすべてが順調に終わった。

そして今日の3回目。

そのインド人マネージャーとの対峙は、ホントに3度目ということになった。カウンターには他のスタッフもいたけれど、彼が、手招きで、それも満面笑みで迎えてくれたっちゅうわけなのです。

まあ、いい感じ。そして・・

・・ところで、お宅のカーナビ・・情報が古いですよね・・何度も「悪さ」されてしまいましたよ・・

なんて苦情の方が先に経ってしまった。でも・・

そんな言葉にも、彼の笑顔が消えることがなかったんだよ。そして、肯きながら、「そうなんですよネ〜・・」などと、キーボードを叩きつづけるんだ。そして・・

・・ところで今日のクルマですが・・カーナビのレンタル料が18ドルじゃないですか・・でも(・・と言って写真を見せながら!)、この、ランクが二つ上のクルマだったら、最新のカーナビがついているし、アナタだったら、30ドルを上乗せするだけで、お貸ししますよ・・

・・えっ・・ということは、30ドルから、(別立てのカーナビ費用)18ドルを引いた12ドル分だけ多く支払えば、最新のVWパサートを貸してくれるんですか?・・

・・ええ・・そうです・・いかがですか?・・

・・Yessss!!・・Good Deal !!・・

そんなふうに、すぐに手打ちになった。良かった。

クルマは、ホントに最新のパサート。もちろんカーナビが内装されている。それもディーゼルだぜ。まさに理想的だ〜!!

ディーゼル車は、とても性能がいいんですよ。加速、高速走行、そして燃費と、申し分ない。

そして、それ以外にも、このクルマには、「クルーズ・コントロール」も付いているんだ。これが、とても、とても嬉しかった。

前回のコラムでも書いたけれど、ここオーストラリアでは、制限速度を、すべてのクルマが厳格に守って走行するんだよ。そんな雰囲気に、もちろん私も、逆らうわけにゃいかない。

速度メーターの表示で、ピタリと「120」で(まあ実速は114ってなところかな・・)、「速度110制限」の高速道路を140キロほどを走りつづけるんだよ。そりゃ、足にもくるよ。

アクセルを踏む足は、踏み込むでもなく、解放するでもなく、ある一定の領域に、アクセルを維持しなきゃいけない。それに、エネルギーが要るんだ。

だから、長く、同じ速度で走りつづけているうちに、足の「スネ」の筋肉が、「つり」気味になっちゃうんだよ。それが、辛い。加齢か・・!?

だからこそ、機械・電子的に、まったく同じ速度を維持してくれる「クルーズ・コントロール」は、まさに神様の贈り物なんだよ。

それを「ON」したら、後は、レバーで、加速や減速を微妙に調整すればいい。足は、ブレーキ以外にはほとんど使わない。楽だ〜・・

______________

そのように、まさに快適にニューカッスルに到着した「レンタカー珍道中4人組」だったけれど、今日は、特別なアトラクションを準備していたんだよ。

大住良之さんの提案。

そう、ニューカッスルを代表する「灯台」の見学。彼は、灯台が、とても好きらしい。

最初は、「エッ・・灯台〜!?」なんて、軽く考えていたけれど、行ってみて、ビックリ。その、海と一体になった美しさに魅了された。

私は、写真にある、その全体的な雰囲気から、ドイツ北端の浜辺の町「ザンクト・ペーター・オルディング」やバルト海をイメージした。

また、その灯台からは、フランスの「モンサンミッシェル」的なイメージも浮かび上がってくる。

なんといっても今日は、素晴らしい好天に恵まれているわけだからね、青空の下に、「バルト海」と「モンサンミッシェル」が、鮮やかに浮かび上がってくる・・っちゅう構図なんだよ。

チト、大袈裟かもしれない。スミマセン・・。

とにかく、チト感動させてもらった。大住さん、どうも有難うございました。

その後は、街中へ入ってクルマを駐車し、そのまま、中心街にある「洒落たストリート(Hunter Street)」を散策することにした。

そのハンター・ストリートに入って、ちょっとビックリ。まさに、横浜の元町の雰囲気があるじゃありませんか。

まあ、金曜日の午後ということで、まだ人通りはまばらだったけれど、お洒落なショップやキャフェ、レストランなどが立ち並ぶストリートの雰囲気は、まさに元町ってな感じだったんだよ。

このニューカッスルには、バルト海や「ザンクト・ペーター・オルディング」、モンサンミッシェルや、横浜の元町まである。

私は、いっぺんに好きになってしまいました。

その後、レストランで食事をとってからお洒落なキャフェでコーヒーを飲み(後藤健生さんと田村修一さんは、ハッピーアワーで安くなったワインに舌鼓を打っていた!)、十分に、元町を堪能してからスタジアムのメディアセンターへと移動した次第。

そして、まだキックオフまでは1時間半あるけれど、鉄は熱いうちに打て・・ってな感じで、ものすごい勢いでキーボードを叩きつづけた筆者なのでした。

さて、三位決定戦。イラクとUAE。どんな「心持ち」で、ゲームに臨んでくるんだろうか。

両チームともに、本来は、コレクティブなサッカーのベクトル上にある(要は、組織と個がうまくバランスする方向性にある)、とても優れたチームなんですよ。

だから今日は、そんな彼らの本領を発揮し、美しくエキサイティングな勝負マッチを期待している筆者なのでした。

______________

後から、簡単にゲームを振り返ります・・・・

・・ということで・・

とにかく、3位決定戦とはいえ、ビックリするほどエキサイティングな「せめぎ合いマッチ」へとゲームが成長していきました。

両チームの意志が、ゴールの経過とともに、限界を突き破る勢いでアップしていったんですよ。

そんなゲームを観ながら、心の底から思った。

・・やっぱり、ゴールこそが、すべてのスタートラインなんだ・・ゴールさえ決まれば、すべてが活性化するんだよ・・

ホントに、来てよかった〜っ!!

ということで試合だけれど・・

まず何といっても、組織プレーと個人勝負プレーのバランスという視点から入っていかざるを得ない。そのポイントでは、明らかにUAEに一日の長があるんですよ。

そのことは、立ち上がりの時間帯から、明確に「見えて」いた。でも・・

そう、その組織プレーが、スペースの攻略という、攻撃の「当面の目標」を達成するところまでいかないのですよ。

人とボールの「動き」はスマートだけれど、でも、その動きが、イラク守備ブロックの、「UAEの次の展開に対する読みイメージ」を超越できないんだ。

それでは、イラク守備ウラの決定的スペースを攻略できるはずがない。

要は、UAEの攻撃では、たしかに全体的な「動き」は活発だけれど、その動きに、まだまだ広さとタテへの迫力、そして3人目、4人目といった、ボールがないところでのスマートな動きの量と質が伴っていないということです。

だから、あれほどゲームの流れを牛耳っているにもかかわらず「結果」に結びつけられないUAE。

でも結局彼らは、10番、7番、そしてゴールをゲットした11番による見事なカウンターの流れから、先制ゴールを奪った。

やはり、カウンターは、誰にとっても万能の武器ということだ。

でも、その後のイラクの攻撃では、タテへ突破していくというリスクチャレンジへの「意志」が、何倍にも膨れ上がっていった。

そんな彼らのタテへのダイナミズムに、「意地」を感じていた筆者なのです。それでも・・

たしかに、人とボールの動きに、十分なスマートさが伴っていない。でも彼らは、ゴリ押しでも構わない、とにかく決定的なクロスやシュートまでいくという強烈な意志のプレーをブチかましつづけるんだよ。

だから、とにかく、決定的なクロスとか、(ミドル&ロング)シュートなど、攻撃の目的を強烈にイメージした「前へのプレー」が抜群のダイナミズムを放散しつづけるんだ。そして・・

そう、スマートじゃないけれど、前述した「抜群の意志」が込められた強烈シュートが炸裂しつづけ、こぼれ球の押し込みも含めて、見事な逆転劇を演出してしまうんだ。

そこでブチ込まれた二つのゴールについては、もう、「意志のチカラ」としか言いようがない。そう、フッ切れた意志のゴール。

そんな流れは、「2-1」とリードした後半の立ち上がりも変わらなかった。立ち上がって直ぐに、エース10番のユスフが、スルーパスに合わせてタテへ抜け出し、決定的シュートを放ったりする。

そんな流れを見ていて、「UAEサッカーの発想はスマートだけれど、何かひ弱さばかりが目立つじゃないか・・これじゃ、このままイラクに押し切られても仕方ないな・・」なんて、思いはじめたんだ。そしたら・・

そう、天才の10番オマールのキープと、11番カリルの抜け出しが、ピタリとシンクロし、そのままカリルが、イラクGKまで外して同点ゴールを決めちゃうんだよ。

それは、後半6分のことだった。

そして、その6分後には、またまた10番オマールからの決定的スルーパスに合わせて抜け出した7番が、マークしていた相手ディフェンダーに後ろから押されて倒されちゃった。

もちろん、PK。そして、その倒したイラク選手はレッドカード。そして、PKも決まり、UAEが再逆転したんだよ。

その後は、もちろんイラクが、一人足りないにもかかわらず、ガンガンと攻め上がる。

というとで、ここからの見所は、UAE選手たちの、守備での「意識と意志」ということになります。

つまり、守備の人数が足りていることで(そう思い込んでいることで!?)、大事なシーンで、フリーランニングする相手や、ドリブルで突進する相手を、安易に「行かせて」しまうようなシーンが、どのくらいの頻度で発生するのかという視点のことです。

「リードしている・・」、そして「数的にも優位だ・・」、という意識が、彼らのプレー内容に「油断」を生むかもしれないということです。

実際に何度も、安易に、相手を「行かせて」しまうようなシーンを目撃したし、必死に押し上げてくイラク選手に、前線の選手が付いて戻らないことで、結局UAEゴール前で、人数が足りなくなるといった、信じられない現象も起きてしまったりする。

だからこそ、最後の30分間は、心理ゲームとしてのサッカーという視点で、とても興味深いグラウンド上の現象が繰り広げられたっちゅうわけだ。

まあ、結局UAEの守備ブロックの機能性が、徐々に落ち着きを取り戻したことで・・、また、イラクの前へのエネルギーが枯渇しはじめたことで、ドラマも落ち着いてしまったけれど・・

とにかく、私の想像を超えた、とてもエキサイティングで内容のある勝負マッチになったことに感謝していた筆者だったのです。

============

 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





[ トップページ ] [ Jワンポイント ] [湯浅健二です。 ]
[ Jデータベース ] [トピックス(New)] [ 海外情報 ]