トピックス
- 2015_J2_第3節・・柱谷哲二が怒っていた・・そして富樫剛一が演出したハーフタイムの奇跡(的な現象!?)・・(ヴェルディvsホーリーホック、2-0)・・(2015年3月21日、土曜日)
- このゲーム、実は、前半を観おわったとき、もう帰ろうと思ったんですよ。それほどゲームの内容がヒドかった。
・・前半のサッカー・・両チームともに、まったくといっていいほど「仕掛け」ていかない・・だから詰まらない・・だからオレの学習機会にもならない・・
・・コイツらは、互いの(次の守備への!?)ポジショニングと人数のバランスを執ることだけにご執心だ・・要は、意気地がない・・リスクチャレンジへの勇気がない・・そんなだったら、流れのなかでチャンスを作り出せないのも道理じゃないか〜っ!!・・
・・サッカーは、勝負へいかなければ、ミスのない安泰プレーができるボールゲームなんだよ・・別の表現をすれば、サッカーは、究極の「意志のボールゲーム」っちゅうことだ・・
仕掛け・・。
その絶対的ファクターは、ボールがないところでの「人の動き」の量と質なんですよ、言うまでもないだろうけれど・・。
効果的な仕掛けの(タテへの!)パスは、やっぱり、「パスを呼び込むフリーランニング」がなければ出てこないんだよ。
自分のマーク相手を放り出してでも前方スペースへ押し上げていく。そこじゃ、もちろん、「次のディフェンスで穴が出来るかも・・」という、後ろ髪を引かれる思いと闘わなければいけない。
その押し上げが失敗したら、全力スプリントで戻ってくりゃ、いい。
イビツァ・オシム、ヘネス・ヴァイスヴァイラー、リヌス・ミケルス、ヴァレリー・ロヴァノフスキー等など、サッカー史に燦然と輝く「スーパープロコーチ」たちは、平然と、選手にとっちゃ「理不尽」そのものっちゅうコト(ハードワーク)を要求するんだよ。
でも、それがサッカーだし、そんなリスクチャレンジの動きがなければ、決して、観る者の心を動かせない。また自分自身だって、進化できない。
でも逆に、そんな、ボールがないところでのリスクチャレンジの動きが出てくれば、おのずと、人とボールの動きが活性化し、全体として、スーパーサッカーへとレベルアップしていく。
そのなかで、一つの機能パーツとして効果的プレーを展開できれば、その選手は、確実に発展ベクトル上に乗っているっちゅうことだ。
このコトについては、ロジックな説明なんて、必要がないでしょ。
サッカーは、ある意味、とても「理不尽」なボールゲームなんだよ。
だからこそ、世界ナンバーワンボールゲームであり、人類史上最高パワーを秘める「異文化接点」でも、あるわけだ。
そう、不確実な要素が満載されているサッカーは、他の追随を許さない、オンリーワンの「究極心理ゲーム」なんだ。
だからこそ、選手一人ひとりの「意識と意志」の内容によって、サッカー内容に(グラウンド上の現象に)、まさに雲泥ともいえる「違い」が出てきてしまうというわけだ。
そして、後半・・。
ヴェルディのサッカー(仕掛け)に、大きな変化が見えてきた。
そう、ボールがないところでの動きの量と質(サポートとパスレシーブの動き・・等など)が、格段にアップしたんだ。
「そう・・それだよっ!!」
思わず声が出た。
でも、ホーリーホックの方は、相変わらず、「何かを怖がった」受け身で消極的なサッカーに終始している。これじゃ、ヴェルディに試合内容で凌駕され、リードを奪われても仕方ない。
それでも・・
そう、ヴェルディに先制ゴールを奪われてから、ホーリーホックの「人とボールの動きの勢い」が、格段にアップしたんだ。
・・そう、それだよ・・その積極サッカーだ〜っ!!・・アンタ方、やれば出来るんじゃネ〜か・・それが、アンタたちの本来のサッカーなんだよ・・
そして今度は、ホーリーホックが、何度か同点ゴールのチャンスを作り出したっちゅうわけだ。
そんな惜しいチャンスを作り出せたのは、明らかに、積極的な組織サッカー(闘う意志!!)の内実がアップしたからに他ならなかった。
ゲーム後の記者会見。
ホーリーホックの柱谷哲二さんは、怒り心頭に発していた。
・・いったい選手たちは何を怖がっていたんだ・・こんな意気地のないサッカーじゃ、何も生み出せない・・シーズン前のトレーニングでは、練習マッチも含め
て、とても良い積極サッカーが出来ていた・・それなのに、本番になったら、この体たらくだ・・これから、選手たちの目を醒まさせなければいけない・・まだ
シーズン序盤・・まだ間に合う・・逆に言えば、シーズン序盤で、チームの心の問題点が明確に見えたことをポジティブに捉えたい・・等など・・
彼は、怒りまくっていた。
そう、その怒りエネルギーを、選手たちに植えつけなきゃいけない。サッカーは、闘いなんだよ。「冷静に闘う・・」なんてカッコいいコトをいうヤツ等もいるけれど、ソレが、究極の、エモーショナルな闘いであるコトに変わりはない。
だからこそサッカーは、究極の心理ゲーム。
私は、柱谷哲二が記者会見場でブチかました、「ホンモノの怒り」を肌で感じ、「ホーリーホックは大丈夫だ・・」なんて思っていた。
最後になったけれど、ヴェルディ監督の富樫剛一。
彼が為した「ハーフタイムの奇跡」には、とても感銘を受けた。
とにかく、ハーフタイムを境に、ヴェルディのサッカー(攻守にわたる組織サッカーの!!)内容が、ビックリするほど大きく、ポジティブ方向へ振れたからね。
富樫剛一がハーフタイムにブチかました「檄」。
そのことについては、ヴェルディ関係者から聞いた。いや、ホント、頼もしい。
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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