トピックス
- 2015_東アジアカップ(その2)・・相手のツボ(主な狙い)であるカウンターを許してしまった・・だからフィジカル要素が主役のゲームになってしまった・・(なでしこvs北朝鮮、2-4)・・(2015年8月1日、土曜日)
- ・・やろうとしていたコトについては、全員で前向きにトライしてくれたと思う・・
・・でも勝負どころでは、なでしこの弱い部分がはっきりと見えた・・
・・また攻め方にしても、中央に寄り過ぎてしまった・・そのことで相手に効果的に「詰められ」、彼らに都合の良いカタチでボールを奪われて必殺のカウンターを喰らってしまった・・
・・要は、相手に、得意なカタチを創り出されたということだ・・いや・・もっと突き詰めたら、自分たちで、そのチャンスを与えてしまったとも言える・・
・・これから、終盤の勝負どころで出来なかったコトをしっかりと反芻し、それを次につなげていかなければならない・・
試合後、佐々木則夫さんが、そんなニュアンスの内容をコメントしていた。
まさに、その通り。素晴らしい分析だと思う。
「それ」をもう少し突っ込んだら、「勝負どころでの、小さなトコロのこだわりプレー(粘り強さ)・・」なんていう表現だって出来るかもしれない。
そう、ワールドチャンピオンに輝いた彼女たちの先輩が、常に標榜していた「意志のサッカー」・・。
まあ、皆さんも観られた通り、相手の北朝鮮と比べ、スピード、パワー、高さ等などのフィジカル要素で「明確な差」が見えたゲームだったですよね。
だからこそ「なでしこ」は、「人とボールの動きの量と質」で相手を凌駕できなければいけない。
前半の「なでしこ」は、その面で、かなり北朝鮮にやられていたと思う。
北朝鮮は、「なでしこ」のことを、とてもよくスタディーしてゲームに臨んだっちゅうことだ。
でも、後半になったら、フッ切れた「なでしこ」の、攻守にわたる「組織サッカーの量と質」が格段にアップした。
それは、言わずもがなだけれど、攻守にわたる意志のパワー(≒ボールがないところでの動きの量と質)がアップしたからに他ならない。
そして彼女たちは、そんなペースアップを、しっかりと結果に結びつけちゃうんだよ。
たしかに「なでしこ」の最初の同点ゴールは、フリーキックからだった。
でも、そのフリーキックにしても、「動き」で、相手ディフェンスを振り回したからこそ、相手がたまらずにファールを犯したという背景があった。
また二つ目の、杉田亜未がブチかましたスーパーミドルにしても、しっかりと人数をかけて攻め上がっていたからこそ、相手の無理な体勢でのクリアを誘発し、それが「あの」スーパーミドルにつながった。
でも・・
そう、北朝鮮にブチ込まれた(オフサイドギリギリだったFK先制ゴールを除いた!)残りの3ゴールは、そのすべてカウンターの流れからだった。
そして最後は、「個のチカラ」でゴールを、むしり取られた。
そう、北朝鮮のスピード&テクニカルスター、ラ・オンシム。
もちろん、「そこ」を抑えるために人数をかけられていなかった・・というグループ戦術的なミスはあった。そして、インターセプトや相手のパスレシーブ狙いの「詰め」が甘いという守備での「個人戦術的なミス」も・・。
たしかに、佐々木則夫さんが言うように、守備での詰めの甘さは、あった。それについては、ビデオを見直すことで、イメージトレーニングを積むしかない。
まあ・・・仕方ない。
ところで、目の覚めるようなスーパーミドルをブチ込んだ杉田亜未。
前半の途中から、先発ボランチだった上尾野辺めぐみとポジションを代えて、今度は彼女が、ボランチとして、ベテランの川村優理とコンビを組むことになった。
そして、目の覚めるようなスーパーパフォーマンスを魅せつづけるんだよ。
ボール奪取勝負プロセスでも、攻撃でも。
私は、特に、ディフェンス(ボール奪取プロセス)での「仕事を探しつづける姿勢」と、実効ある勝負プレーに、舌鼓を打っていた。
このポジションの変更。その確固たる成果を観ながら、佐々木則夫さんの「確かな眼」に拍手を送っていた。
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とにかく、なでしこの新生チームにも期待したいですよね。
でも、そのためには、選手たちに、先輩たちの「ハングリーさ」を体感させなければいけない。
小さなトコロ・・
・・マーキングやチェイシングでの、相手との間合い・・相手に詰められても慌てないボールコントロール(反復トレーニングで着実にスキルはアップする!!)・・そして、闘う意志のレベルアップ・・等など・・
課題は山積みです。
でも、原則的なコトを取り誤らなければ、確実にチームは成長していく。
頼みましたよ、佐々木則夫さん。
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あっと・・中国対韓国のセカンドハーフが始まった。
ビックリするほど高度でエキサイティングな勝負マッチになっている。前半は、韓国が、内容に相応しい「1-0」のリードを奪っている。
でも後半の立ち上がりは、失うモノがなくなった中国が、前から、前からって、強烈なプレッシングサッカーを展開している。
面白い。
また、この試合から、何か発見があったら書き足します。
アッ・・そりゃ、ファールだろ〜っ!!!
あっ・・失礼・・
ではまた明日・・
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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