トピックス
- 2015_アジアカップ(6)・・またまた、試合前の「前段」が長くなってしまった・・試合のテーマは、何といっても動きのコノテーション(言外に含蓄される意味)だね・・(ウズベキスタンvs中国、1-2)・・(2015年1月14日、水曜日)
- どうも皆さん、やっとブリスベンのホテルに到着です。(コラム内容とは関係なく、周辺の写真を何枚か載せておきますので・・)
ところで、「ここ」までの道程。
シドニーのホテルからは、またまた、グランピイ(grumpy)なアラブ人ドライバーの方が運転する「乗り合いタクシー」で空港へ向かいました。
色々なホテルを回って乗客をピックアップするからから、ドメスティック空港まで、かれこれ1時間ほどかかった。
それにしても、ドライバーの方のご機嫌は、ものすごく斜め。今朝、何か嫌なことでもあったんだろうか?
知らんぷりしていれば、どうってことないと思っていたけれど、それでも携帯で、運転中に、大声で怒鳴り合うように話したり(アラビア語だと思う)、大笑いするのはいただけない。
まあ、いいさ、知らんぷりしていれば・・。でも、うるさいし、とにかく不快。同乗していた他の方たちも、眉をひそめながら、必死に耐えている。フ〜〜ッ・・
まあ、とにかく、そのドライバー氏に気を取られないために、他のコトを考えればいい。
ということで、サッカーの戦術的なテーマに深く入り込んで試行錯誤することにした。
そこでは、守備に求められる「注意深さ」のコノテーション(言外に含蓄される意味)。
そんなコトに考えをめぐらせていたら、彼の無神経な携帯電話コミュニケーションも、気にならなくなった。あははっ・・
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あっと、飛行機。それは、LCCの、ジェットスターでした。
もう数ヶ月も前に、日本からインターネットを介して予約したから、9,000円と、とてもリーズナブルだった。でも・・
そう、フライトを選択するときに、「細かな条件」を見落としていたんだ。
そして私が選択してしまったのは、預け入れの荷物が「無し」っちゅう条件のフライト。でも、もちろんスーツケースは持っている。
「あっ・・その大きさのスーツケースは、機内に持ち込めませんよ・・」
すぐに、チェックインデスク係員に、注意をうながされてしまった。
仕方なく、ヘルプデスクへ行った。そしたら、そこの女性係員が、ものすごく親切に、色々と助けてくれたんだよ。
「15キロの預け入れ荷物ですね・・ある条件をクリアすれば(このメカニズムが、うまく理解できなかった!!)、通常50ドルですが、かなり安くなります・・」
・・なんて言いながら、キーボードを打ちつづけている。
オーストラリア英語だから、「ある条件」が何を意味するのか、100%分からなかったけれど、彼女の表情から、私のことを助けてくれようとしてくれているのは確かなようだ。そして・・
「さあ、出来ました・・それでは、ここで25ドル支払ってください・・あっと・・アナタは、18日には、ブリスベンからメルボルンに飛ぶんですね・・あららっ・・これも、間違った条件を選択している・・それじゃ、まとめて、ここで支払ってしまいましょうか・・」
私の名前から、別の国内便の予約状況も確認してくれているようだ。その、素早く、正確な仕事ぶりは感嘆に値する。いや、ホント、まさに女傑だぜ。
「アラッ・・23日には、メルボルンからシドニーへ飛ぶんですね・・あっと・・でも、この予約内容では、はじめから預け入れ荷物の料金を支払ったことになっている・・よかった・・」
・・なんて、ネ。
「アナタは、アジアカップの取材に来られたんですね?」
このことは後述するけれど、プレスIDを見せれば、公共交通機関や、その他のサービスも受けられる。だから、ホテルを出るときには、既にIDをクビにかけていたんだよ。
そのプレスIDの意味を、「めざとく」理解したその女傑は、すぐに私の目的を理解したっちゅうわけなのです。
「えっ!?・・あ〜、これですね・・そうなんですよ、アジアカップの取材」
「ということは、昨日の、オーストラリア対オマーン戦もスタジアムで観てらっしゃったの?」
「そうです、観てました・・それにしても、オーストラリアは強いですね・・」
「あらっ、そうなんですか??」
「いや、ホント、今回も強いチームですよ・・」
彼女は、サッカーには興味なしってコトか・・。でも、別れ際は、チト洒落てやろう・・。
「どうも、本当に、心から感謝します・・貴女の仕事ぶりに感服させられました・・こんな短時間で、それも荷物代が安くなる可能性まで探ってくれて・・貴女のスーパーな仕事ぶりは、本当に、心地よい限りでした・・」
そして・・
「それでは、貴女とは(オーストラリアとは!)、決勝で、会いましょう・・」
2〜3秒してから、(その言葉の意味を正確に理解した彼女が!)これ以上ないほど素敵な笑顔を魅せてくれたっけ。
ということで、とてもハッピーになった筆者なのでした。でも・・
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ここからは、全てのジャーナリストに知らされていた、「プレスIDで全ての公共交通機関がタダになる」という告知について。
それを知ったのは、お恥ずかしながら、ニュー・キャッスルでした。「湯浅さん、ご存じでしたか・・?」って、他の若手ジャーナリストの方から教えてもらったんですよ。
そのとき、「ヘ〜ッ・・ホントですか?」ってな、頓狂な声が出てしまった。
何せ、タクシーだけじゃなく、公共交通機関も、バカにならないほどの金額になるからね。だから、先日コラムで書いたように、金輪際タクシーは使わないと心に決めた筆者としては、とても嬉しい情報でした。
そして昨日のシドニーでは、ホントに、タダで、電車やバスを利用できた。係員の方々やバス運転手の方々も、そのことをしっかりと知っていて、まったく問題なかった。
前出の、若手ジャーナリストの方などは、160キロもある、シドニー、ニューキャッスル間も、そのサービスを利用し、タダだったとのこと。いいネ〜・・
そして、ここから、前述した「でも・・」っちゅうストーリーがはじまるわけなのです。あははっ・・
ブリスベン空港。
フライトは、とても快適だった。そして気持ちよくブリスベンに到着し、スムーズに預け入れ荷物を受け取って、颯爽(さっそう)と鉄道駅へ。
そこで、強面の女性係員が出てきたんだ。
私が、ゲートを通過しようとするのを、無神経な(チト不遜な)態度で阻止し、そして、「チケットはっ!?」って、不躾(ぶしつけ)に声をかけてきたんだよ。
でも、こちらは、柔らかに、「このプレスIDのことは、ご存じですよね?」と聞いた。
そしたら、「そんなの知らない・・」ってな態度をするんだよ。ちょっと、ビックリ。
だから、「スミマセン・・知らないのだったら、マネージャーに聞いてみて頂けませんか?」と、丁寧に頼んだ。
まあ、彼女にしても、そこまで言われては仕方ない。不遜な彼女も、マネージャールームへ聞きに行ってくれたんんだよ。そしたら、3ページ綴りの資料を持ち出してきた。
そこには、アジアカップで発行される「ID」の写真が載せられていた。
こちらは、「それそれ・・これで問題なく通れるな・・」って思った。でも・・
彼女は、私の目の前に来て、その書類を、隅から隅まで読みはじめたんだよ。次の列車まで、あと5分というタイミングだぜ。
そして、「よく分からないから電話して聞きます・・そこで待っていてください・・」と、私を、ゲートに立たせて、またまたマネージャー室に入り、そこで、今度は電話を掛けはじめるんだ。
その「資料」に載せられていた「ID」だけれど、ちょっと心配になったのは、それが、まさに「一般的な例示写真」だったこと。
・・いや、見落としたに違いない・・ジャーナリストが対象外なんてコトは考えられない・・
その強面の彼女は、延々と電話口で話している。こちらの電車の出発時間など、まったく眼中にないかのように・・。
その電車を逃したら、次は30分ほども待たせられるんだよ。
しびれを切らせ、仕方なく、ホテルがある駅までのチケットを購入した。17ドル。まあ1,700円ほど。でも、それは、単に20分ほど乗る「四駅分」に過
ぎない(列車の速度は30キロにも満たない鈍速にもかかわらず・・だぜ)。その料金の高さに、またまたフリーズさせられてしまう。フ〜〜ッ・・
それでも、まだ「強面の彼女」は、電話で何やら話し込んでいる。ページや項目を、一つひとつ指さしながら。
もう、こうなったら知ったこっちゃない。ゲートを抜けてプラットフォームへ向かった。そのとき・・
その「強面」が追いかけてきたんだよ。そして言うんだ。
「たしかに、大会の関係者やボランティアの方は無料ということですが、ジャーナリストについては、確認がとれないのですよ・・」
その彼女、大会そのものが、交通機関をサービスするという方針であるコトを認識したのかもしれない、少し、口調が注意深くなった。でも・・
「もう、いいです・・私は、この電車に乗り遅れたくないから、もう行きます・・」って、プイッと踵(きびす)を返したっちゅう次第でした。
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コトの顛末だけれど、こういうことでした。ちょっと落胆した。
メディアセンターに着いてから、LOC(ホームカントリーの組織委員会)のマネージャーと、そのことを話したんだよ。
「えっ・・そうですよ・・大会IDをもっているジャーナリストは、全ての公共交通機関はタダで乗れるんですよ・・でも、ちょっと確かめてみますからね・・」
その彼女は、そう言うと、携帯で、先方の方と、何やら話しはじめるんだよ。そして最後に・・
「何だ・・そうなんだ・・それは、知らなかった・・」
要は、こういうことです。
・・シドニーでは、IDを持っている全員に対して、公共交通機関を無料にするサービスを行っている・・でも、都市(州)によって、対応はまちまち・・ここ
ブリスベン(クイーンズランド州)では、ユニフォームに身を包んで「ボランティアID」を持っている人だけが、交通機関の無料サービスを受けられる・・
ジャーナリストは、その限りではない・・
フ〜〜ッ・・
何だ。一体どこで、情報が錯綜してしまったんだろう。LOC(ホームカントリーの組織委員会)の情報の出し方が「理想的なモノ」じゃなかったのか!?
それとも、コチラの、「情報の読み方」に問題があったのか!?
まあ、仕方ない。今度、空港へ行ったら、あの「女性係官」に、事情を説明したいね。何せ、このままじゃ、後味が悪すぎて・・
とにかく、フ〜〜ッ・・
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あっと、試合(中国対ウズベキスタン)・・。
チト、複雑な心境でコラムを書くことになってしまった。
要は、サッカーの質で、明確に一段上のウズベキスタンが、結局は、中国が展開する、「個の勝負プレーのブツ切りサッカー」に、やられちゃったんだからね。
たしかに中国も、後半は、内容的に大きく持ち直しはしたけれど、全体的なサッカーのクオリティーからすれば、やはりウズベキスタンの方が優っているっちゅうことです。
そんな、中国vsウズベキスタン戦だったけれど、前半のゲームを観ながら、「そうそう・・サッカーの質は、結局は、人とボールの動きの量と質で決まるんだ・・何といっても、サッカーの基本はパスゲームだからね・・」なんて、思っていた。
ウズベキスタンは、人とボールの、意図をもったスムーズで大きな動きの連動性をベースに、本当にスマートに、そしてスムーズに、グラウンドを、広く使いつづけるっちゅうわけだ。
それほど、両チームの、組織サッカーの質に「差」があったと思っているわけだ。
ゲームは、局面でのパワフルな個人勝負を仕掛けていく中国が、立ち上がはペースを握った。
でも、時間の経過とともに、スマートなウズベキスタンが、実質的なゲームの流れを牛耳るようになっていったんだよ。
私にとっては、そのゲーム展開は、まさに「理の当然」という感じだった。
そしてウズベキスタンが、順当な先制ゴールをブチ込んだ。
そこからの興味の対象は、「さて・・ウズベキが、あと何点ブチ込むのかな・・」なんていうモノに変わっていったんだ。でも・・
一発の「局面勝負」では、もちろん中国も、それなりの破壊力を魅せるわけだけれど、結局「それ」がツボにはまったカタチで、同点ゴール、勝ち越しゴールと、つづけざまなウズベキ守備ブロックを攻略しちゃったんだよ。
まあ、たしかに後半のウズベキスタンは、かなり疲れが見えていた。だから、それまで機能していた組織的なカバーリング網に「綻び」が生じてしまったということだね。
綻び・・。
それは、もちろん、「たぶん中国は、あそこでミスパスをするだろう・・」とか、「ヤツ等は、ボールをこねくり回すことで仕掛けが遅くなるから、この勢いで、カバーリングも間に合うはずだ・・」なんていう、ちょっとイージーな心理。
だから、マーキングやカバーリングが、微妙に「遅れて」しまう。
そんな、厳しい状況でも、最後の最後まで、「注意深いディフェンス&カバーリング」を機能させられるのが、一流の証拠なんだけれど・・サ。
とはいっても、私はサッカーコーチだから、あくまでも、質の高いサッカーを展開するウズベキスタンに肩入れしていた。でも・・
たしかに、後半の中国は、ボールの動きという視点で「も」改善した。
でも、基本的な部分では、やはり「パワーとスピード」を前面に押し出す「チカラ業サッカー」ということに変わりはない。
ということで、このコラムのテーマを、人とボールの「動きイメージ」をチーム内でシェアする内実の「量と質」なんて表現しようかな。
繰り返しになるけれど、ボールホルダーがパスを出す「タイミングとそのコース」を、チームメイトの誰もが、しっかりイメージ出来ている。
その視点で、ウズベキスタンに一日以上の長があると、彼らの敗戦を、チト残念に感じていた筆者でした。
これで、このグループは、とてもエキサイティングな「グループ最終日」を迎える。
既に決勝トーナメントを決めている中国と、グループリーグ敗退が決まっている北朝鮮のゲームではなく、もちろん、生き残りを懸けた、ウズベキスタンと、やっと調子が上がってきたサウジアラビアが激突する勝負マッチのことだよ。
今から、とても楽しみじゃありませんか。
では、また明日。
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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