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2014_皇后杯決勝・・ベレーザの順当な優勝でした・・それと両監督との対話も・・(日テレ・ベレーザvsレッズレディース、1-0)・・(2015年1月1日、木曜日)

何か、聞くところによると、私のコラムが長すぎることで、途中で「めげ」てしまう読者の方々も多いそうな。

ふ〜ん。でも、まあ、私のコラムには、「読みたい人」しか飛んでこないだろうから・・。

とはいっても、なるべく多くの方々に読んでいただく・・ことも、大事なコラムコンセプトの一つ。ということで、「長すぎる・・」というご意見も、しっかりと心に留めることにした次第。

もちろん、繰り返しを少なくし、文章(骨子)をできる限りコンパクトに「まとめ」ようと思えば・・だけれど、今は、気の向くままのランダム構成「も」楽しんでいるという側面も大きいから・・ネ。

ということで皇后杯決勝。

敗れたレッズレディースの吉田靖監督は、ベレーザとの「底力の差」を素直に認めていたっけ。

実際に今シーズンは、内容でも結果でもベレーザに軍配が挙がる。そして、この試合でも・・。

たしかに後半は、追いかけるレッズが勢いを増幅し、サイドゾーンを崩して送り込むクロスボールをベースに、何度もベレーザを追い込んだ。

でも結局は逃げ切られてしまった。それも、ある程度の「余裕」をもって・・。

まあ、試合経過については別のサイトを参照していただくとして、ここでは、いくつかのテーマに絞り込んでディスカッションすることにしますよ。

「このゲームは、一発勝負トーナメントの、それも決勝じゃないですか〜・・だから私は、清家貴子が出てきたとき、もう、脇目も振らずに、前方へロングボー ルをガンガン送り込むのかと思っていた・・でも、結局は、自分たちのリズムを外れることがなかった・・単純なロングボール攻撃は、プライドが許さなかった ということですか?」

レッズレディースの吉田靖監督に、そんな聞き方をした。

捉え方によっちゃ、チト失敬な聞き方だったかもしれないけれど、悪意のない「本音トーク」もまた、記者会見を実のあるモノにするための大事なファクターだからサ・・。

そんな私の(チト無神経な!?)質問に対し、吉田靖監督は、とても真摯に、こんなニュアンスの内容をコメントしてくれたっけ。曰く・・

・・いや、我々も、そんな仕掛けをイメージしていたんですよ・・チームも、清家貴子が出てきたことは、タテへのロングボール攻撃「も」意識せよというサインだと理解していたはずですからね・・

・・でも実際は、そんなに簡単に、効果的なロングパスを送り出せなかったということだったんですよ・・ベレーザの守備が、とてもうまく機能していたということですね・・だから、正確なロングパスを出せるような状況を作り出すのが簡単ではなかったのです・・

・・とはいっても後半は、何度か、意図したイメージのタテへの仕掛けが成功しかけたし、清家貴子も、その流れのなかで、彼女の持ち味を出せていましたよね・・

「そうですよね・・そう思います・・ところで清家貴子のポストプレーはどうですか?」

そんな質問も、ぶつけてみた。そしたら・・

・・いや、彼女のポストプレーは、まだまだです・・何といっても、まだ18ですからね、これから、様々な変化をつけるためのプレーパリエーションを学んでいくはずです・・

・・あっと・・

・・それと、猶本光が、ケガで出場できなくなったことも、たしかに痛かったですよね・・とはいっても、サッカーではケガはつき物ですから、彼女をリカバーできなかったのは、我々の層の薄さを物語っています・・それは今後の課題ということですネ・・

いいね、吉田靖。とても、真摯で、分かりやすいコメントでした。

また、ベレーザの寺谷真弓監督。

こちらも、その話し方、内容、醸(かも)し出す雰囲気などなど、とても優れたパーソナリティーを放散しちゃっているじゃありませんか。

・・今日は、NHKの地上波で中継されたことも含めて、本当に最高のステージでした・・そこで優勝できたのですから、選手たちを祝福し、彼女たちに感謝したいと思います・・

・・ところで、この試合ですが・・

・・いつものレッズ戦とは、ちょっと趣を異にしていました・・というのも、いままでは、彼女たちに押し込まれる展開で立ち上がることが多かったんですよ・・

・・そして後半になって、レッズの足が止まりはじめたところから、今度は私たちが仕掛けていく・・そんな展開が多かったんですが、今日は、その逆になりました・・

・・でも、まあ、タイミングよく先制ゴールを奪えたことで、精神的にも余裕をもって闘えたと思います・・たしかに後半は、押し込まれ、相手のクロスからピンチにも陥りましたが、選手たちは、よく耐え、頑張ってファイとしたと思います・・

・・だから、彼女たちを祝福し、彼女たちに感謝しなければと思っています・・

もちろん、ワード・ツー・ワードというわけじゃないけれど、そんなニュアンスの内容を、とてもスムーズに、歯切れよくコメントしつづける寺谷真弓なのです。

私は、そんな彼女の言動に、とても優れたパーソナリティーとインテリジェンス(ウィズダム≒知恵)を感じていた。

だから、聞いた。

「昔わたしも同じクラブ(読売サッカークラブ)で関わったこともあったから、ベレーザが勝って、ちょっと嬉しかったですよ(笑)・・ということで質問なんですが・・ちょっと、この試合とは関係ないコトかもしれませんが・・」

「今回の”なでしこ”は、前回ドイツW杯(2011年)で頂点に立ったときと、基本メンバーは同じです・・寺谷さんは、この世代が終わってから、次の”なでしこ”は、どうなると思われますか?」

たしかに、この試合とは関係のない質問だったけれど、寺谷真弓の優れたパーソナリティーを感じたからこそ、聞いてみたかった。

そして彼女は、とても誠実に、そしてストレートに、こんなニュアンスの内容を、立て板に水・・ってな感じでコメントしてくれた。曰く・・

・・いまの”なでしこ”は、誰からも注目されないという厳しい環境のなかで頑張った・・彼女たちは、心底サッカーが好きだった・・だからこそ、強い、とても心の強いチームに仕上がった・・

・・でもいまは、女子サッカーの環境は改善してきている・・だから逆に、いまの”なでしこ”につづくべき次の世代には、少し甘えがあるかもしれない・・

・・いまの”なでしこ”選手たちが若かったころは、本当にものすごく苦労した・・

・・だからこそ、しっかりと誠実にサッカーと向き合った・・そしてだからこそ、本当の意味で進化できた・・でも今の世代は、その、サッカーに向き合うという視点で、甘さが目立つ・・

・・サッカーでは、主体的に闘うことが不可欠だ・・いまの”なでしこ”は、サッカーに取り組んでいくなかで、自然と、そんな闘う姿勢が身についていった・・

・・でも、次世代の「なでしこ」は・・とにかく、その視点でも彼女たちは、しっかりとした危機感をもって精進していかなければならないと思う・・

いいね〜、寺谷真弓。ファンになってしまいそう・・。

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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