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2015_J2_第21節・・今のヴェルディには、登り龍の勢いがある・・(ヴェルディvsアビスパ、1-1)・・(2015年7月4日、土曜日)

ヴェルディは、ホントに良くなっている。富樫剛一監督の優れた仕事に拍手を送りたい。

あっと・・

もちろん井原正巳さん率いるアビスパも、とても充実しているよ。そういえば彼らのゲームは、先日、ジェフとのアウェー戦をスタジアム観戦したっけ。

そこでもっともインプレッシブ(印象的)だったのは、攻守にわたる(強い意志が込められた!)ダイナミックプレーと、リスクへ「も」チャレンジしていく攻撃的な積極サッカーの中で気を吐きつづけていた、スーパードリブラーの7番(金森健志)だった。

皆さんもご存じのとおり、この金森健志は、リオ五輪の予選に臨む手倉森誠オリンピック代表でも重要なタスクを担っている。

まあ、今日のゲーム(アウェーでのヴェルディ戦)では、U22の代表戦があったことで後半からの交代出場だったし、そのときは、チーム全体が「一点を守り切ろう」という姿勢だったこともあって、何度かの、カウンター爆発ドリブルくらいしか見せ場はなかったけれど・・ね。

あっと、ゲーム。

ここからは、いくつかのポイントを、ランダムにピックアップします。ということで・・

・・まず、立ち上がりのゲームの流れ・・

・・そこでは、ビックリすることに、アウェーのアビスパが、強烈なプレッシングサッカーでヴェルディを押し込んでいったんだ・・

・・まあ、押し込まれたにしても、ヴェルディの守備ブロックが崩し切られるというわけじゃなかったけれど、とにかく、アビスパのレベルを超えた勢いに、チト度肝を抜かれたっけ・・

・・でも・・

・・そう、その数分後に、少し押し返してきたヴェルディの突貫小僧、杉本竜士に、左サイドをドリブルで突破されただけじゃなく(3人のアビスパディフェンダーをブッちぎった!)、その直後には、(たぶん中後雅喜・・!?)決定的なミドルシュートもブチかまされた・・

・・そして・・

・・そう、その二つのピンチをキッカケに、キックオフと同時にアビスパがブチかましていた「前からプレス」の勢いが、大きく減退したんだ・・

・・彼らは、その二つのピンチで、急に、「行き過ぎる」ことに不安を覚えるようになった!?・・

・・そしてゲーム展開が「逆流」していったっちゅうわけだ・・まあ確かに、徐々に「動的な均衡状態」に落ち着いていったわけだけれどサ・・

・・そんなゲームの流れの「変化」を観ながら、私は、不確実なファクターが満載のサッカーは、まさに「本物の心理ゲーム・・」という普遍的な事実を噛みしめていた・・

・・そう、ちょっとでも、「やられた・・」というイメージに「アタマを占拠される」ことによって、積極的に前へ仕掛けていく「意志≒勢い」に陰りが出てくるっちゅうわけだ・・

・・でも、そんなアビスパが、前半ロスタイムに先制ゴールを決めちゃうんだよ・・

・・そして後半は、お定まりの、一点を守るアビスパが守備を固めてカウンターを狙う・・ってな展開へとゲームの流れが変容していく・・

・・そんな後半の展開とヴェルディの攻撃を観ながら、こんなコトを思っていた・・

・・ヴェルディの仕掛けでは、あまりにもコンビネーションイメージが強すぎる・・

・・要は、「美しいスルーパス」を狙いすぎているんだよ・・でも、そんな仕掛けプロセスは、(ヴェルディ対策万全の!)アビスパ守備にとっちゃ、飛んで火に入る夏の虫・・

・・そんなだから、個のドリブル勝負を織り交ぜたコンビネーションを仕掛けようにも、最後の勝負スポットに入り込もうとする味方プレイヤーが、ことごとくマークされてしまうのも道理・・

・・でも・・

・・そんなジリ貧の展開のなか、唐突にヴェルディが決定的チャンスを作り出してしまうんだよ・・

・・左サイドバックの安在和樹からの、ファーサイドゾーンへの「ハイクロス」・・それを、交代出場したアラン・ピニェイロが、抜群の高さで、爆発的なヘディングシュートをブチかますんだよ・・

・・左ポスト直撃!!・・

・・その直後には、再び安在和樹からのハイクロスが、またまたアラン・ピニェイロのアタマにピタリと合うんだ・・

・・そんな、ヴェルディとしては、「ある意味アバウトなクロス攻撃」だけじゃなく、中後雅喜が、中央ゾーンから、決定的なミドルシュートをぶちかましもした・・

・・言いたかったことは、「一つのイメージ」に凝り固まった仕掛けじゃなく、たまには、相手守備がビックリするような攻めもブチかましていけば、相手ディフェンスの「対処イメージ」が分散することで、攻撃の「危険度がアップする」ということなんだよ・・

・・あっと、最後の10分間にヴェルディが魅せつづけた、ものすごくパワフルでダイナミックな攻め・・っていうテーマもあったよね・・

・・井原正巳さんもシャッポを脱いでいたように、その最後の時間帯でヴェルディが魅せた仕掛けの勢い(特にボールがないところでのハードワークの量と質!)には、本物のハイレベルサッカーエッセンスが詰め込まれていたんだ・・

・・もちろん、最後の時間帯に、あれだけの「走力(=意志パワー)」を魅せつけられたことも、彼ら自身にとっての「次」につながるという意味合いでも特筆の成果だったと思う・・

・・まあ、前節のアウェー、アルディージャ戦の勝利は、まったくフロックじゃなかったっちゅうこと「も」言いたかった筆者だったんですよ・・

攻守にわたる「アクション連動性」というハードワークを追求しつづける富樫剛一監督。

とにかく彼が率いる今のヴェルディには、様々なコノテーション(言外に含蓄される意味)を内包する「登り龍の勢い」が詰め込まれていると感じる。

そのコトが言いたかった。

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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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